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【ダイワの最高峰タイラバロッド紅牙EX】「乗せ」と「掛け」、それぞれの名手が語る

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タイラバ特集2020

ダイワのフラッグシップタイラバロッド紅牙EXに2020年モデルが登場した。

まず、20紅牙EXには乗せ(N)タイプと掛け(K)タイプがあり、TYPE-N2機種とTYPE-Kタイプ1機種の計3機種がラインナップされた。

乗せタイプを操る中井一誠さん

後迫正憲さんが手にするのが「掛けどころが分かるロッド」Kタイプ

今回はタイプNについては中井一誠さん、タイプKについては後迫正憲さんにそのスゴさを直撃した。

エアセンサーシートショートトリガー

それをご紹介する前にひとつ、3機種ともに採用されている新型リールシート「エアセンサーシートショートトリガー」について述べたい。

写真の通り、そして名前の通り非常にトリガーが短いエアセンサーシート。

エアセンサーシートはそもそもカーボンファイバーが含まれた素材で軽く、強く、感度に優れるリールシート。そしてトリガーのカーブをなだらかに小さくすることで、必要最低限な引っ掛かりは確保しつつ、フラット面も設けることで非常に高いフィット感を得た。

 

余分な力を入れずにパーミングできるようになったことで、「感度もよくなったように感じる」とは中井さん。

トリガー部分を手の平に乗せるようにしてグリップする後迫さんにとっても、ショート化することで違和感がなくなったという。

ダイワの最先端テクノロジーを詰め込んだ紅牙EXに、さらに新形状のエアセンサシートを搭載したこれぞフラッグシップと呼べるロッドに仕上がった。

中井一誠に直撃!TYPE-N

それでは紅牙EXのTYPE-Nについて、中井さんに話を聞いた。

まず「乗せ」には「N68HB-SMT」と「N66MLB TG」の2機種がある。いずれも中井さんご自身が監修したモデルだ。

究極のオールラウンダーN68HB-SMT

先に乗せの中でも究極のオールラウンダーといえるN68HB-SMTから中井さんに話を聞いた。

機種 全長
(m)
継数
(本)
仕舞
(cm)
自重
(g)
先径/元径
(mm)
ジグ重量
(g)
ラインPE
(号)
カーボン
含有率
(%)
メーカー希望
本体価格(円)
N68HB-SMT 2.03 2 160 100 0.7/10.8 45~200 0.5~1.5 98 65,000

まずSMTということでスーパーメタルトップを採用している。ご存知の通り、超弾性チタン合金をハイブリットに組み込んだ非常に感度に優れた機種。

そして前述したエアセンサーシートショートトリガーとAGS(エアガイドシステム)の組み合わせは、感度のみならず、実際の自重としても100gと、ちょっと驚きの軽さだ(ダイワタイラバロッド史上最軽量)。

軽く高感度のAGSガイド。ちなみにトップガイドはクラゲなどがラインに付着し、目詰まりを起こさないようワンランク口径が大きくなっているという

基本的には乗せの究極のオールラウンダーのため、ウェイト幅も45~200gまでと幅広く。シャローからディープまで「どこでも使える乗せ調子」といえる。

またHB表記であるが、従来のHBよりも若干軟らかく設定され、タイラバの王道といえる。

SMTの本当に優れた点

中井さんの言葉は、現場から得たものから発せられるので聞いていて面白い。

例えばSMT(スーパーメタルトップ)。スーパーメタルトップと聞くと、感度がイイと思い浮かぶ。実際にそうなのだが、その感度がどこで生きるのかとう話。

てっきり魚のバイトが分かるからイイと思っていたのだが…。

「バイトを感じるのはもちろんなのですが、私が思うのはボトムタッチ。特に複雑な潮流のエリアでは、ボトムにタッチしたことが分かることが、その後の素早いタッチ&ゴーにつながります。これが実はSMT搭載の大きなメリットですよね」と中井さん。

ボトムタッチからタッチ&ゴー、中井さんが非常に重きを置いているところで、特にシビアな時はボトム付近の勝負になりやすい。

もうひとつ、SMTのメリットを教えてくれた。

マダイからのバイトでガツガツガツ…と手元に感じるもの。

中井さんは、ご自身のユニットである中井チューンを使ってタイラバを楽しむが、それでいうと「あのガツガツ、カツカツ…の時にはすでにフックが掛かっていて(中井チューンはそうなりやすい設定にしてあるそうだ)、その最初のシグナルを感じやすいのがSMTのメリット。なぜかというと、そこで巻きのスピードをごくゆっくりにしたり、あるいは止めることができるから」だと話す。

ブランクスにはHVFナノプラスを採用。東レのナノアロイテクノロジーをダイワ独自の製法で組み合わせた、非常に粘り強いブランクスに仕上がった

この「バイトがあったら止める(あるいはデッドスローに巻くスピードを落とす)」のは、非常に有効なテクニックだと話す中井さんにとっては、SMTの感度はその止めるタイミングをつかむ上で欠かせないものとなっている。

極限まで曲げて楽しむN611MLB TG

もうひとつの「乗せ」がN611MLB TG。TG、つまりスリルゲームだ。非常に人気の高かった「紅牙EX AGS N70MLB TG」の正当後継機種といえる。

機種 全長
(m)
継数
(本)
仕舞
(cm)
自重
(g)
先径/元径
(mm)
ジグ重量
(g)
ラインPE
(号)
カーボン
含有率
(%)
メーカー希望
本体価格(円)
N611MLB TG 2.11 2 168 110 1.1/9.4 30~200 0.5~1.2 84 68,000

驚異的なしなやかさでどこまでもマダイのバイトに追従するスリムゲームが、エアセンサーシートショートトリガーをまとって登場。

全身メガトップ、ソリッドにクロスを巻き付けたソリッドパワースリム構造の極限の曲がりでバラシを減少させるとともに、使っていて面白いロッドとなっている。

レングスが短くなり、さらに取り回しがよく操作感も向上したスリルゲーム。もちろんエアセンサーシートショートトリガーの恩恵で、負担も軽減されている。

気になるのは、レングスが短くなった分の使用感だが、中井さんは「タイが掛かってからのグ~ッと曲がり込むスリルゲームならではの感触は、ロッドの有効長自体はそれほど変わらないので、N70を使用していた人にも違和感なく使えるはずです。あの極限に曲がり込んでいく楽しさとショートトリガーの負担の少なさでより面白い竿になったのではないでしょうか」と話す。

後迫正憲に直撃!TYPE-K

掛けの紅牙EX「K64HB-SMT」については後迫正憲さんに話を伺った。

「オーソドックスではないし、初めてのタイラバにはオススメはしません」と話す後迫さん。その上でハマってしまう魅力があるという「掛け」のタイラバの魅力、そしてその為のロッドK64HB-SMTについて紹介したい。

掛けどころが分かるK64HB-SMT

オーソドックスではないと話しながら、それでも「釣りをしていて楽しい」と話す後迫さん。

フッキングタイラバは、もし釣果を得たいのならば万人には向かず、それでいながら一度ハマると抜けられない中毒性がある攻めのタイラバだ。

その為の機種「K64HB-SMT」のスペックは以下の通り。

機種 全長
(m)
継数
(本)
仕舞
(cm)
自重
(g)
先径/元径
(mm)
ジグ重量
(g)
ラインPE
(号)
カーボン
含有率
(%)
メーカー希望
本体価格(円)
K64HB-SMT 1.93 2 150 104 0.7/10.8 40~120 0.8~1.5 98 65,000

まず、フッキングタイラバは掛けられるアタリの掛けられるタイミングをつかみたいと後迫さん。

掛けられるアタリそのものについては、なかなか表現しにくい後迫さんの感覚的なところもあるのだが、「掛けるタイミングが明確に分かることが大事」だという。その意味でSMTは感度面で非常に有効。

そして、最もこだわったのが穂持ち部分。SMTから感じるアタリから、スッと穂先が入り、そこで穂持ちが止まる。アタリを感じた瞬間からロッドティップを若干下げ、フッキングのストロークを取り、穂持ちが止まった瞬間にフッキングを入れるそうだ。

穂持ちにこだわり、マダイがタイラバをくわえた時にしっかり動きが止まってくれることでアワセのタイミングを計れる。

一般的なタイラバロッドからするとかなり硬く、超高感度を誇るSVFナノプラスをブランクスに採用。紅牙EXの中で唯一のSVFナノプラス採用、感度特化モデルだ。

もちろんエアセンサーシートショートトリガーは、トリガーを手の平に乗せてリールを包み込むようにグリップする後迫さんにとっても、わずかな情報をも逃したくないフッキングタイラバにおいて、ストレスなく集中力が続くという。

ちなみにだが、フッキングタイラバにおいては、やはり負荷が掛かるため、メインライン(PE)とリーダーはワンランク太いと安定するそうだ。後迫さんはおおむねPE1号、リーダーフロロ5号をベースにしているという。

また、ブランクスは2016年発売の掛けタイラバロッド「紅牙EX AGS K67HB-SMT」から3インチショート化。これはさらなる感度の追求をしたからだ。

エアセンサーシートショートトリガーを搭載したフラッグシップ・紅牙EX。乗せ、掛けの最先端をその手で感じていただきたい。

【紅牙EX公式製品ページは→コチラ

ダイワ(DAIWA)

1958年の創業、リール、ロッド、ルアー、用品などあらゆる釣り物のフィッシングタックルを扱う総合ブランドとして、国内、海外に多くのファンを抱えている。ジャパンクオリティの品質の高いアイテムを日々開発、その過程で、世界初となるテクノロジーも数多く輩出している!
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