ラグゼ「アベンジ」ブランドの開発を担う若きルアーデザイナー・赤松拓磨。生粋のオカッパリバスアングラーである。そんな赤松の一日に密着してみた。
「1日に3回、時合があります。朝マヅメ、昼マヅメ、夕マヅメですね」
昼マヅメ!?
「なので、集合は7時にコンビニにしましょう」
7時!!に集合して、さらにそこから移動する朝マヅメ?
「はい」
そうですけど…なにか?といわんばかりの対応。これがゆとりか。
「あー、はいはい、薄暗い時間じゃないのか、ということですね。春は違いますね、春は」
別に早起きが嫌だったわけではない、と。夜が明けて、日が出て少し時間がたったころが朝マヅメだという。水温が冷たいからだろうか。
「一番の理由は春のバスが夜に捕食行動を盛んに行っていることです」
さんざんエサを食べ終えた後の夜明けは、たしかに時合とはいわない。とはいえ、朝は朝で口を使う。それゆえの7時半スタート。
春は少し遅めの朝マヅメ
「プラグで釣りたいですよね。できるだけ、できる限り」
プラグで魚を釣ることにこだわる人をプラッガーという。赤松はプラッガー。ゆえにタックルボックスの中にはハードプラグだけが収まり、ワームは一切所持していない。
「いやいやいや、ワームも持っていますよ。特に春は、効率よく釣ろうと思ったらワームは外せません。それでも、できることならプラグで釣りたい」
もっとも効率よく釣るだけが魚釣りではない。自らハードルを高め、こだわりのある釣りをする。自分なりのアングルを持ち魚と対峙する。そういった釣り人のことをアングラーという。
プラグで釣りたい、ビッグベイトで釣りたい、トップウォーターで釣りたい。とりわけニッポンのバスシーンにはアングラーが多い。赤松もそのひとりである。
「とはいえ、カメラマンを連れて仕事として釣りをする以上、ボウズで帰るわけにはいきません。なにせ業務命令ですし」
上司からの一言、バスを釣って帰る事、以上。ルアーデザイナーもサラリーマンである。