今江克隆のルアーニュースクラブR「イマカツ超マル秘ルアー&超マル秘マテリアル『SG-1』を初公開」 第1234回
3月初旬と先週の2回に分け、のべ11日間にわたった、野村ダム(愛媛県)での開幕戦プリプラクティスを終えて帰阪した。
今回も3月初旬の練習を上回る猛吹雪&冷雨に見舞われ、体感的には2月の真冬真っ只中の極寒の中での練習となったが、それでも3月の頭の状況から確実にバスは春へと進んでいた。
練習初日から一気に気温は急降下したが、在阪時に続いていた5月並みの暖かな天候のお陰もあって水温がまだ13度近くあった前半は、「バスロイドJr.タブー」を筆頭に、アグレッシブな釣りでグッドサイズをイージーに触ることができた。
真冬並みの気温と雪となった後半は、TOP50プロ達のプレッシャーも手伝って非常に厳しい状況に変化していったが、釣り方をアジャストし続けることでむしろ前半以上にバスを確実に触り続けることができ、充実したプリプラクティスとなった。

第2次プリプラの前日までは4月下旬の暖かさ。初日は冷たい雨だったが3月頭の練習に比べたら春はもう確実に目の前に来ていた
今回の練習では試合の練習はもちろんだが、今季試合に投入する予定の様々な極秘開発品の実戦テストも兼ねていた。その中で「もうこれは確実にGO!」と確信を持てた極秘ルアーとイマカツ独自の極秘マテリアルに関して初公開しよう。
ギルロイドJr.Taboo
まずは前回練習でスーパービッグを仕留めた「バスロイドJr.Taboo」のほか、今回は昨冬から温めていた「ギルロイドJr.Taboo」の自作モデルをテストしてみた。
「バスロイドJr.」同様に前後フック間が短く、体高がある「ギルロイドJr.」だけに「FDガード」との相性は良いだろうと試作したのだが、これが即OKレベルの素晴らしさだった。
ぜひともラインナップしたいビッグベイトになった。
「バスロイドJr.Taboo」より体高がある分、さらに移動距離が短く、パワフルかつアグレッシブな動きで、ヘラ(ブナ)喰いの超大型バスがいる湖では、強烈な効果を発揮しそうである。

「バスロイドJr.Taboo・FDG」をさらに全方位にパワーアップさせた「ギルロイドJr.Taboo・FDG」。このテールとリップのバランスが抜群に良かった。これは即決GOだ
次世代ワームマテリアル「水比重SG-1」
次に、今回の練習テストで最もその威力の凄さと実戦力に製品化を確信できたのが、昨年末から次世代ワームマテリアルとして開発を進めていたイマカツ独自のワームマテリアル「水比重SG-1(Specific Gravity One)」だ。
これはエラストマー系ではなく、通常のワーム素材と全く風合いや性質は変わらないが、何より今までにない最大の特徴が「透明でありながら水に浮くエコ素材」という点だ。

2025年の革命的新素材・水比重”Specific Gravity One”。ほぼ比重1に近い、水に浮く透明のワームマテリアルだ
昔からシリカや発泡剤等の浮力材を樹脂に混入させた「不透明なワーム素材(主に非エコ素材)」であれば浮くワーム素材は存在するが、この「SG-1」は、比重をほぼ水と同じ「1」に設定し、そのままでは完全に浮くがフックのサイズ程度で水と同じ比重:1に近いデッドスローシンキングになる素材配合で製造された「透明で浮くエコワーム素材」である。
もちろんエラストマーとは違い、通常ワーム素材のワームと一緒に保管も可能だ。
この透明で浮くワーム素材を開発する過程でやらかしがちなことは、何が何でも浮けばよいとハイフロートにしてしまいたくなることだった。
すでにハイフロートに関してはエラストマーがその圧倒的比重の軽さから特定の使い方においてその地位を確固たるものにしている。
だが、逆にそのハイフロートさは、言い換えれば「水を弾く」「水に逆らう」性質でもあり、生き物ならではの「水に漂う」「水に馴染む」といったある種の絶妙な自然さは失われている部分がある。
言い換えれば高比重は「水を切る」という意味で水に逆らっているともいえるかもしれない。
そこで水比重SG-1は、フック等の異物を装着した状態で、限りなく水の比重、すなわち1に近い程度の絶妙なフロート感を出せるように調整した透明素材である。
マス針やボディサイズに対し小さなフックであれば水面に浮くが、基本的にはワーム以上、エラストマー以下の比重に透明性を失わない範囲で調整した素材である。
高浮力エラストマーが「低比重」、シンキングのソルト素材が「高比重」なら、「SG-1」は、まさに水に同化し漂う「水比重」というわけだ。

ノーマルの「ハドルブレスギル3インチ」は中比重設定。これはこれでディープのボトストには全然アリ。SG-1は低比重エラストマーと中~高比重ワーム素材の間を埋める新素材だ
少し沈んでこそ、水平に沈んでこそ
この絶妙の比重は、特にサブサーフェイスで展開するノーシンカー系ワームには最強の相性を発揮する。
特にシャッドテールや「ジャバロン」のようなワームは、水面に浮きすぎると水を掴まずテールが動かなかったり、デッドスローで棒みたいになったりする。
少し沈んでこそ、さらには「水平に沈んでこそ」最強のアクションを発揮するのだ。
特に、この2つに関しては、通常のワーム素材にした場合、テール側の重みでややヘッドアップして泳ぎがちだが、SG-1で成型するとテール側に水よりわずかに軽い浮力があるためフックの付いている頭部側との重量バランスがよくなり、水平姿勢をキープすることができる。
水平姿勢になることで、アクションを起こすための水を受ける部分により直角に水が当たるため、驚異的にデッドスローでもよく動き、水面直下のレンジキープ力に圧倒的に優れるといった明確なメリットが出るのだ。

練習中、真冬の寒波にもかかわらず、「ハドルブレスギル3インチ」のSG-1テストは絶好調。スイミング姿勢が抜群に良い

水比重の「SG-1」で成型した「ハドルブレスギル3インチ」なら、縦でセットで泳がせても、置いても完璧。泡でも寄せられるのでより「SG-1」の効果が高まる
テストでは
今回のテストでは「ジャバロン160」、三原直之プロデザインの「MJシャッド」、「バスワーム」をSG-1で試作して使ってみたが、通常のワーム素材よりはるかにデッドスロースピードで、フルキャストで着水からボート間際まで沈んで見えなくなることなく、水面直下一定レンジを完璧にキープすることができた。

水比重SG-1素材で成型しただけで「ジャバロン」のノーシンカーの姿勢が激変。フルキャストからの超デッドスローでも完璧な水平姿勢で水面直下50cmをキープして泳いでくる
そのずば抜けたデッドスローレンジキープ力と圧倒的な水平姿勢維持力は、見る者を、そしてバスをも確実に魅惑してしまう魔力がある。

SG-1で成型した「ジャバロン」は一切文句ナシに釣れる! 泳ぎを実際に見た山岡計文プロも河野正彦プロも、渡辺お爺さんもコレはマジでヤバすぎるの大絶賛
今回、初テストとなった三原プロ入魂の「バスワーム」では、水面を飛び跳ねるようなアクションから、ジャークワームのような使い方、テキサスリグでの岩盤引っ掛けペラペラシェイクにも抜群の相性を見せた。
三原プロはすでにこの「バスワーム」のノーマル素材版で60cmオーバーを釣っており、今季イマカツのジョーカー的存在でもある。

三原プロの怪作、通称ペラペラこと「バスワーム5インチ」。ギルワームがあってバスワームがないのが不満だった三原プロがデザインしたジャンピングi字系フラットバス型ワームだ
ホバストや吊るしにも強力な素材に!