センターバランスのヘビーシンキングミノー
トラウト用ヘビーシンキングミノーの代表格とも言えるD-コンタクト。D-コンタクトはテール側から素早く沈むテールヘビーバランスとなっている。

今やトラウトアングラーで知らない人はいないであろう”Dコン”。ヘビーシンキングミノーの代表格だ
そしてそれとは異なるバランスとなっているのがD-コンタクトタイプⅡだ。タイプⅡはウェイトバランスがセンター寄りとなっており、自重の割にフォールスピードを抑えることが出来、トゥイッチを入れた際のスライド幅も長くなるという特徴がある。

センターバランスでより高いアピール力を持たせたのがタイプⅡだ
秋ヤマメを攻略するために生まれたD-コンタクト秋
センターバランスのD-コンタクトが生まれた背景は、D-コンタクトの生みの親である平本仁さんが秋のヤマメを攻略するためだった。具体的にはお盆明け以降から使う事を想定して作ったルアーであるという。産卵を控えた秋ヤマメは警戒心が強く、ルアーを深追いしづらい傾向がある。そのため狭いプロダクティブゾーンでルアーの泳ぎをより魅せる必要があったのだ。カラーリングに関しても捕食傾向の薄くなったトラウトをイラつかせてヒットさせるため意図的にコントラストの強いアピール要素を重視していた。

平本仁さんが秋ヤマメ攻略用に開発したD-コンタクト秋。ヴィヴィッドなカラーリングも特徴的だ
そうして2007年に生まれたのが「D-コンタクト秋」だった。但し、D-コンタクト秋はあくまでスポット的な商品に過ぎずカタログにも掲載されなかった。禁漁の声が聞こえてくるタイミングでトラウト用のルアーを仕入れようとする販売店は少なく、アングラーもまた然り。そのためD-コンタクト秋はあくまで亜種であり定番展開するだけの存在にはなれなかったのだ。
D-コンタクト秋の評価がD-コンタクトタイプⅡへ
元々は秋ヤマメを攻略するために生まれたD-コンタクト秋だったが、ユーザーからは想定外の評価も多く寄せられた。具体的には解禁直後の低水温期、深場に定位している魚、高水温期など、いずれも追い気の薄い魚に対しての効果を肯定するものだった。揺らぎながらフォールし、魚にじっくりと魅せ付けることのできるD-コンタクト秋はそうした魚に口を使わせるのにピッタリだったのだ。
これを受けてD-コンタクト秋と同一のセンターバランスを持ち、より幅広い状況に合わせられるカラーラインナップに一新して生まれ変わったものがD-コンタクトタイプⅡとして販売された。2014年のことである。

D-コンタクト秋のカラーラインナップを刷新させ2014年に発売となったD-コンタクトタイプⅡ
が、2020年に発売されたD-コークスがその後継機種と位置付けられており、D-コークスの発売と入れ替わるようにしてD-コンタクトタイプⅡは再びその姿を消すこととなる。
2025年、D-コンタクトタイプⅡ再び
それでもD-コンタクト秋、D-コンタクトタイプⅡの再販を望む声は根強く、スミスもそれに応えるかたちで再販を決定した。サイズは50(50mm)と63(63mm)の2サイズ。そして全10色中9色はD-コンタクト秋時代のヴィヴィッドなカラーでの復刻となっている。名称こそタイプⅡだが、D-コンタクト秋の復刻と考えても良いのだろう。

D-コンタクト秋のカラーラインナップを踏襲して再販されることになったD-コンタクトタイプⅡ
今回のD-コンタクトタイプⅡに採用されたカラーは39(ピンクシルバー)を除いてはD-コンタクト秋のラインナップを継承している。ヴィヴィッドなコントラストの強さを取り入れてあるのが特徴だ。
31.アカ
32.クロ
33.アカキンレーザー
34.グリーンゴールド
35.オレンジTSレーザー
36.レッドTSレーザー
37.オレンジキンヤマメ
38.オレンジヤマメレーザー
39.ピンクシルバー
40.チャート
D-コンタクト50タイプⅡ
全長:50mm
自重:5g
標準小売価格:¥1,700+税
D-コンタクト63タイプⅡ
全長:63mm
自重:7.5g
標準小売価格:¥1,850+税
※両サイズ共に4月発売予定
遡行に合わせてスピーディーにポイントを探っていきたい場合は通常のD-コンタクト。魚の追いが悪いと感じられる際にはタイプⅡでややスローにアピールしてみるのが良いだろう。上手く使い分けてみてもらいたい。
スミス公式「D-コンタクトタイプⅡ」詳細ページはこちら
