今江克隆のルアーニュースクラブR「野池でも琵琶湖でもリザーバーでも猛威!ビッグベイトボトムジャーク釣法」 第1233回
3月も半ばに近づき、少しずつ春らしい暖かい日も増え始めた昨今、各地でプチ春爆らしきビッグフィッシュ祭りが開催され始めている。
自分も先週はルアーマガジンの「春爆エクストリーム(3月20日公開)」取材でいち早くプチ春爆を味わってきたが、その本命中の本命はやはりビッグベイトだった。
ただ、春だ!ビッグベイトだっ!と、安易にどこでもいつでも投げ続けるだけでは、さすがに昨今のメジャーレイクのバスはビッグベイトへの反応が極端にスレてきており、琵琶湖でも野池でもリザーバーでも、フィーディングのタイミングとスポットを合わせた一枚上手のジャーキングテクニックが必要になっている。

第2次プリプラで訪れた日もまた暖かい日から一転、極寒の激寒雨…。だが、こういった時ほどビッグベイトの一発があるのも魅力だ
「バスロイドJr.Taboo/FDガード」の首振りショートジャーク
今回の取材は、巻頭企画のため自分の春爆内容の詳細は明かせないが、先週あたりから野池でもリザーバーでも、そして特に琵琶湖で、「バスロイドJr.Taboo/FDガード」の首振りショートジャークが、春爆エクストリームに相応しい猛威を振るい始めている。

ルアマガ春爆エクストリーム取材で表紙を飾った野村ダムのドデスカン。「バスロイドJr.Taboo」を突然ド中層から襲ったのはイカつい顔のバスだった
このテクニックは、昨年末、真冬の極寒リザーバーでも狙い通りに、そのリザーバーでのMAXサイズを仕留めた必殺テクニックでもあり、早春の日差しに誘われスポーニングに向けてシャローでデカい小魚を喰い始めたプリのデカバスには、さらに最強に効いてくるビッグベイトメソッドである。
その使い方は、まさに先々週も書いた「ジャークベイト代わりのビッグベイトジャーク」、時には「カバーに絡ませたハングオフ」まで組み入れた一枚上手のテクニカルなビッグベイトテクである。

昨年の年末に四国最古のバスレイク・石手川ダムロケで開眼した「バスロイドJr.Taboo」のFDガードテクニック。このバスが「バスロイドJr.Taboo」のリブート生産を決めた
「FDガード」はマストなのだが…
まず、最初にこのテクニックを完璧に行うためには、完璧にセッティングされた特殊なビッグベイトが必要になる。
その理由は時にラバージグ並みにカバーの最奥にピッチングで入れることも普通にあるし、ボトムの灌水ブッシュやレイダウン等に意図的にスタックさせ、そこから連続トゥイッチでホグし外してリアクションバイトを狙ってバイトを獲る、かなりの操作系ビッグベイティングだからだ。
そのために「FDガード」の設置はマストなのだが、何でもかんでもFDガードを付ければよいものでもない。
その理由は、フッキング確率とカバー回避力はおおよそ相反する性能であり、同時に移動距離を最小限に抑えた範囲内でいかに自然に首を振り続けバスのリアクションバイトを誘い続けられるかという性能が要求される。
今江的には、FDガードのアイデアをフィッシュデバイスの松本猛司氏から提案されて以来、いろいろなビッグベイトに試装して試していたが、偶然にもこの性能を最も完璧に備えていたのが薮田和幸プロが自作していた自称「ヤブロイド」こと、「バスロイドJr.」の関節止め首振りチューンだった。
その最大の理由が、真鮒(マブナ)・バス型の「バスロイドJr.」は、ビッグベイトとしてはギル型ほど体高は高くはないが鮎(アユ)鱒(マス)型よりは体高かなり高く、さらにビッグベイトとしてはギリギリともいえるフロントとリアフックの間隔の狭さ(車のホイールベースのようなもの)がキモだった。
簡単にいえば、首振りはギル型よりナチュラルでスマート、鮎鱒型より移動距離を抑えて短距離で多回数の首振りが可能、そして何よりホイールベースが狭いやや寸胴真鮒・バス型体形のため、FDガードを装着してなお、カバー回避力は抜群なのに、前後フックの両掛り率が高く、フッキングがすこぶる良いという点である。

「FDG」は常時装着していてもフッキングに関して問題があると思ったことはない。逆に気後れせずにカバーにぶち込めるし、見えないボトムに着いてもネガカリを気にしなくていいのが大きなメリットになる
カバークリア時のリアフックスタックや、フロントフックに掛かりにくいというFDガードの弱点を完璧にカバーし、さらに動きもフッキングも理に適っていたことが、名前からして怪しげな「ヤブロイド」を「バスロイドJr.Taboo/FDG」として生まれ変わらせた理由である。

現場でワンタッチで取り外し可能になった製品版のFDガード。「バスロイドJr.Taboo」の珍しい真鮒(バス?)型寸胴シルエットは、このガードシステムには究極の相性だった
極めてゆったりスローに
また「ヤブロイド」は薮田自身が「水中のブータフロッグ」というように、その首振りのせわしなさ(よくいえばパニックムーブ)は、まさに「ブータフロッグ」の操作そのものだったが、「動かしにくいものを動かした時の水押しの強さがよい」と謎に断言してヒット作になれなかった不遇の迷作「ブータフロッグ」とは対照的に、「ヤブロイド」は難しい操作を必要とせず、簡単に首を振らせることができたのも大きかった。
簡単に首を振らせられるがゆえに、「ブータフロッグ」のような激しく、せわしない首振りだけでなく、極めてゆったりスローでも実に艶めかしく生き物チックに動いてくれるところを高評価したのである。
十分な水押しパワーを発揮しながら、専用ロッドを必要とせず、誰でも動かせるイージーさの程よいバランス感、そこに奇跡的な松本氏のFDガードの提案があって覚醒したのが「バスロイドJr.Taboo」である。

「バスロイドJr.Taboo」にはデフォルトのシャローリップ・鮒テールバージョンの他に、その気になれば2mほど潜る今江式ビッグリップ・ジャバロンテールモデルがオプションで用意されている。こちらは寒冷期や超クリアな湖で有効だ

「バスロイドJr.Taboo」は、比較的小型の部類にはいるコンパクトビッグベイトなので、MHクラスのタックルでも扱え誰でもイージーに首を振らせることができる
ビッグベイトボトムジャーク釣法
そして、このFDガードを搭載したことで覚醒した「バスロイドJr.Taboo」で、薮田プロのガイドは先週から連日のようにゲスト様に南湖でロクマルクラスを釣らせることに成功している。
秋はリップラップやアシ絡みのシャロービッグベイトジャーキングが好調だったが、ここに来て薮田プロがなかなか技アリの釣り方でゲスト様に良い思いをしてもらっているようだ。

今季は早春から薮田ガイドは強制「バスロイドJr.Taboo」道場と化している。だが高確率で結果が出ているうえに一撃の達成感と満足度はとても高い
その使い方は、まさに「バスロイドJr.Taboo」のFDガード能力を120%活かした、見事なステージングスポット狙いのプリスポーンパーターンだ。
それはまるで過去、琵琶湖で一世を風靡した「クリンクルカッツ」ジグヘッドリグの「ウィードパッチホグし&外しリアクション」ような釣り方だ。
新たにこのテクニックに今江風に名付けるなら、「ビッグベイトボトムジャーク釣法」に他ならない。

先週も60cmが続々登場。初めて「バスロイドJr.Taboo」を使ったガイドゲストでもマスターするのは意外に簡単。「ブータフロッグ」とは対極の動かしやすさとスナッグレス効果がウリだ

ROBOさんも高度な4mのボトムウィードパッチのホグシジャークをマスターし、値千金のビッグバス。釣ったった感が半端ないのがビッグベイトの楽しさだ
ロクマル級量産の秘密は?