今江克隆のルアーニュースクラブR「チャターで春爆エクストリーム!」 第1232回
いよいよシーズンインな3月に入った今週は、ちょっと早いがTOP50今季開幕戦の地である愛媛県は野村ダムにルアマガの取材を兼ねたプリプラに5日間行ってきた。
先週までは4月半ばかと思うような暖かい日が続いており、今季最初の春爆を期待していた。
ところが現地に到着した翌日から真冬並の寒波と爆風を伴う冷たい雨が降り続き、湖は一瞬にして濁流と化しドチャ濁り、防寒着をMAX着こんで、なお震えるほどの寒の戻りとなった。
ただ、水温は急激に水温低下してなお、8~10度前後と確実に春に向かっており、取材では春の釣りを強引に押し通し続けることで、なんとかお題の「春爆エクストリーム」を達成することができた。

この時期の寒冷前線通過は春爆ならぬ春嵐。湖は半日にして水温急降下&ドチャ濁り大増水地獄に変わり果てるが、それでも確実に春に近づいている
今週はそんな環境激変エクストリームな状況下で、それでも春爆エクストリームを誘爆した、激アツな釣り方を2週にわたって紹介しよう。

野村ダムの練習前にルアマガ巻頭取材「春爆エクストリーム」にチャレンジ。デカバスが少ない野村ダムだが、なかなか衝撃的にエクストリームな春爆になりました
防寒は重要
まず、この時期のフィールドでしばしば起こるのが、三寒四温の気温天候急変事態だ。
さらに、たいてこの時期は暖かい日が続いた後に寒冷前線を伴った雨が続くことがとても多い。
これが温暖前線の暖かい雨に変わるのは例年3月20日頃以降で、3月上旬の雨はマイナス要素の方が多い修行の極寒雨となることが多いので、防寒グローブ・防寒レインの準備を怠らないことが、何気にとても重要だ。
暖かくなったからと舐めていると酷いめに遭うことが多く、寒さで集中力を切らしたらホンマに釣れないのが、この時期の落とし穴である。
チャターベイト
ということで、今回の野村ダムは、まさに寒冷前線到来、ドチャ濁りの修行状態となったが、これから温暖前線の暖かい雨による濁りが入った4月まで絶対に外せない武器になるのがチャターベイトである。
さらに増水によって広範囲に灌水ブッシュフラットが出現したら、第一選択肢と言ってもよいほど威力を発揮する。

早春、爆雨、濁り大増水ときたら、第一選択肢はチャターベイト。プレッシャーが低ければ最強のルアーである
この時期のチャターベイトの一つのキモとして、チャターベイトの基本である3/8ozではなく、1/2ozが結構重要な選択肢になる。
その理由は、急な増水によってショアラインの水深が深くなること、濁りによって喰い上げと言う感じではなく、若干のカバーコンタクト気味のトレースコースが有効になるからである。
特にリザーバーでは、ショアが灌水ブッシュやオバハンだらけの満水状態になると、ショアやバンクに沿って平行に巻けるラインがほとんどなくなる。
こうなるとジャークベイト、クランク系などの浮くモノはプロダクティブゾーンが狭くなり、効率が悪い。
スピナーベイトは波動が弱く、濁りでバスが見つけにくくなる。
結果、波動が強くトレースレンジを調整しやすい1/2ozのチャターベイトが第一選択肢となる訳だ。
さらにチャターベイトはビッグフィッシュ確率の高さでは群を抜いており、エクストリームな春爆を狙うには欠かせない存在なのだ。

春爆エクストリーム取材でも大活躍した「レインボーブレード1/2oz」。チャターベイトはイマカツの元祖十八番ルアーだが、名手・山岡計文プロの加入で「レインボーブレード」として究極進化を果たした

昨年の3月末のTOP50七色開幕戦、「レインボーブレード」一本で決勝単日4位をマークした山岡プロ。ついにその大本命チャターベイトが今月末デビューする

「レインボーブレード」は1/2ozと3/8ozでブレードの大きさ、形状、厚みまで違う専用設計。3/8ozはやや厚みと重さのあるフラット型ブレード、1/2ozは薄くて高比重の燐青銅製先端反り型ブレードである

河野正彦プロも初めて使った「レインボーブレード」が気に入ったようだ。すでにこのサイズがシャローで動き出しているのも春が近い証だ
カバー対策
ここでもう一つの春チャターのポイントは、増水濁りによる灌水ブッシュ系カバーの激増と、ウッドチップなどの浮きゴミ増加などをストレスなくクリアできるチャターベイトが必要になる。
そこで元祖チャター屋本家のイマカツでは、「モグラチャター」時代から春のカバー&浮きゴミ対策としてブラシガードを好みで設置できるようデザインしている。
今回の取材で使用したのは山岡家謹製の新型チャター「レインボーブレード」だが、このチャターベイトにもしっかりと春の濁り&灌水ブッシュ対策として、V字ブラシガードを設置できる工夫が施されている。

増水による灌水ブッシュフラットの出現に対応するための「レインボーブレード」のVガードチューン。これが有ると無いとではブッシュ攻めのストレスが全然違う
一見、塗装に覆われていて見落としそうだが、樹脂タングステンヘッドの上面に2個のブラシガード用リードホールが設けてある。
この穴に小さなマイクロドリルを当ててグリグリすると簡単に穴が開けられ、片側にブラシガード2~3本入るようになっているのだ。

「レインボーブレード」の樹脂タングステンヘッドには2つのガード用リードホールが空けてある。リード穴にピンドリルを当てて掘れば、簡単に穴の直径を好みで大きくすることができる

硬めのブラシガード4本と、ホームセンターで普通に売っているマイクロドリルセットとマイクロドリルがあれば、誰でも簡単にチューンできる
今江的には、ここに硬めのブラシガードを2本ずつ入れて奇麗にV字ガード状に整えて瞬間接着剤で固定、やや短めにカットして使っている。
これでブッシュや枝、浮きゴミをすり抜けるように回避力が抜群によくなるため、ブッシュを恐れずガンガンに灌水ブッシュシャローをタイトにトレースしまくれる。

「レインボーブレード」のV字ブラシガードチューン。「モグラモスチャター」時代からの伝統継承である
巻き方
早春の巻き方のコツは「速巻き」より「普通巻き」が基本。
ちなみにバスプロたちが「速巻き」と語っても、実は使っているリールの「ギア比マジック」に引っ掛かりやすいので要注意だ。
自分は、基本回収が速く、巻き感度が高い1:8のハイギアリールでチャターベイトを巻くため、見た目はややゆっくり巻く感じでも、実は余裕の「普通巻き」なのである。
1:6程度のローギアリールでは、一見全開で速く巻いているように見えても実は1:8の普通巻き相当だったりするということだ。
基本的に夏以降は喰い上げ水面直下バイトが主流になるため、ガードは基本的に必要ない。
ちなみにフッキングに関しては、経験実績ともに100%全く問題なし。
基本的にチャターベイトへの喰い方は、まるで交通事故が起こったような激しいカウンター系モンドリングバイトなので、ブラシガード2本ごときがフッキングの妨げになることはまずないと言い切っておこう。
逆に、バスが掛かればガードがロックになってバラシも激減する。
チャターのトレーラーは?