ホライゾンLJ、時流に乗ったライトジギングロッドへ進化
TENRYU・ホライゾンLJがフルモデルチェンジとなり、今春の登場を予定している。
3代目となるホライゾンLJだが、LJ=ライトジギングを意味しており、近海ライトジギングのスタンダードモデルとして位置づけられてきた。また、近年のタックルの進化も手伝い、ライトジギングロッドといっても、ひと昔前では考えられなかったライト仕様での大物とのファイトを制してきたロッドでもある。
3タイプのティップ、細分化されるゲームへの対応力アップ
さて、そんなホライゾンLJが2016年の2代目から2025年の3代目にフルモデルチェンジされるにあたって、細部が進化・変化している。
その中でも、やはり大きなトピックとしてはティップセクションだろう。前作のホライゾンLJといえば、ブルーが映えるティップセクションが頭に浮かび、それはマグナフレックス製法で繋がれたグラスチューブラを採用したものだった。
しかし、25ホライゾンLJは機種ごとに3タイプのティップセクションを適材適所に配置。
具体的には…
①マグナフレックス・グラス チューブラ ティップ
②マグナフレックス・カーボン チューブラ ティップ
③カーボンチューブラティップ
以上の3種。①については先にも触れた通り、ホライゾンLJらしさを体現する過度にジグを飛ばし過ぎず乗せ感の高さも魅力だろう。②に関しても、カーボンチューブラといってもマグナフレックス製法にて弾性の異なるカーボン素材をスムーズにつなぐことができ、低弾性から中弾性へとよどみなくシームレスに曲がり込み、感度にも優れるはずだ。そして③のマグナフレックス製法をあえて採用しないカーボンチューブラという試み。先に開催された「釣りフェス」にて、個人的にも気になったのがこちらだった。
いずれも、ライトジギングといっても獲れる魚、できるアプローチが広がってきた今だからこそ最適解を求めて各モデルに3タイプの穂先を配している。
マグナフレックス製法・グラスチューブラティップ 4機種
マグナフレックス製法・グラスチューブラティップとなっているのは以下のベイト4モデル。
HLJ612B-FM
HLJ622B-FML
HLJ632B-FL
HLJ642B-FLL
グラスチューブラティップ採用のモデルは、ジャーク時に過度にジグを飛ばさない小幅なスイミング系のアクションも得意だ。それでいて特有のしなやかさがあるために、追わせて追わせてようやく小さなバイト…という場合にも弾かずに乗せるように掛けやすい。またしなやかさから手元にくる小さなアタリも分かりやすい。
タチウオジギングには抜群の相性を見せ、冬季のボートシーバスジギングなどでもアタリを弾きがたい。もちろん湾内の青物全般に使いどころも多いだろう。また、釣りフェスにてテンリウの舟木雄一さんにお話を伺ったところでは、北海道や東北エリアのサクラマスジギングにも良いと。確かにトリッキーなファイトを見せる魚種だけに、ハマりそうだ。
品名 | タイプ | 全長 ( m [ft]) |
継数 (本) |
調子 | 仕舞寸法 (cm) |
穂先形式 | ルアーウェイト (g) |
ライン (PE/号) |
最大ドラグ (kg) |
リアグリップ (mm) |
先径 (mm) |
自重 (g) |
使用繊維 カーボン/グラス (%) |
本体価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HLJ612B-FM | B | 1.86[6’1″] | 2* | R | 137.5 | MF/GT | 100-230 | MAX2.5 | MAX4/ 0° | 425 | 1.8 | 124 | 90/10 | ¥40,000 |
HLJ622B-FML | B | 1.88[6’2″] | 2* | R | 140.0 | MF/GT | 80-200 | MAX2 | MAX4/ 0° | 425 | 1.7 | 122 | 87/13 | ¥40,000 |
HLJ632B-FL | B | 1.90[6’3″] | 2* | R | 142.5 | MF/GT | 60-180 | MAX2 | MAX4/ 0° | 425 | 1.5 | 119 | 87/13 | ¥39,500 |
HLJ642B-FLL | B | 1.93[6’4″] | 2* | RS | 145.0 | MF/GT | 40-150 | MAX1.5 | MAX3/ 0° | 425 | 1.5 | 117 | 88/12 | ¥39,500 |
マグナフレックス製法・カーボン チューブラ ティップ 1機種
マグナフレックス・カーボンチューブラティップを採用しているのはHLJ642S-FLL。
カーボンチューブラティップといっても、そのティップセクションに採用しているのは低弾性カーボン。そこからベリー~バットにかけて中弾性~高弾性カーボンへと移り変わる。
こちらは基本的にスーパーライトジギング向けの、あるいはそれに近いタックルセッティングで狙うモデルといえる。カーボンでありながら低弾性、テイストはグラスに近いものになる。つまりはカーボンチューブラでありながらしなやか。
ただし、スーパーライト系ジギングではキャストして斜めに引きながら狙っていくことも多い。イサキなどではキャスト、斜め引きしながらフォールを織り交ぜて…というアプローチはテッパンだろう。その際にラインがティップに絡むことが少なく、グラスのようなテイストを残した低弾性カーボンが採用されているそうだ。
品名 | タイプ | 全長 ( m [ft]) |
継数 (本) |
調子 | 仕舞寸法 (cm) |
穂先形式 | ルアーウェイト (g) |
ライン (PE/号) |
最大ドラグ (kg) |
リアグリップ (mm) |
先径 (mm) |
自重 (g) |
使用繊維 カーボン/グラス (%) |
本体価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HLJ642S-FLL | S | 1.93[6’4″] | 2* | RS | 147.0 | MF/CT | 40-150 | MAX1.5 | MAX3/ 0° | 430 | 1.4 | 116 | 88/12 | ¥37,000 |
カーボンチューブラティップ 3機種
そして、残りの3機種がマグナフレックス製法を採用せず、通常の製法でカーボン素材を巻き上げたスピニングモデルだ。
HLJ612S-M
HLJ622S-ML
HLJ632S-L
こちらのスピニング3機種も使いどころは多くあるが、山陰地方を中心としたスピニングで狙う根魚、ネギング・スピネギなどと呼ばれるこの釣りにはドンピシャリ。
例えばマグナフレックス採用モデルでは穂先をしなやかにできることから、東京湾タチウオジギングなどにおいて小型タングステンジグを飛ばし過ぎず操作可能で、非常に繊細なことからフォールバイトをこの仕様だから感じられる…ということがある。
一方で、こちらの通常のカーボンチューブラティップモデルは比較すると張りがあり、ティップの戻りも早い。よりキレのある動きをジグに与えることができるし、ネギングを例に挙げると瞬間的なバイトを感じて掛けにいきやすいのだ。
ネギングといっても何も根魚だけを狙うわけではない。突如として大型青物がヒットすることもある。これらの3機種はライトタックルでの限界ギリギリファイトを制することができるモデル。
舟木さんによれば初代のエッセンス、ホライゾン・プログレッシブのネギングカスタムモデルで培ったノウハウ、早くからネギングに注目して現場でのフィールドテストを繰り返してきたテンリュウらしいモデルになるという。
品名 | タイプ | 全長 ( m [ft]) |
継数 (本) |
調子 | 仕舞寸法 (cm) |
穂先形式 | ルアーウェイト (g) |
ライン (PE/号) |
最大ドラグ (kg) |
リアグリップ (mm) |
先径 (mm) |
自重 (g) |
使用繊維 カーボン/グラス (%) |
本体価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
HLJ612S-M | S | 1.86[6’1″] | 2* | RF | 135.0 | CT | 100-230 | MAX2.5 | MAX4/ 0° | 475 | 1.9 | 127 | 89/11 | ¥37,000 |
HLJ622S-ML | S | 1.88[6’2″] | 2* | RF | 137.5 | CT | 80-200 | MAX2 | MAX4/ 0° | 475 | 1.9 | 126 | 89/11 | ¥37,000 |
HLJ632S-L | S | 1.90[6’3″] | 2* | RF | 140.0 | CT | 60-180 | MAX2 | MAX4/ 0° | 475 | 1.6 | 120 | 89/11 | ¥37,000 |
各パーツをブラッシュアップ
ということで、まずは3タイプのティップを最適に配したことにより、もっと深くライトジギングを楽しめるバージョンアップがなされた。
その他、細かなパーツもブラッシュアップ。
ガイドは大口径化し、ベイトモデルはハイフット・多点化。スピニングモデルの大口径化は投入・アクション時のトラブルレス性能を向上させ、ガイド数・位置によりプラスが出るセッティングに。
また、前作から分かりやすい変化としてグリップエンドにかけて、より軽快さが増した。EVAが真っすぐに装着されていた前作と異なり、セパレートタイプとなり大幅に軽量化。しかしながらモーメントはリール装着時にベストバランスになるよう設定。
ベイトモデルにはFujiのPULSシートを採用し、リアの長さも延長。縦捌きで持つような場合も、下向きに構える場合でも違和感のない形状に。
スピニングモデルもリアグリップを延長。シートにはDPS(18)を採用。実はこれにより8000番クラスといった大型番手の装着もムリがない仕様となっているが、リールは大型を使用しつつラインは比較的ライトな番手というのが有効なシチュエーションもあることからの設定。大型青物などにはピッタリだ。
もちろんバット部のC・N・T(カーボンナノチューブ)や西陣織仕様のカーボンパーツの採用はTENRYUらしさ。
ライトジギングがひと昔前まではある程度限定的だったのに対し、タックルの進化でその世界は広がるばかり。スーパーライト系にも、ライトライン限界チャレンジにも…振り幅の大きいライトジギングだからこその現代版バージョンアップを遂げたといえそうだ。
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