今江克隆のルアーニュースクラブR「緊迫感、高揚感、意地、プライド、時代を超えた闘争心、そして年齢を超えた大人げなさ〜バサーオールスタークラシック参戦記〜」の巻 第1217回
バサーオールスタークラシックに参戦
2024年、最後を飾るバサーオールスタークラシック(バサクラ)が閉幕し、自分の今年度の公式戦は全て終了した。
結果は、2日間連続ノーフィッシュ…。
だが、霞ヶ浦のメイン河川である小野川をデッドスロー(10㎞/h以下制限)で連日2時間近くさかのぼり、実釣わずか3時間での最上流ビッグウェイト勝負に賭けたことに悔いはない。
同じく最上流でバッティングし、帰着タイムオーバーしてまでの勝負した永遠のライバル沢村(幸宏)プロ、そして同じく上流を目指しノーフィッシュとなった金森(隆志)プロ、TOP昨年の柔術師AOY梶原(智寛)プロ、さらに“小野川のピラニア”ことWBS橋本(卓哉)プロなどの超強豪プロが、小野川勝負に賭けて敗れた結果を見ても、優勝を狙えるエリアポテンシャルに間違いはなかったと思う。
敗因をあえて語るなら、小野川上流部は強豪プロが優勝を狙って集結した裏返しとして、プラクティス時に相当な数の大型バスがすでに抜かれてしまっていたのだと思う。
10日間、一切休まず夜明けから日没まで必死で練習し、試合は連日午前1時半に起きて挑んだバサクラ。
今年は、何の爪痕も残せなかった。
だが、面識はないのに優勝した諸富(真二)プロが「『エリートクロー』で釣りました!」と直接いってくれたり、準優勝のボトムアップ草深(幸範)プロが、キッカーを釣った「『ミッキーヘッドジグ』をネットで買い漁りましたよ!」と試合後にいってくれたり、勝者の釣りに一部でも自分の分身でもあるイマカツのルアー達が貢献してくれたことが、少なからずオールスター選手にも自分の釣りが認められている部分があるんだと、感じさせてくれたのが救いである。
勝負エリアは
今回、利根川を含む膨大なエリアから10日間で絞ったエリアは、ともに今まで行ったことのない小野川上流部と恋瀬川の上流エリアだった。
バサクラに復帰して4年は、正直なところ、ライブ配信で恥をかかないためにも経験値の高いTOP50トーナメントエリアをメインにし、経験値のない河川系は最初から捨てていたが、BMCトーナメントなどの結果を間近に見て、霞水系の比較的規模の大きい流入河川上流部のポテンシャルに大きな魅力を感じていた。
北浦なら3尾は揃う可能性は高かったが、サイズ的に優勝はまずないと考え、今回は早くから切り捨てた。
ビッグベイトが好調も
練習前半では、水温が14度前後と17度平均の霞水系では低水温だった恋瀬川上流部で、今年のバサクラのために温存していた「アンドロイド180夜光貝ビッグリップPLUS」(特許の関係でPLUS部分は12月まで非公開)、そして薮田(和幸)プロの「バスロイドjr改造版・「薮ロイド160PLUS」でかなりの手ごたえを得ていた。
「薮ロイド」に関しては、三原(直之)プロも試合でメインに使用し、バスを手にしていたものだ。
正直、プラ前半は恋瀬川のエビ喰いではない「ワカサギ喰いバス」の多さと、今後の水温低下を考えて恋瀬川でのアンドロイド勝負に、ほぼ腹を決めていた。
だが、その後の練習で初めて最上流まで2時間掛けてさかのぼった小野川が、それ以上に大型バスのポテンシャルが凄かったのだ。
数、サイズともに釣れれば、下で900g、1500g以上も高確率で出ることが分かった。
小野川は霞ヶ浦流入河川では最長の河川であり、最上流までは移動に2時間、往復4時間を要するため相当の覚悟と自信がなければ入ることはできない。
事実、利根川最上流でも1時間45分であり、一度入ってしまえばもう他は全て捨てるしかない。
ゆえにプレッシャーも低いが、まさに究極のギャンブルエリアなのである。
初めて小野川へ
まず、練習で初めて小野川に入った日、いとも簡単に1500gを余裕で超えるバスが「マブクロー」の4g(3.5gに0.6gネイルプラス)で釣れ、TOP50最終戦北浦で苦杯を舐めた霞デザイン「ハイパーオマタスティック3インチ」をベースに改良した「ダイナゴン3インチ」の超高比重バックスライドリグでキロサイズが複数本釣れ、そのポテンシャルの高さと、なによりカバーフィッシングができるエリアの広大さ、複雑さに魅入られた。
さらに杭などの縦ストが豊富で、上手くいけば「アンドロイド」や、テスト中の「IxI 表層カバークランク(IxIブロウリー)」
の出番もありそうだった。
小野川上流は、今まで行かなかったことを後悔したほど、自分のメチャクチャ好きなタイプのエリアだったのだ。
スキップドッグのダルマリグ
結果的に、小野川は丸3日間の時間を費やし、下流から上流までを本気で釣り込んでみた。
途中、大寒波の来襲で上流部の水温は14度から10度まで落ち込んだが、その10度の日でも、河野(正彦)プロがたまたま使った特殊なリグが強烈に効いて、練習時最高の釣果を叩き出した。
それが、見た目メチャクチャブサイクなのだが、「スキップドッグ」のテキサスリグである。
「犬〇〇〇リグ」とか、「ダルマリグ」とか呼んでいたのだが、とにかくカバーへの侵入率がめちゃくちゃよく、ストレスが全くない。
さらに軽くシャクると「クルンックルンッ」とクイックにエビが逃げるようにサークリングアクションが出る。
このリアクションテキサスリグは、この時期、自分がリザーバーで多用する「メタクロ(メタルクロースピン)」のリアクションに印象が酷似しており、最も極寒だった日でも抜群に釣れたことで、恋瀬川を捨て、小野川最上流勝負に腹を括ったのである。
恐れていたことが…