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【5本継×8.7ft/8~150gまで対応】フィッシュマンの新しい変態ロッド「BC5 8.7H」テスター土屋きゅうりの使用感

寄稿:土屋きゅうり
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皆さんこんにちは、フィッシュマンテスターの土屋きゅうりです。

土屋 きゅうり(tsuchiya kyuri) プロフィール

東京湾奥をホームとするベイトシーバスマン。 基本的にターゲットはシーバスオンリーで、機動力の高い折り畳み自転車にFishmanロッドを乗せ湾奥を徘徊するというスタイルで通年楽しむ実力派アングラー。

さて「BC4 6.10MXH」や、先日新しい試みとして発表された通販限定モデル「BC4 4.10MXH」「BC5 8.7H」「BC4 6.10XXH」など、なかなか話題には事欠かないフィッシュマンですが、今回は新製品の内の1本「BC5 8.7H」を徹底解説致します!

BC5 8.7Hというロッド

そもそも「BC5 8.7H」はFishman公式オンラインショップ限定商品です。まずはスペックから。

基本スペック

品名 全長 マテリアル ガイド 自重 継数 仕舞寸法 グリップ長 ルアーウェイト ライン 販売価格
BC5 8.7H 8.7ft(265cm) 4軸カーボン99% Kガイドチタン+ステン 258g 5ピース 57cm 42.5cm 8~150g PE1~5号 63.000円(+税)

フィッシュマン公式「BC5 8.7H」詳細ページはこちら

8.7ftというレングスは取り回しを犠牲にせず、飛距離を出せる絶妙なレングス。また足場の高いシチュエーションでも対応できます。このレングスでこのパワーでも持ち重り感は一切ありません。その上グリップも短めなので取り回し向上に一役買っています。

そして…対応ルアーウェイト8〜150g。つまりシーバスで使うややライトルアーからジャイアントベイトに片足を突っ込むことができると。そんなことある?って感じですよね。しかも5ピースで…。

ではそんな8.7Hの特長をチェックしていきます。

①:超パワフルなバット部

写真はフィッシュマンロッドの中でも超パワーロッドである「BRIST comodo 6.10XH」とのバット部比較です。※製品版はコスメに一部変更があります。

見ての通り6.10XHと比較しても一回り太いバットをしています。ロングロッドでジャイアントベイトクラスまでいけるロッドともなるととんでもないパワーバットが必要なわけです。なのでこのバットを見るだけで上限150gは頷けます。実際138gのルアーを不安なくキャストできました。

そして太いバット部を抜き差しするのに助かる滑り止めコスメが憎いですねー!

②:ティップ部

じゃあホントに8gいけるのか?ってところ。それを可能にしているのが柔らかいティップ部。イメージしてもらいやすいのは「VENDAVAL10.1M」のティップです。張りがあって収束が早いんだけど曲がるティップ。

曲げてみるとわかります!これは8gいけるティップだと。実際に7gのルアーを投げてみましたが、ティップだけでなくしっかりベリーまで追従してくれて、十分勝負できる飛距離を出してくれます。

こちらもしっかり検証してきました。使用したのは「DUO シーク68S」。もはや8gを下回って7.7g。今回メインで使用しているリールがIMZなので、リールを考えてもルアーがちょっと軽いので竿の力を借りなければしっかり投げられません。

では投げていきましょう。…はいIMZデータで50m越え。

糸フケの誤差を10%くらいと仮定しても45mです。7.7gの小型シンペン45m飛ばせられれば十分使えますよね。この下限でジャイアントベイトクラスまでイケるってやばいです。

③:卓越した操作性

強靭なバット、張りがあってしなやかなティップ。そしてファストテーパー気味テイストのロッドですが、それだけではこのとんでもないルアー対応幅を使いこなすことなんて到底できません。

そこがこのロッドのやばいところ。しなやかで張りのあるティップが細かい操作性を実現しているところは想像しやすいと思いますが、しなやかなティップを持っているロッドはビッグルアーをうまく操作することができない。これが通説です。なぜならば、しなやかなティップ部は入力したパワーを吸収してしまうから。

しかし、この8.7Hはベリーとのバランスでそれを実現します。びっくりしたのは「DUO ROUGH TRAILボラペン245F」を操作した時。

このルアーはシーバス向きビッグペンシルでも最大クラス。245mm、138gあるので、しっかりとしたパワーでリズム良く入力してあげなければアクションさせることはできません。

もちろんティップ部はある程度アクションを吸収します。しかしながら、ティップの張りとロッド全体のバランスで無駄な力を必要とせずこのボラペン245Fを普通に操作できてしまいます。

ミノー・グライドベイトのジャーキングもお手のもの。しなやかなティップは操作時に適度なラインスラッグを出してくれるため、しっかり綺麗にダート幅の大きいルアーを左右に飛ばすことができます。

基本ミノーはジャーキングできても、ビッググライドベイトは上手く操作できないロッドがほとんどなのですが…まぁボラペンの解説でそれができてしまうことはイメージしていただけるかと思います。

④:感度

ここまでで“なんでもできるロッド”であることは伝わったのではないでしょうか。

続いては皆さん気になるであろう感度!ここまで色々できる竿なんだから流石に感度は…ビンビンです。ここはBC4ブランクスの系譜、感度だって最高クラスなんですよね。なんでもできて感度もやばい。…すごいロッドです。

最近個人的に流行っているシチュエーションを例にすると、水深があってボトムが牡蠣瀬のエリアでのナイトバイブレーションゲーム。水深があるのでまずはルアーを着底させます、ここでテンションフォールで着底させますが、まずフォールの際、牡蠣瀬に直撃するとフォール根掛かりしてしまうのでボトムタッチの感度は絶対必須。

そこからボトムを擦りながら牡蠣瀬のエッジを探してルアーを当てていきます。もちろん牡蠣瀬に触った瞬間リフトさせないと根掛かります。そしてリフトさせて牡蠣瀬の一枚上をドリフトさせていきます。で、牡蠣瀬のスリットに入った瞬間ゴンっ!!

もちろん掛けたあとは全力で牡蠣瀬周りから引き剥がします。

…と、この精度の感度が必要なのですが、これを実現するのに充分な感度があります!この感度を持ちながらもバイトを弾かないしなやかさがあるところが圧巻ですね。

⑤:このロッドの使いどころ

まるで使いどころが絞られるような見出しにしましたが、使いどころなんてありません!笑 ホントにバチやハクパターンみたいなアンダー10gルアー主体で勝負するようなケース以外はなんでもいけます。笑

特に東京湾奥の初夏〜初冬にかけてベイトの種類やサイズが日によってガラッと変わるようなケースに1本の竿で挑まなければならない時、この竿はベイトの動向にアジャストできるルアーをなんでも投げて、時に緻密に、時に豪快にルアーを操作して必ずあなたの獲れる魚を増やしてくれます!

まだまだあるぞ「BC5 8.7H」のギミック

5ピースってズレない?

さぁ5ピースということで皆さんここ、気になりますよねー。もちろん多少ズレてくる部分はあります。ただーし!そこは細かい気遣いがFishman。なんと今回初のジョイントマークを付けています。三角の頂点をB.C.5ロゴに合わせて貰えばばっちり!

ちょっとズレてもパッと直せちゃうわけです!あとは従来通りフェルールワックスを併用いただくのもOKです!

色んな継ぎデザインが可能

5ピースを全部分解したり、継ぎ直したりするのって手間な時ってありますよね。僕が横着なだけかもしれませんが…笑

そんな時、結構好きなのが1ヵ所だけ分解して変速2ピースにしたり、もう1ヵ所分解して3ピースデザインにしてしまうんです。例えば僕は釣行時、ほぼ折りたたみ自転車を使って移動するのですが、基本はロッドホルダーに差しています。が、5ピース状態だと厚みが出てホルダーに入らない。なので変則3ピースをよく使ってます。

こうすると毎回5ピース全部を繋がなくても良いのでちょっとだけ楽になります!仕舞い寸を小さくしたいときは5ピース、
ランガンの時は2ピース、3ピース。継ぎ寸遊びも是非やってみてください。

現行機種で似ている竿は?

この竿が気になるってなった際、すでに持っている竿と比較することもあると思います。もしくは触ったことのあるロッドを基準としてこの8.7Hがどんな竿かイメージするだとか。

8.7Hに近い機種が3本あります。「BC4 8.0MH」「RIPLOUT9.0M+」「comodo7.5H」です。

特に一番近いのが8.0MH。全体的に張りが強く、ティップはしなやかだが収束が非常に早いのでキレのある操作性が出せる、反発力が強くレングス以上の飛距離が出せる、重たいルアーも比較的いける。この8.0MHを更に重いルアーへの適応能力を上げた重量級上位互換的存在が8.7Hというのが一番イメージしやすいかと思います!

合わせるリールのおおすめは?

8.7Hのヘビーバーサタイルを最大限活かせるリールはやはり36〜38mm径スプールを搭載したリールですね。遠投特化!というリールよりはビッグベイトも運用しやすいしっかりブレーキを効かせるブレーキモードなどがある機種がベスト。

ただやや軽いルアーも平気で投げれるロッドなので36〜38mm径スプールのリールがマッチします。具体的にはフラッグシップならIMZ(Daiwa)、23アンタレスDCMD(Shimano)、ミドルクラスなら23SALTIST TW 150などが非常におすすめです。

ラインは1.5〜4号あたりをメインで使うルアーの重量に合わせてセレクトしていただければOKです。

 

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最後に

ここまで長々と語ってきました、B.C.5 8.7H。個人的にはまたまた常識を変えてしまうロッドが登場してしまったな、と感じています。

本当に色々盛りだくさんなロッドなので、エキスパートの皆様はもちろんのことこれからベイトシーバスを初めてみたい方でもやれることが多すぎて今後購入するロッドの数を明らかに減らしてくれるお得(?)な竿なので自信を持っておすすめすることができます。

皆様のベイトキャスティングライフが更に楽しくなるよう、是非この記事を活用していただければと思います!ありがとうございました!

フィッシュマン代表赤塚ケンイチ氏の解説動画

 

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Fishman

「ゼロバックラッシュ」「飛距離」「高精度ピンスポット撃ち」を追求したベイトロッド専門メーカー。 怪魚ハンターとしても知られる赤塚ケンイチ氏が代表を務め、同氏の豊富な経験がフィードバックされたロッドは、繊細な渓流から秘境のモンスターまでさまざまなスタイルに対応するラインナップ。
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