青物と並び、ショアから狙える人気のターゲット、タチウオ。
タチウオはその細長い体型からは想像しにくいほど、引きが強くゲーム性も高く、さらに釣った後も刺身やてんぷら、塩焼きなど食べても美味しいことでも有名です!
今回はそんなタチウオをショアから狙ってみたい方に向けた基礎内容を紹介していきます!
タチウオの生態について
タチウオを狙うのであればどういった魚なのかを知るべき!ということで、少し生態について解説していきます。
まずタチウオは、スズキ系スズキ目サバ亜目タチウオ科タチウオ属の魚。漢字では“太刀魚”と書くように、その由来は太刀(たち)のような見た目によるもの。
魚の中では変わった見た目でもありますが、実は泳ぎ方も頭を上にする“立ち泳ぎ”姿勢でかなり特殊。そのため“立魚”とも呼ばれているのだそう。
ショアからのタチウオ狙いというと、夜行性のイメージを持つ方も多いでしょう。実際、人気エリアでは夕暮れから夜にかけて大勢のアングラーが並ぶことも多々あります。
しかし、一方でジギングなどでは日中に行われるなど、昼夜問わず釣れて入れている印象。
タチウオは昼は比較的ベイトを捕食しやすい深場でジッとしており、夜になるにつれて接岸するベイトを求めて活発に動き回ります。
夜行性といわれている説もあれば、ベイトの動きにリンクしているから夜行性ではないという説もあったり。
どちらにしても、ショアから効率良くタチウオを狙いたいなら、時間帯的には朝マズメや夕マズメ・夜間に狙うのがオススメと言われています!
では、この時間帯は水中で何が起こっているのか?
実はベイトフィッシュが水中で回遊していて、実際に水面を観察すると泳いでいる姿が見えたりすることも!
ちなみに、日中でもベイトを追い回してはいますが「接岸」していないことがほとんどのため、回遊を確認することはできないと言われています。
それが夜になるにつれてベイトが岸へ寄ることで、タチウオも一緒に接岸し、夜に釣れるという訳です。
ただ、夜じゃないとエサを食べないという訳ではなく、夜は浅瀬に上がってきやすいということ。深場でもベイトの動きにはリンクしているので、夜じゃなくてもある程度の水深があってベイトフィッシュさえ溜まっていれば、日中でも釣れる確率は充分にあるということです。
ただ、それだと日によって場所が変わってしまって、エリアを見つけだすのが難しいため夕暮れや夜、夜明けに狙う方が効率もイイといえるでしょう。
タチウオのメインベイトは小型の回遊魚(アジ・サバ・イワシ・キビナゴなど)がほとんど。
大型になるにつれてカロリーを多く摂取する必要も出てきますので、エリアによって異なる部分もありますが、アジの群れや大きめのマイワシに付いているタチウオは比較的大型なことが多いです。
また、コノシロの群れに付いたり、大型のタチウオは小型のタチウオも捕食対象にしています。さらに、目線より上の魚以外にもボトム付近のアナゴやハゼなども好んで食べる時期もあるなど、小型回遊魚だけが捕食対象ではありません。
多くの釣り人が気になるハズ、タチウオがどのようにベイトを捕食しているのか。
最も多いとされるのが、簡単に捕食できるエリアに追い詰める「追い込み型」。ベイトの群れを下から突きあげるようにして捕食する方法です。
まれにライトの照っている足元などで、非常に獰猛かつ繊細に捕食しているシーンを目撃するケースがあります。ただ、派手な捕食ではなくて、一瞬にして水中にウロコが散らばるように静かに捕食をしているように見えます。
小型だと、鋭い歯で小さく噛み切って捕食したり、大型のタチウオの胃からは、丸飲みされたようにベイトの姿が残った状態で発見できたり。大型になれば一撃必殺で獲物を捕食しているようにも思えます。
静かにベイトへ接近して狙いを澄ましてから正確に捕食。ということは、大型のタチウオほどバイトチャンスは一度だけ。ミスをしても追い食いしてくれるのは、中型タチウオまでという風にも考えられます。
出典:YouTubeチャンネル「釣場速報(つりそく)」詳細ページ
タチウオは深場と浅場が隣接する海域で、砂・泥の底質と適度な潮通しがある場所を好むとのこと。そういった場所はエサとなるベイトも多いため、捕食行動をとる時にも都合が良く、外敵からも身を守りやすいエリアともいえます。
ウロコのないタチウオは外傷を受けやすいので、上記のようなエリアであっても海中に浮遊物(流木やゴミ)が多いと嫌う傾向もあり、底質が岩礁帯のエリアや、海藻が非常に多い場所も嫌います。
常夜灯などの明かり周りも比較的好みますが、明かりの真ん中よりも、暗い所との明暗部の境めに身を潜めている印象。
意外な面でいうと、水潮に対して強く雨後や河口などは思いのほか嫌いません。
潮流の流速が一定して速いエリアは得意とせず、潮流の緩急ができる地形を好みます。そして急激な濁りが入ったエリアを嫌うのに対し、常時濁っているエリアであれば気にしないという、ヒトコトでは済ませない不思議な要素が満載なのがタチウオです。