ことの発端は先日の釣行。今が旬の日本海は舞鶴沖へサワラ狙いでブレードジギングへ。
この時期の舞鶴沖といえば「ディープブレードジギング」と言われるように、狙う水深は50m~70mほどと深く、使用ジグも60~120gと結構ヘビーなものまで使用。
…そう、だからこそ「巻き上げのラクなベイトタックルもアリなんじゃないか?」と考え、じゃあ実釣で検証してみよう!と。
結論、必要なし?
はい。先に結論から言うと“ベイトタックルの必要はなし”。
そう言えば少し語弊がありますでしょうか。逆に言えば「スピニングタックルだけで十分成立した」…というのが、この日の検証結果。
当日の状況なのか、あるいはタックルが良かったのか…当日、記者が使用したタックルというのがこちら。
ロッドにはヤマガブランクス「SeaWalk Cast-Jigging SS 73M」をセレクト。
ジグがそれなりにヘビーであるということと、初めて利用する遊漁船であったためキャストの必要の有無がわからなかったこともあり、汎用性を意識しての1本。リールは4000番台のハイギアリールにPE1.2号、リーダーは7号をセット。
一方のベイトタックルには「SeaWalk Light Jigging B65M Bait Model」を。
背負えるジグのウエイトが表記上60~150gと親和性が高く、ティップからベリーにかけてはマイルドな調子ながらバットは強靭でブレードジギングに良さげ。またスピニングと同シリーズのため、比較しやすいというのもセレクトした理由の1つ。
これに1.5号のPEライン+8号のリーダーを組んだハイギアのベイトリールを合わせたものを使用。
実釣開始
さぁ、昂ぶる気持ちを抑え実釣開始!
…なんですが、朝マヅメのタイミングは潮止まりでスッカスカ。まったく当たらず。その後もイワシの反応を見つつポイントを転々とするも反応はなし。
そうなんです、潮があまり動かなかった今回の釣行。加えて魚の反応も良いとは言えず、50~60mの水深でもホトムが取れる「60g」とライトなジグをチョイス。あれよあれよと夕マヅメに差し掛かり、にわかに周りの船でもヒットが出だしたタイミングに待望のヒット!
いずれの魚も早巻きが奏功。めでたくサワラを手中に収めることができました。
キャッチしたのはいずれもスピニング
キャッチしたのはスピニングタックル。
ではなぜ、その時スピニングを手にしていたのかというと、上記の通り比較的ライトな展開であったことが一つ。体力的に巻き上げがキツイ…ということもなく、スピニングタックルで十分対応できたため。
もう一つの理由が、「あまり潮が流れなかったこと」。つまり、ドテラでどんどん流していく…というよりもキャストで距離を稼ぎ、斜めに引いて広く探る方が魚を当てるには効率が良かったことがスピニングを手にした理由。
もちろん、今回の検証はベイトタックルの是非。1本獲れたタイミングで、ベイトタックルを落とすも反応はなし。
これ、上記で挙げた「潮が流れない」というのも理由ではないかと。ベイトタックルはバーチカルの釣りがメインとなり、やはりあまり流れないことから広範囲を探るには適さなかったというのが個人的な見解。
もう一つ挙げるとリーリングのスピード。記者の手持ちのタックルではスピニングと同じように巻いても、厳密に言えばギア比の違いから巻上長はスピニングが上。つまり、スピニングで巻くスピードがこの日はハマり、ベイトタックルではやや無理があったのか…という点も個人的にはスピニングに軍配が上がった結果ではないかと。
いらない…けどいる
たった一回の釣行で結論づけるのは少々乱暴な気もしますが、今回の釣行、あるいは結果だけで見ればベイトタックルの必要はなし。
ただし、可能性を感じる場面が多々あったのも事実。
1つは、他魚種の可能性。水深20m前後のエリアでサワラを狙う場合はそうでもないかもしれませんが、ディープを狙う場合はサワラだけでなく他の魚種が交ざる可能性も十分あるんですね。
実際、同船者の方がタチウオをヒットさせたり、記者自信もアオハタやレンコダイをキャッチしたり。そのようなターゲットも視野に入るのであれば、ベイトタックルは大いにアリ。むしろそれらのターゲットであればそこまで早巻きを必要とせず、またより繊細に誘い上げることも可能になる。
時合待ちのときや、サワラの反応が悪い時などにあえて狙ってみるのもおもしろかったりして。
もう1つは巻きスピードのパターン性。今回の釣行では早巻きがハマりましたが、実際そこまで“早く巻かない方が食いが良い時もある”とは船長談。ベイトタックルで快適に巻き上げられるスピードがハマれば十分に可能性はあるし、もっと言えばバーチカルの釣りがハマる時も往々にしてある。
やっぱりラクなんですよね、ベイトタックルって。巻き上げ力が強く安定していて、ルアーを巻いても魚を掛けても、体力で言えばラク。潮が早い時など100g以上のジグを落とすのであればその違いは圧倒的。
またスピニングとベイトを持ち込めば、スピニングをメインにして釣りをして、疲れが出てきたらベイトタックルに持ち替えて回復を待つということも可能に。海中に何も落とさなければ釣れる可能性は間違いなく0%。ただ、タックル関係なくジグさえ落とせば1%でも釣れる可能性はある訳で。
以上が今回の釣行で感じたベイトタックルのメリットとデメリット。
「いらないけどいる」…それはつまり、“なくても成立はするけど、あればもっと楽しめる”とういうこと。
タックル選びの参考になれば幸いです。