【尺メバル指南②】常夜灯堤防から「尺メバル」を釣るには
さて、今回の内容は前回からの続き。
「一般的な堤防から尺メバルを釣るにはどうすれば良いのか」について語ります。
レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール
年間700人以上の釣り人に狙われている?
まず前提として理解していただきたいのは、エントリーすることすら躊躇われる「闇磯」と違って、港湾堤防には何十年にもわたって多くの釣り人が出入りしてきたという現実です。
したがって闇磯ポイントと堤防では数十年間の間にソコへ立ち入った延べ人数を比べると、その違いは容易に想像がつきますす。人気の堤防ポイントにはほぼ毎日複数人の釣り人が居ますが、闇磯となると恐らく1ヶ月で数人程度でしょう。事実この20年、自身の闇磯尺メバルポイントで他人に出会ったことなど一度もないくらいです。土日ですらそうなのですから平日ともなれば推して知るべしです。
たとえば堤防へ1日平均2人の釣り人が来ると仮定すれば、一年で700人超え。そこへ20年を掛るとザッと15,000人です。その15,000人が何がしかの獲物を持ち帰るのですから、そりゃあ魚も減りますし、特に大型は真っ先に居なくなります。したがってほとんどの地域の堤防では、おチビなメバルばかりという状況になっています。
こう考えるとちょっと呆然となるのですが、そうは言っても一般的な堤防からでも打つ手はまだまだあるのです。動画内で僕自身が実践して結果を出したいくつかの攻略法を話していますが、改めて簡単に言えば重要なのは「竿抜けを探す」です。
距離と水深による竿抜け(ジグヘッド)
つまり、釣り人が普通に訪れる一般的な堤防でも“50〜80m沖合”や“水深15〜20mのボトム”は、闇磯ポイントと同じで正真正銘「竿抜け」なのです。「その場所」へ、ピンで竿を出した人数なんてたかが知れているから、大きなサイズのメバルはまだまだ残っているのです。おまけに磯の釣りとはまた違い、その距離や水深が邪魔をして「何を投げたら良いのか、どうやれば良いのか分からない」という事が障壁となっているのでしょう。
具体的な攻略法としては、まずは「ボトムワインド」です。
使うのはジャズ尺ヘッド5〜7g。これを8フィート前後のロングロッドにPE0.3〜0.4号を使って本流へ遠投し、ボトムが取れたら5〜7回ほどワインドダートさせながら持ち上げ、テンションフォールでドリフトさせながら再着底を待ちます。この際、必ず再着底するウエイトのチョイスが大事で、バイトの多くは流れながらフォールしている最中に訪れます。
もう一つは「ダウンショット」。
ジグヘッド単体では流されすぎて釣りにならない際の方法ですが、シンカーが一番下でその上(40cm程度)に20cm程度の枝を付けてそこへ1g程度のジグヘッドをセットします。この方法ではシンカーをいくらでも重くできるので、潮流に合わせたシンカー(釣鐘おもり)をセットし、ボトムからロッドワークで大きく持ち上げ“フリーではなくシンカーの重さを感じながら”降ろしていきます。
この際も真下に沈むようではダメで、斜めに流れながら沈むウエイトをチョイスすることが重要です。
レンジとメソッドによる竿抜け(プラグ)
そして「プラグ」。少し難易度が高いのと、この釣りをするタイミングが分かりにくいのが難点ですが、タイミングさえ掴めれば高確率で大型メバルを手にすることができます。
まず条件を説明します。これは本流筋の水面直下(だけ)を意識している大型メバルを狙う釣り方なのですが、この手のメバルは巻いたら(ドラッグが掛かったら)釣れません。
メバルは潮に乗って水面直下を流れてくる餌を食べるため、トラウトのように上流を向いて流れの中でホバリングしています。したがって自分の顔の前を横切っていく餌にはほぼ見向きもせず、ひたすら正面から流下してくる餌のみを食べているので、流れの筋に沿ってきっちり水面直下レンジを平行に流してやる事が大事です。
したがって使用するプラグはスローシンキングもしくはフローティングに錘を貼ってサスペンドチューンしたものを使用します。メソッドとしては、メバルが居るであろうレーン(流れの筋)へキャストし、ラインが落ち着いたら少し巻いて潜らせ、軽いトゥイッチを掛けて流し、1m流れるごとにそれを繰り返します。
以上が2種の堤防尺メバル攻略法ですが、実際僕自身、各誌面の「瀬戸内堤防ロケ」で過去にキャッチした尺メバルはいずれもこの二つの方法であり、近年他の方法ではほとんどレギュラーサイズしか釣れないというのも事実です。
つまり、ポイントなりメソッドなりの「竿抜け」を強く意識することが、「堤防尺メバル攻略」において最も重要なキーワードとなっているのです。
尺メバル指南その⑵【堤防尺メバル攻略編】ライトゲームマニア