2024年 fenwick 70周年
SINCE 1954。
2024年、fenwick(フェンウィック)は創業70周年という節目を迎える。そしてそれを記念したロッド4機種が、2024年春に登場予定。
ちなみに70年に渡るフェンウィックの歩みについては、ぜひ下記の特設サイトをご覧頂きたい。Basser誌に掲載されたものを再編集した内容で、その起こりから現在に至る功績が事細かに描写されている。
アニバーサリーロッド4機種
さて、フェンウィック70周年を記念したアニバーサリーロッド4機種は、フェンウィックの中でも最高峰に位置づけされるACES(エイシス)から。その70周年モデル、印象深いのはフェンウィックのこれまでの歴史と現在のバスフィッシング、両者を融合し表現するような4機種となっていること。
ティムコの大津清彰さんは言う。
「今回の70周年アニバーサリーモデルは、これまでフェンウィックが提唱し、節目節目で多くの方に親しまれるようになったメソッドを改めて振り返り、その礎というか源というか、そうしたものをロッドを通して感じて頂きながら、かつ現代のバスフィッシングに必要な要素を詰め込んだ4機種です。そんな記念モデルとなります」
今回は速報ということで、駆け足ながらその4機種についてお伝えしたい。
ACES76CMLP+J “Flippin’Stik”
70th Anniversary
まずはエイシス76C MLP+J Flippin’Stikだ。
フリッピンスティック、それはフェンウィックの歴史の中でもエポックメイキングなロッドといえる。「フリッピング」というテクニックをもってして、かのディー・トーマス氏が強烈にバスを釣りマクったという。そして林圭一氏、吉田幸二氏らをきっかけに日本でも広がることになる(そのあたりの歴史は前途した特設サイトを興味深く読んで頂ければ)。
簡単にいえばフリッピングとはリールに巻かれたラインを手で手繰り、キャストするもの。このあたりの解説は割愛するが、とにかく当時はフリッピングで落としては釣る(または回収して次のポイントに撃つ)ことが手返しのよさもあり驚異的な釣果を出したのだそうだ。
しかし、現在の日本のフィールドでは縦に落とすだけではキャッチにつながりがたいのは周知の通り。
落としながらシェイクを織り交ぜる、落とした瞬間に泳がせて〝逃がす〟、そうした細かなテクニックが必要となる。
ゆえに「フリッピング」を題材としながらも、それまでの「フリッピンスティック」とは全く異なる味付けとなっているそうだ。現代のフリッピングに求められる操作性・感度を重視したテーパーにした1本。
※なお、現在「Flippin’ Stick®」は株式会社ケイテックの登録商標
ACES64SULJ Ver.ZERO ” Mid Strolling Special ”
70th Anniversary
続いてはエイシス64S ULJ ver.ZEROミッドストローリングスペシャル。
ミッドストローリングスペシャルのネーミングは現行のフェンウィックロッドにもいくつか採用されている。もちろん機種によってもその味付けは異なるのだが、「より細かくルアーをロールさせる」コンセプトを持つのが現行フェンウィック「ミッドストローリングスペシャル」といえる。
それとは一線を画すのがこの記念モデル。ver.ZEROは、なるほど、だからバージョンゼロなのだな…と思わされたのだが、70周年記念となるミッドストローリングスペシャルは、名竿「テクナGP」のエッセンスを感じさせるという。そして、いわゆる名古屋釣法といわれる、ラインをゆったり揺らしてルアーを中層でナチュラルに泳がせることを意識したモデル。
故に、ガイドをあえて大型化。ガイド内でラインを揺らすことができ、だから中層でよりナチュラルに動かすことが可能。現行の細かなロールアクションはもちろん、ラインを少し大きめに揺らすような今なお効くメソッドを70周年記念モデルでは表現する。フェンウィックらしいアニバーサリーロッドといえそうだ。
ACES64CLP+J “Bait Finesse Special”
70th Anniversary
ACES 64C L P+Jベイトフィネススペシャル。
現行フェンウィックにもあるベイトフィネススペシャルは欠かせない存在。
ただし、現行モデルのベイトフィネススペシャルは感度と軽さを重視したモデルが多数。それは当然現代には外せないコンセプトでもある。
一方で「ベイトフィネス」という言葉が生まれた当時、ロッドに求められる要素というのは異なったのだという。ベイトリールはスピニングと比較しドラグに負荷を逃がすことがしづらく、故にその役割をロッドが果たす必要があった。だから当時のベイトフィネスロッドは、全体が曲がり込むことでラインブレイクを防ぐ。そうしたコンセプトが核としてあった。
このコンセプトを改めて見直したのがこのベイトフィネススペシャル。もちろん現代のベイトフィネスリールは進化を見せている。ならばなぜ当時のコンセプトを改めて見直してみたのかというと、ロッド全体を曲げ込むことでパワーが上がることに大きなメリットを感じたからなのだという。
バスの大型化もあり、ベイトフィネスであってもパワーが求められるシーンは少なくない。軽さと感度を重視したベイトフィネスロッドは当然それは必要。が、もうひとつの方向性としてベイトフィネスでパワーのあるロッドという道筋を、当時のベイトフィネスの核となるコンセプトから現代のバスフィッシングに必要なものとして表現したのがこのモデルだ。
ACES-CS66CMLJ “Crank Shaft”
70th Anniversary
最後に紹介するのがACES-CS 66C MLJクランクシャフト。
フェンウィックが提唱してきたいわゆる巻きモノの釣りを司るロッドとして、クランクシャフトは存在してきた。
そして、フェンウィックの巻きモノロッドとなると、皆さんがイメージするのはグラスコンポジットではないだろうか? 伝統的にグラスコンポジットを巻きモノロッドとして輩出してきたフェンウィック。
しかし、70周年を記念するクランクシャフトは、なんと100%グラスなのだ。
その理由は…。巻きモノとひと口にいっても幅広いのだが、現代のバスシーンにおいて、巻きモノを扱う際に重要視したいポイントが精度。キャスタビリティだと考えたという。どんな所にも思い通りに入れられる、そんな巻きモノロッドをコンセプトとしたという。
ピュアグラスの場合、例えば近距離に投げる、続いて少し遠くに…といった場合でもアングラーの入力に応じて素直に追従することで、ほんとに気持ちよく思った所に投げられるのだという。
2024年、春発売
また日を改めて各機種のスペックなどは細かくお伝えしていく予定だが、何より感じさせられたのは、これまでの歴史と現在のバスフィッシングシーンの融合をうまく果たしたアニバーサリーロッド4機種であること。
研鑽を重ね、今なお進化を止めないフェンウィック。その記念すべきモデルは2024年春の発売を予定しているという。
今後、ティムコ公式webサイトや各SNSでも情報が随時追加されるはず。そちらもぜひぜひチェックを。