GRASSROOTS、バスロッドを遂に
さて、迎えた2024年。昨年末からバスフィッシングシーンで話題になっていたニュースがひとつ。今春にデビューを控えるGRASSROOTS(グラスルーツ)のバスロッドについてだ。
結論から述べると「ENGAGE Knives(エンゲージ ナイヴス)」という第一弾ロッドが、全10機種のボリュームで登場予定。
ENGAGE Knives
まずエンゲージ ナイヴスの概要を簡単に説明する。グラスルーツのロッドブランドとして「ENGAGE(エンゲージ)」の名を冠し、「Knives(ナイヴス)」はシリーズ名でハイエンドモデルを表す。つまるところ、第一弾ロッドはエンゲージナイヴスはグラスルーツのハイエンドロッド全10機種となる。
「エンゲージという言葉は、何か向き合う対象ができた際に用いられ、様々な意味があります。バスフィッシングに置き換えると、バスを探すには多くのフィールド状況を把握し、アングラーはバスと対峙する時には適切なタックルセレクトやアプローチを駆使しなければキャッチには結び付きません。親和性を持って対峙する、そんな表裏一体がバスフィッシングには必要で、それを表す言葉としてエンゲージとしました」
そう話すのはグラスルーツのロッドを担当する村中義明さん。バスと対峙する際にロッドに求められる要素を高次元で満たし、アングラーと高い親和性を発揮するアングラーとバスをつなぐロッドにしたいとの想いからエンゲージという名にしたのだそうだ。
そのエンゲージの旗艦としてナイヴスは位置づけられる。Knives、ナイフの複数形であり鋭い印象を受けるシリーズ名。業物(わざもの)とは切れ味のよい刀を意味するが、そんな研ぎ澄まされた鋭い感性をアングラーに与えてくれるロッドなのだという。
軽量で、高感度。なおかつしなやかにベンドする。
ありきたりな言葉にはなってしまうが、そこには相反する要素があり、突き詰めるほどに難しい。加えて各機種に対するコンセプトも当然あるわけで、軽さ・感度で群を抜く設定は共通項でありながら、各種ルアー・メソッドに対して明確な役割のある全10機種となっているそうだ。
軽く高感度で強靭、それを突き詰めるために
シリーズで一貫するのは、薄厚プリプレグを高圧で多層巻きするバイアス製法。軽量で強靭なハイテーパー化された仕様となる。そしてレジンに東レ社「ナノアロイ」を採用している点。
例えば高弾性でありながらローテーパーでシャフトが細身のロッドの中には、曲げ込むほどに不安を感じてしまうことがあるのも事実だ。
エンゲージ ナイヴスはハイテーパーながら薄厚プリプレグを高圧で多層巻き。そこにナノアロイ。何が起きるかというと、フッキング時など負荷が掛かる瞬間、ロッド断面は円から楕円に変形し、それが元に戻る。
潰れ耐性がそもそも強く、そしてその復元力が非常に速いのはもちろん、薄厚プリプレグとハイテーパー化という作りであるがゆえ、よりフッキングやリフト力につながる。
軽く、振り抜けばシャープ。思い通りに動かせる。掛かればしなやかさと強靭さが同居する。
3タイプのブランクスマテリアル構成
そうした共通項とともに、細分化されるバスフィッシングに応じた全10機種の個性がある。
ベースグラファイトに弾性率が異なる東レ社製プリプレグを適材適所で採用。そしてモデルごとにアラミドシンセティックファイバー、ユニディレクショングラス、グラファイトソリッドティップ、グラスソリッドティップ、4Axialテープ(4軸巻き)を、各機種が求める要素を満たす最適な組み合わせで配しているという。
ブランクスマテリアル構成には3つのタイプがある。
弾性率が異なるグラファイトをセクションごとに最適に配し、アラミドシンセティックファイバーをラミネートし強化した強靭なハイブリッドシャフト。
先に述べた通り、ロッドの生命線を握るレジンにナノアロイを採用することで十分に強さは出る。が、そこにアラミドプリプレグを最外周に巻いて補強することで、あらゆる方向からのネジレ、潰れにより強さを出す。
よりトルクを求めるアプローチを目的とした機種にはこちらが採用される。
一方で、さらにシャープな操作性を求める機種にはピュアグラファイトシャフトを採用。こちらも各機種の各セクションに最適な弾性率のグラファイトを配置しているが、上述したアラミドシンセティックファイバーは採用せず、さらに繊細に意のままに操りたい機種に適用される。
UDグラスをベース基材とし、バット部にグラファイト+アラミドシンセティックファイバーをレイヤリング。さらに全身を4Axialカーボンテープで締め上げたコンポジットシャフト。
いわゆるグラスコンポジットなのだが、ブランクス全体を4Axialカーボンテープで締め上げることによりダルさがなく、キャスト時にはテイクバックからの復元が速く低弾道のキャストも可能にする。
ということで、3タイプのマテリアル構成があり、それを各機種に最適なかたちで配する全10機種が揃う。
ガイド設定
ガイド設定はチタンフレームSiCリングガイド。KRコンセプトをベースにしたオリジナルマイクロセッティング。
ロッドは当然曲がる。ティップからバットにベンディングカーブが移行していくわけだが、移行していく過程、それぞれの曲がりの頂点にガイドを配した。
すなわちブランクの曲がりと等しくラインが追従する。これはキャスティング時はディスタンス、アキュラシー共に高め、フックアップ〜ファイトでは高負荷が加わった際にネジレを抑制。ブランクのポテンシャルをスポイルすることなく引き出すことが可能。
グリップデザイン
全10機種の内訳はまた日を改めてお伝えするが、ベイトキャスティングモデル5機種、スピニング5機種を予定している。
そのグリップデザインにもコダワリが見られる。
ベイトキャスティングモデルにはC6カーボン製オリジナルリールシートを採用。軽量感と感度に貢献すると共にトリガー配置やフード形状を作り込む事でキャスティング時の手首の自由度と、安定感のあるパーミング性を実現。
スピニングモデルは人差し指をブランクに添えるグリッピングが可能なFujiのVSSシート。さらにTVSKフードをアップロックするオリジナルセッティングとすることで手の中で違和感の無いホールド性を実現。
またさりげないローレットやフックキーパー、コルクの風合いなど、そのヴィジュアルも所有欲をくすぐる。
攻める姿勢
今回はグラスルーツの第一弾ロッド「エンゲージ ナイヴス」について、全体像を中心にお届けした。具体的な機種展開やそれぞれの特長などは、また改めてお伝えしていく。
全体として見ると、軽さ・感度とともに、しなやかさ・粘りのあるロッド。で、幸運にも実機を触らせて頂く機会があった。軽く曲げ込んだりしてみた程度だったが、操作する・掛ける喜びが感じられるロッドではないかと思わされた。
バスフィッシングは千差万別で、自身が通うフィールドや使用するルアーも異なると思う。けれど「あっコレ使ってみたい。面白い!」と琴線に触れる機種が、必ずやある…そう感じさせてくれた。
安パイを狙ったというよりは、コンセプトが明確でそのためにこう設計した…という意志が見える。けれど、全体としては軽さ・感度という部分は全面に押し出している。エンゲージ ナイヴスは各機種個性派ぞろいだけれどチームとしてまとまる、そんな印象を受けた。
発売は今春を予定。バスフィッシングとのよきエンゲージを、このロッドで。
最速で触ることが可能なのは…釣りフェス!
そんなエンゲージナイヴスを最速で触れることができるチャンスは、パシフィコ横浜で開催される「釣りフェスティバル2024」ではないだろうか。
グラスルーツは釣種別スタジアムの「B-318」にブースを構えているのでお見逃しなきよう!
1月19日(金)12:00-18:00 一般公開
1月20日(土)9:00-17:00 一般公開
1月21日(日)9:00-17:00 一般公開
詳細は釣りフェスティバル2024公式webサイトまで