新境地を拓いたボトムノックスイマー
従来、ネイティブトラウト用のルアーといえばミノー、スプーン、スピナーの3種というのが常識だった。しかし2014年にその常識を打ち破った奇想天外なルアーが発売された。それが「ボトムノックスイマーⅠ」というものだ。
このルアーを生み出したのは故・本山博之氏。福島県を拠点としてバスやトラウトを追いかけていた本山氏は斬新な発想で数々のバスルアー・トラウトルアーを生み出してきた。
その中でもボトムノックスイマーはこれまでのトラウトルアーの常識からは大きく逸脱したルアーだったのは間違いない。着底時にはテールを上に向けた姿勢でステイし、トゥッチをかけると左右にダートする。タダ巻きではバイブレーションしながら泳ぐという死角のない動きを実現させていた。発売されるや否やその威力は瞬く間にSNS等で拡散され、市場に流通したボトムノックスイマーは瞬時に完売することとなった。
しかしながらマイラーチューブ内にタングステンシンカーを内包させるという構造を持ったこのルアーは生産の継続が極めて難しく短命に終わってしまった。
再生産が困難という現実を前に、本山氏は次なるボトムノックスイマーの開発を進めていった。
そして2016年、新たなボトムノックスイマー「ボトムノックスイマーⅡ」が発売となった。Ⅰが無機質なものであったのに対し、Ⅱはその外観からしてあまりにもキュート。手にすると思わず「可愛い」と発してしまうほどのギャップに戸惑うアングラーは少なくなかったはずだが、その威力は渓魚にとって脅威となるものだった。
それまで横方向の動きではヒットにまで持ち込めなかったトラウトが、ダートアクションを基軸とするボトムノックスイマーⅡの変幻自在な動きには狂ったようにアタックしてきたからだ。
そして材質がマイラーチューブからABSに変わったことにより豊富なカラーリングも実現した。現在、ボトムノックスイマーⅡは日本はもとより海外でも高い評価を受けるほどのルアーとなっている。
エリア専用のボトムノックスイマー
現在、ボトムノックスイマーにはオリジナルモデルとなる「ボトムノックスイマーⅡ」の他、サイズバリエーションとして「35」「41」そしてライトウェイトバージョンの「ボトムノックスイマーライト」、エリア向けモデルとなる「ボトムノックスイマーエリア」がラインナップされている。
その中で今回はボトムノックスイマーエリアにスポットを当ててみよう。
ボトムノックスイマーエリアは通常のボトムノックスイマーⅡと比較して内蔵ウェイトの軽量化が図られており、全体でも1gほど軽いものとなっている。それは止水で用いられること、プレッシャーの高い魚を相手にするため沈下スピードとダートする速度をやや抑え気味にしているのが特徴だ。勿論、ボトム着底時にテールを上げてステイする、トゥイッチを掛ければ左右にダートするといった性能面はオリジナルのボトムノックスイマーⅡを継承している。
ミノーやクランクベイト、スプーン等を見慣れた魚もボトムノックスイマーのトリッキーな動きは新鮮に映るようで、ハイプレッシャーでバイトが遠いというエリアにおいても連続してヒットを得られることはよくある。そしてボトムノックスイマーの強みとなるところはダートアクションなどの「動」以外にボトムステイすなわち「静」で喰わせることが出来る点だ。ボトム付近に依存して拾い喰い傾向が強いトラウトにおいても高い効果を得ることが出来る。「横の釣り」「縦の釣り」その両方を高い次元でこなすことが出来るルアーというのはそうそうない。
ボトムに堆積物が多くある場合では、従来のボトム用プラグではボディ全てが隠れてしまい、魚もルアーを見失いバイトまで至らなくなってしまうことがある。ボトムノックスイマーエリアであればボトムで直立してくれるので、ヘッドはそこに埋まってもテールのみ露出してくれやすい。ヘッドが堆積物に埋まる分、より丁寧に探れる…といった応用的な使い方も可能だ。
カラーラインナップをオールリニューアル!
エリア専用仕様ということで、バーブレスシングルフック(ヴァンフックSP-31BL #8)
の装着は勿論の事、カラーラインナップもエリア専用に厳選されているのがボトムノックスイマーエリアの特徴の1つと言える。
そしてそのカラーラインナップが2023年冬から刷新されることになった。いずれも最新のエリアトラウトの傾向をフィードバックさせたラインナップだ。
全長 | 自重 | 標準小売価格 |
30mm | 2.2g | ¥1,300+税 |
この冬、エリアトラウトのルアーローテーションにボトムノックスイマーエリアをぜひ加えてみて欲しい。
2023年12月発売予定
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