ダイワ・フィールドテスターの藤田知洋さんによるシーバス攻略。
手には、ダイワが提案するベイトタックルの新しいカタチ、SALTIST(ソルティスト)。
藤田 知洋(Tomohiro Fujita) プロフィール
前回の記事では、その根幹となるリール「ソルティストTW PEスペシャル」についてご紹介した。
【なるほど!逆転の発想!】ベイトタックルのSWをもっと快適にする「ソルティストTW PEスペシャル」【藤田知洋×ベイトシーバス】
ブレーキによる調整ではなく、より快適なPEラインの放出という方向性に舵を切ったリール。それは、これまでベイトタックルの経験が少ない人でも〝イキナリ快適〟に扱えるギミックが多く搭載されているもの。
SWベイトゲームを網羅するロッド「ソルティスト」
さて、続いてはロッドだ。シリーズ名をそのまま冠するロッド「SALTSIT(ソルティスト)」。全5機種がラインナップされる。
出典:ダイワ公式
いずれも特定の魚種専用ロッドという位置づけではなく、SWのベイトタックルゲーム専用ロッドであり、超万能なロッドでもある。
まずは簡単に全5機種の内訳とスペックを。
アイテム | 全長(m) | 継数 | 仕舞寸法(cm) | 標準自重(g) | 先径/元径(mm) | ルアー重量(g) | 適合ライン PE(号) | カーボン含有率(%) | メーカー希望本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソルティスト 74LB | 2.24 | 2 | 116 | 102 | 1.4/11.4 | 4~14 | 0.6-1.0 | 98 | 28,000 |
ソルティスト 711MLB | 2.41 | 2 | 124 | 112 | 1.6/12.8 | 5~21 | 0.6-1.5 | 98 | 29,000 |
ソルティスト 84MB | 2.54 | 2 | 131 | 125 | 2.3/12.8 | 7~35 | 1.0-2.0 | 97 | 30,000 |
ソルティスト 92HB | 2.79 | 2 | 144 | 180 | 2.6/15.9 | 14~60 | 1.5-3.0 | 96 | 33,000 |
ソルティスト 89XHB | 2.67 | 2 | 138 | 190 | 2.8/16.8 | 30~130 | 2.0-4.0 | 96 | 35,000 |
ダイワ公式「ソルティスト」詳細ページはこちら
藤田知洋がシーバスで選んだ3セット
全5機種の中から、藤田さんがセレクトしたロッドは3機種。ソルティストTW PEスペシャルとの組み合わせは以下の通りだ。
そこまで難しくないシンプルなセレクトで、使用ルアーの軽・中・重に応じてロッドもリールも選んでいる。また、ロッド「ソルティスト」は1機種ごとにカバーするルアーウエイトがかなり幅広く、各機種の使用範囲はクロスする部分も多くあるのが魅力でもある。
ロッド:ソルティスト711MLB
リール:ソルティストSV TW 80XHL PEスペシャル
ライン:UVF PEデュラセンサーX8EX+Si3 1.2号
リーダー:モアザンリーダーEX II TYPE-F(フロロ)12lb(3号)
ソルティスト711MLBは、ルアーウエイトとしては5~21gに適合。ジグヘッド・ミノー・バイブレーション・フリーリグなど、様々なリグに対応する。
藤田さんが用いるのは小型バイブレーションやワームを使う時、また10cm以下の小さなミノー系にも。
ソルティストSV TW 80XHL PEスペシャルはSV(スーパーバーサタイル)コンセプト機であり、ショアでのSWゲーム全般としてみると、この組み合わせはかなりバーサタイル性を発揮する。
ロッド:ソルティスト84MB
リール:ソルティストTW 100XHL PEスペシャル
ライン:UVF PEデュラセンサーX8EX+Si3 1.5号
リーダー:モアザンリーダーEX II TYPE-F(フロロ)16lb(4号)
ソルティスト84MBは7-35gの中量級ルアーに対応。こちらもかなり対応ウエイトが幅広く、軽・中量級ルアーを広くカバー。
ソルティストTW 100XHL PEスペシャルはマグフォースを採用しており、後半の伸びも抜群。やや重め、やや軽めといった隙間を埋めるようなルアーウエイトでも操作しやすい。レングス的にもフィールド問わず投げやすい設計だ。
ロッド:ソルティスト92HB
リール:ソルティストTW 300XHL PEスペシャル
ライン:UVF ソルティガセンサー12ブレイドEX+Si 5号
リーダー:モアザンリーダーEX II TYPE-F(フロロ)30lb(8号)
ルティスト92HBもまた14-60gのルアーウエイト対応と幅広い。中・重量級ルアーをカバーする機種といえる。藤田さんの場合は、基本的にビッグベイトの相棒として使用するが、その対応幅の広さから12cmクラスのミノーなども扱えるという。
このため、ビッグベイトでアプローチし、食わせきれなかった場合にミノーでフォロー…ということも可能な意外や器用なロッドなんだとか。
ヘビーバイブレーション、50gクラスのジグといったところも安心してフルキャスト可能なヘビーバーサタイル。
上記が今回藤田さんが使用したタックル。もちろん「ソルティスト」シリーズはSWベイトゲーム、その全般を専用とするタックルだけに、1セットあれば様々なジャンルに末永く使っていける。
ソルティストの特徴
ロッド全体としての特徴も、いくつかかいつまんでピックアップ。
まず、全機種チューブラートップ。やはりベイトPEでルアーを投げる、それも正確に…ということで、安心して振り抜ける感覚を大事にした設計。意外と大きな部分だと思うが、しっかりとルアーを押し出すように飛ばしてくれるという安心感、信頼感というのはメンタル的にもアドバンテージ。
HVFカーボン
ブランクはHVFカーボン。言わずと知れたダイワテクノロジーで、レジンの量を減らし、カーボン繊維の密度を高めた設計で、見た目華奢でも脱いだら筋肉もりもり…というような仕様。粘りと強度が非常に高く、大型相手にも主導権を握れる素材だ。
X45
加えて「X45」も採用。竿先に対して縦・横だけでなく、斜め45°のバイアスクロスを施し、さらにブレのないブランクに仕上がっている。
V-JOINT
ロッドの継部には「V-ジョイント」。バイアス構造のカーボンシートを採用することで、あたかもワンピースロッドのような歪みの少ない美しい曲がりを実現。
使用ルアー&リールを想定した設計
機種によって使用ルアー・リールを想定し最適化されているのも見逃せない。
全5機種のうち、軽量ルアーを扱うことも多い74LBおよび711MLBは、よりシャープな振り抜き感を狙った並継仕様。
中・重量級ルアーを扱う84MB・92HB・89XHBは、扱うルアー重量もアップしてくるため、しっかりとウエイトがバットまで乗せられるよう逆並継としている。
シート周りもそうで、74LB・711ML・84MBには軽さと感度を重要視し、エアセンサーブランクタッチシートを採用。カーボンファイバーの入ったエアセンサーシートの快適さは、誰もが知るところ。ミッドグリップも軽快さを重視した設計。
一方で92HBと89XHBに関しては、使用リール・ルアーウエイとがワンランクアップすることから、FujiのTCSリールシートを採用している。
機種 | ジョイント部 | リールシート |
ソルティスト 74LB | 並継 | エアセンサーシート |
ソルティスト 711MLB | 並継 | エアセンサーシート |
ソルティスト 84MB | 逆並継 | エアセンサーシート |
ソルティスト 92HB | 逆並継 | Fuji TCS |
ソルティスト 89XHB | 逆並継 | Fuji TCS |
カッコ良さ!「映え」も大事よね
当然ソルティストのロッド&リールのデザインの統一感はマッチする。せっかくなら合わせて使用してメモリアルな魚を釣りたいところ。で、こんなご時世だからSNSなどにもアップしたいのが釣り人の性!?
そんな時に〝映える〟ロゴが大きく目立つようなデザインとなっているのも、うれしいところかもしれない。
今から始めてみたい人にも…「SALTIST」
また、なかなかに盛り込んだシリーズ「SALTIST」だが、意外や手の届きにくい価格帯ではないことも付記しておきたい。
そして、ベイトタックルで振り切るのが怖くない。
これがとても大きい。中・上級者はもちろん、「ベイトタックルSWゲームにエントリーしたいと思っているけど……」と、これまでどこか不安で踏み出せなかった〝潜在的ベイトSWゲーマー〟の琴線に響く。SALTISTは、そんなシリーズになるのではないだろうか。
出典:YouTube「DAIWA Salt Water Fishing」