【ニーズ(Needs)からウォンツ(Wants)へ】釣りの未来予想図
WEB連載:トモ清水のガッ釣りソルト第193回
ルアーニュースRの担当から連絡があり、そこで原稿の締切が過ぎたことに気が付いたトモ清水。
今慌てて原稿を書いています(汗)ごめんなさい、編集部の方々、ご迷惑をお掛けします<m(__)m>
そんな中、台風が近づいており、かなりの雨が関東でも降っている状況です。大きな被害が出ないことを祈るばかりです。
もう、台風がくる時期だっけ?という感じなのですが、季節は梅雨の6月。恐らくこの台風が過ぎた後、関東も梅雨入りするのではないかと思われます。
台風も梅雨も釣りにおいては重要なファクター。もちろん危険を犯しても嵐の中、大雨の中、釣りに行くのは論外ですが、台風の前後、雨が降った後など、釣り場の状況が変わり、釣果が大きく左右されるものです。
また非常に大きなエネルギーを持つ台風は、科学的にも海の中深くまで攪拌することが分かっています。海の中の生物にとって台風は1つの自然現象であり、生命を育む上で非常に重要なものなんですよね。
私たち釣り人にとって釣行計画を立てる上で、台風はとて気になる大きな要素。今年の上陸回数、規模、気になるところです。
ちょっと外房へロッドテスト
千葉外房へロッドテストへ。外房のスペシャリストのソルトマンから「イワシが接岸しているよ~」との情報通り、カタクチイワシが青物やウツボに追い掛けられて、浜に打ちあげられる状況。同時に鳥たちも騒がしくなり、一気に生命感が出て騒がしくなります。
浜に上がったイワシでさえも、ウツボが陸に這い上がり捕食するシーンも!
そんな中、ベイトフィネスのプラッギングで浅場を狙うと数投目でヒット!
上がってきたのは何と「メジナ」。プラグで釣れたのは初めての経験かも(笑)。
コッパグレと呼ばれるサイズですが、こういう予期せぬ釣果は嬉しいものです。
SNSでコメントをくれた方によると、この時期ゴロタ浜でシンペンなどのプラグでアベレージサイズ40cm前後が狙えるみたいです。
今回は偶然でしたが、季節限定といえどもちゃんと狙ってみる価値がありそうですね。
また一つ勉強になりました♪
このイワシの接岸で、青物、ショアレッド、ヒラメなどのイワシが入っているポイントでは釣果が上がっているようです。
そして、夕方カマス狙いに。
カマスはエラいもんで、外房のデイカマスは難しかった!
でも地元の釣人はバンバン掛けるし、流石としか言いようなし! ナイトは簡単なのにデイだとゲーム性が高く、改めて勉強になった一日。
自然が相手だし、状況も刻々と変化♪
それに合わせてジグヘッドの重さ、巻くスピード、ワームのシェイプ、カラーのローテ、レンジ変化。常にアジャストしていかなければならない展開。
そこまで必要?って甘くみていた自分が恥ずかしくなりました(笑)。何より皆さまがホント、アットホームで、守るべき素敵な釣り場でした!
そして漁から戻ってきた漁師さんも、獲れたカマス、持っていくか?ってめっちゃ感動するほど良い! さらに魚探で映る魚影の濃いポイントも丁寧に教えてくれたりと♪
47都道府県、全国全て釣りで行かさせて頂きましたけど、こういった地元の方々との触れ合いが、旅を良い思い出となる、より一層深めてくれるのは間違いありませんね。
自然に感謝はもちろん、人の温かさは身に染みます。とムツっ子も群れもいましたよ~♪
釣りの未来予想図
さてここからが本題ですが、今回は近い将来起こり得る、釣りの「逆転現象が起こるかも」というお話について。
バスフィッシングのシーンでは当たり前のように使用されているベイトキャスティングリール。しかしソルト、海になるとどうでしょうか。
オフショアの釣りでは、バスと同様、ベイトリールの使用率は高いですが、エギング、シーバス、ショアジギング、アジングやメバリングなどのライトゲームにおいても、まだまだベイトリールの使用率は低く、今でこそベイトリール愛好者は増えたものの、圧倒的にスピニングタックルが市場の大半を占めています。
ところがここにきて、ソルトシーンにおいてもスピニングタックルがベイトキャスティングリールにその王座を奪われる可能性が出てきたと感じているのです。
果てしないリールの進化
ビジネス的に話をするならば、今から約15年前、私が全国各地の釣具店へのプレゼンで、ソルトのシーンにおいて、「現在の99%のスピニング市場が、たとえ10%だけでもベイトキャスティングリールの市場を創出出来れば、新しい需要が生まれ、市場は必ず活性化します!」と、ソルトにおけるベイトタックルの可能性をずっと提案してきました。
他のメーカーさんや各メーカーのテスターさん達にも、ソルトのベイトタックルの普及、業界のためにも頑張りましょうよ!と提唱し続けてきました。
アブガルシアのタックルラインナップを見ても、ベイトキャスティングリール、そしてベイトキャスティングロッドが多いのですが、アブファンではなくとも、ピュラ・フィッシング・ジャパンさんはベイトタックルに力を入れている、というのはご存知の方が多いと思います。
アブガルシア公式「ベイトリール」の詳細ページはコチラ
ソルトのベイトフィネス
リールの進化、ロッドの進化によって、1gといったスピニングタックルでしか扱えなかった軽量なルアーでさえも、扱えるようになった現代。
それでもなお、リール、ロッドの軽量化は技術の進化で続いています。まだ進化の余地が十分にあるのです。
ソルトのルアーフィッシングにおいて、「スピニングタックルだけで十分だよ」という声が聞こえてきそうですが、確かにその通りだと思います。
しかし何年後か近い将来、「ベイトタックルだけで十分だよ」という声に変わる可能性だってあるかもしれない、と思わせるくらいベイトタックルの進化を最近はより感じるのです。リールもロッドもね。
外房のカマス釣行で、ベイトタックルでカマスを釣られていたご年配のアングラーが居たのですが、やはり何だか嬉しいですね。「思わず何でベイトタックルなんですか~?」って聞いちゃいました(笑)。
最近では少しずつですがソルトシーンにおいてもベイトタックルを使う方が増えてきましたね。
「ニーズ(Needs)」から「ウォンツ(Wants)」に
もう一つ、ソルトにおいてベイトタックルの普及率を高める要因として、時代の変化に伴い、釣り人の「ニーズ(Needs)」から「ウォンツ(Wants)」に変化してきている点も見逃せません。
これだけ市場が成熟してくると、「魚を釣る」という目的だけならば、安価なタックルでも十分に目的を達成出来ますし、それだけ巷はものに溢れかえっています。
その中で、「このルアーで釣りたい」「このタックルだと楽しそう」、そういった観点で道具を選ぶ傾向が強くなっている点。
わたくしトモ清水もそうですが、たとえその道具が不便でも、「楽しければOK♪」という、釣り本来の楽しみ方、遊び方、という原点に戻っている釣り人が増えています。
明らかに釣果だけを求めているアングラーだけでない、ということです。そういった点から見ても、ベイトタックルをソルトのシーンで使う釣り人が増えてくると予測しています。
釣りは「遊び」そして「自由」
現在では少数派のベイトタックル好きのアングラーに、その使う理由を聞いてみると「単純にベイト使っていると楽しいから」、そんな声が多く聞かれます。
そう、音楽もスポーツも釣りだって、最初は遊びから始まって、それが重なり文化となり、今があるわけで「遊び」という定義の一つは「自由」。誰が何と言おうが、本人が楽しければ、どんな道具を使っても、どんなスタイルでも、人と違っていても、釣りは自由なのです。
自然と魚に尊敬の念さえあれば、自由に好きなスタイルで、釣り人生がもっと輝けるものになるのです。
その人生がもっと輝ける一つの選択肢として、ベイトタックルの進化は大きな役割を持っているとわたくしトモ清水は確信しているのと、今回のお題である釣りの未来予想図を描いています。
アブガルシア、紛れもなく今のベイトキャスティングリールの基を築き上げてきたブランド。そのアブガルシアが今後、さらに進化したベイトキャスティングリールを開発してくると思いますし、期待しています!
もちろん、それを見越したロッド設計者としてのビジョンも明確に描いていますよ~水面下でバッチリ、新しいロッド開発を進めていますw
トモ清水でした!
See you next time!