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今江克隆のルアーニュースクラブR「新ジャンルプラグ!ありそうでなかった『フラットサイドシャッド』春の爆釣法を紹介」の巻 第1140回

連載:今江克隆のルアーニュースクラブR
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今年の桜前線は、東京では史上最速での開花だそう。

すでに大阪や神戸では20度を超える陽気も続き、今年の春は例年以上に早く来る予感がしている。

自分の記憶では過去にこのような陽気が続いた4月1日の野村ダム(愛媛県)では、すでにスポーニングベッドが多数確認されていることから、次の大潮前あたりはまさに春爆が期待できる可能性が高い。

そんな予想をしていた今週、兵庫県の野池にルアーテストに行っていた河野(正彦プロ)が、一足早く春爆を体験してきた。

今週は、その結果を踏まえて、「フラットサイドシャッド」の効果的な使い方について解説しよう。

35cmクラスから50cmUPまで入り乱れての春爆体験。平地の野池にはもう間違いなく春が来ている

フラットサイドプラグといえば……

まず、「フラットサイド」といえば、フラットサイドクランクが思い浮かぶが、今江的に日本の過密でスレきった小規模フィールドではアメリカンクランク的なフラットルアーより、弱めでタイトな動きが昔から効果的だと感じていた。

その代表格が基盤リップと共に大流行したフラットサイドベイト社の「ソニーB」や「リトルPT」だ。

自分自身もTOP50檜原湖戦では「ソニーB」でキッカーを仕留めて優勝した経験もあるフラットサイドクランクである。

このフラットサイドクランクの特徴が、クランクというよりはまさに日本のシャッド的なアクションであり、「弱いくせにやたら目立つヤツ」というのが、今江的印象である。

すなわち、バスを怯えさせない程度にナチュラルな波動でありながら、バスに発見されやすいシャッド=フラットサイドシャッドというカテゴリーである。

なぜ、アメリカンクランクのような強波動系より、日本ではシャッド系に明らかに軍配が上がることが多い理由として、今江的には日本のクリアな水質や日本特有の小さなベイトフィッシュの波動に、シャッドプラグの波動がより近いからではないかとも考えている。

アメリカに生息するの「シャッド」に比べ、日本のメインベイトであるワカサギやウグイ稚魚、特にバスと生息域が春~初夏に被りやすい小ギルやタナゴ、小ブナの波動に近いのがシャロークランクよりシャッドプラグの波動なのかもしれない。

フラットサイドプラグの課題、難題

今までイマカツで本格的なシャロー特化型のフラットサイドシャッドの製品化をずっと見送っていた理由は、ぶっちゃけ「ソニーB」、最も気に入っていた「リトルPT」が、強風での投げヅラさ、ヒラヒラゆえの飛距離の出なさが最大の原因だった。

日本の激浅いシャローで最も見かける(小ギル、タナゴ、小ブナ)に似たバスを怯えさせないサイズ感で、なおかつ強風でも真っすぐ爆飛びするフラットサイドプラグの開発は、なかなかシンプルに難題なのである。

そんな難題を解決するために「ゲキアサシャッド」誕生以来、そのパワーアップバージョンとしてサイズを上げるのではなく、投げ巻きの使用感は極力同じで「ナチュラルだが強力な集魚力を発揮するもう一つのシャッド」として開発したのが「ゲキアサフラット」である。

フラットサイドクランクではなく、フラットサイドシャッド。そのコンセプトは爆飛び、ナチュラルなのにハイアピール。実はギラギラトウィッチングがハマることがある

日本特有の新ジャンル!

「ゲキアサフラット」は、簡単にいえば、「フラットサイドクランク」のカテゴリーではなく、今までありそうでなかった「フラットサイドシャッド」という日本特有のニッチな新カテゴリーシャッドと今江的には位置付けている。

その「フラットサイドシャッド」の特徴が、「高すぎない体高」、「攪拌力とフラッシュを最大限発揮する明確なフラット面」を持ち、「小ギル、小ブナ、タナゴ」といった激浅レンジに最も多い弱々しいベイトの波動とサイズ感、そしてナチュラルなシルエットである。

人気抜群の「ゲキアサシャッド」と同じ激浅レンジ、逆風でも真っすぐ飛んで、同飛距離以上を実現した「ゲキアサフラット」は、一見、シンプル&スタンダードなルアーに見えるが、実は技術的もかなり難易度の高い課題をクリアした、今までありそうでなかったシャッドプラグである。

高すぎず低すぎないフラット面が「ゲキアサフラット」の特徴。小さくても強い水の攪拌力効果を発揮するフラットサイドシャッドだ。コンセプトは「真っすぐ飛んで、弱いのに目立つヤツ」

フラットサイドサイドシャッドがハマるパターン

この「ゲキアサフラット」が、今江的に他のスタンダードシャッド以上に明らかに活躍する狙い場&パターンが、今回、河野がまさに春爆を体験したパターンだ。

それは、特に春~初夏に特徴的な南の爆風、荒れたウィンディサイドでのボトムを搔(か)かない低速巻き、もしくは逆に高速巻きだ。

デップリ太った50cmUP。「ゲキアサフラット」でのウィンディサイド、ボトムを掻(か)かない表層直下巻きで喰い上げてきた

実はこの荒れた風下のウィンディサイドは、フラットサイドクランクが最も苦手としてきたスポットでもある。

それはアゲンストの風に対しフラット系ルアーが極めて投げにくいという最大の弱点があったからだ。

ゆえにこういった状況では特にスピナーベイトが使われるケースが多いのだが、春特有の当たってくるようなショートバイトに対するフッキング率や、水面直下を広範囲にサーチできる展開スピードではフラットサイドプラグがスピナーベイトに明らかに勝る。

フラット面が多いフラットサイドシャッドは、フラッシング効果がスピナーベイトのブレード並みに高い。夜光貝の輝きを最も活かせる形状でもある

こういった春の暖かい水が風で吹き寄せられる激浅シャローは、風による濁りの境界線(マッドライン)ができやすく、そこでは水中ではプレデター達の酒池肉林のフィーディング合戦が開催されることが多い。

そんなスポットでこそ、「弱いくせに目立つヤツ」が激アツな威力を発揮する。

爆風のウィンディサイドでも気にせずガンガン、激浅い護岸際でも真っすぐ正確に投げられるフラットサイドシャッド、それが「ゲキアサフラット」の最大の目的であり狙いなのである。

「ゲキアサフラット」で春爆!

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