【ベイトリール初心者 必見!】釣り具業界20年の大ベテラン!トモ清水が解説するベイトリールを完璧に使いこなす方法
WEB連載「トモ清水のガッ釣りソルト」184回
【ベイトリール初心者 必見!】釣り具業界20年の大ベテラン!トモ清水が解説するベイトリールを完璧に使いこなす方法
こんにちは、トモ清水です。
大寒波が襲う真冬真っ只中の日本。そんな中、横浜では3年振りとなるリアルフィッシングショーが開催され、さらに2月頭には大阪フィッシングショーも開催されます。そして新潟フィッシングショー、キープキャスト、西日本釣り博と続き、各地で本当に久しぶりとなるリアルなフィッシングショーが続きます。
わたくしトモ清水は、今回横浜のフィッシングショーには行けませんでしたが、このフィッシングショーの時期は毎年、外は極寒ですが会場の中は釣り人の熱気に溢れます。各社、新製品の発表が出揃い、私たち釣り人の期待、ワクワク感、そういったテンションが上がります。
進化したタックルが各社から発表されるわけですが、同じ釣り道具を開発する私としても、各社の並々ならぬ努力を肌で感じ、敬意を払うと同時に毎年良い刺激をもらえる時期です。
フィッシングショーの時期に思い出すのが、3年前の2020年のフィッシングショー。横浜と大阪ショーの合間に、日本の真裏、ガイアナ共和国に行っていた記憶がよみがえってきます。
の原稿を書いている、ちょうど3年前の2020年1月、僕達の冒険は始まっていました。何もかもが新鮮、ドキドキの連続だった。
Great Amazon
その時、その後の世界が大きく変わるとも知らずに…。
童心で夢中になった。
みんなで笑った。
みんなで感動した。
一人ボートから落水した。
いきなりピラニアに噛まれ出血した。
川を風呂代わりにした。
岩盤にみんなで寝そべって満天の星空をみながら語った。
まだまだ僕達の冒険は続いている。
やはり冒険というのはワクワクしますね。そんな記憶が原稿を書いていて思い出します。また海外遠征に必ず行こうと考えています。
さて、そんなアマゾンにも持って行って活躍したアブガルシアのベイトリール、今回のテーマ「ベイトリール」について、あらためて、その歴史、使い方、魅力など、分かり易く、解説していきたいと思います。
ベイトリールの歴史
ベイトリールが使用され始めたのは、その歴史は長く1650年ごろのイギリスから、と言われています。一方、日本では1940年ごろからベイトリールが使われていた、とされています。
当時日本では、アブガルシア製のものが輸入され使われていました。日本製のベイトリールの開発が本格的に始まったのは、それから30年後の1970年代に入ってからです。
よって釣り歴が長ければ長い釣り人ほど、アブガルシア製のベイトリールは「憧れ」そのものであり、子供だったころからの夢のプロダクトであったわけです。
そんな私も22年前、当時アブガルシアの日本代理販売していたマミヤ・オーピー社員時代に社販で、憧れのリール「AbuGarcia Ambassadeur」を購入しまくっていました。新卒の給料をほぼ釣り具、釣行費用に。
今考えると投資!?とも思えるほどアブガルシアのリールは資産価値が高くなっています。アブガルシアは、自分にとって永遠の憧れのブランド
AbuGarcia is forever
今の10代、20代の釣り人と会話する中で、Z世代と呼ばれる若者の間でもアンティークもの、レトロなものは逆に非常に人気が高まっているとの話を聞いて、とても感心深いと感じます。
ベイトリールの各パーツの名称
基本、カタカナ表記なのは、ベイトリールのルーツが海外製品だからです。ベイトリールを正式名称で言うと、「ベイトキャスティングリール」となります。
自分が小学生、ルアーフィッシングを始めた頃、このカタカナ表記がほんと難しく、覚えるのが大変でした。逆にそこがカッコよくもあり、楽しいところなんですけどね。
ベイトリールの使い方
まずベイトリールのイメージって、サミングしなきゃいけないし、なんだか難しそう、上手い人が使うリール、と思われがちです。
たしかに実際にサミングというバックラッシュを防ぐ動作をする必要がありますし、ブレーキ調整などマニュアルで設定しなければなりません。
おそらくそういった動作がより、はじめて使う方には高いハードルとなっているのだと思います。
ただし、現代のリールは安くても高くても、10年前と比べたら格段に進化しており、サミングなしでもブレーキ調整など設定が間違っていなければ、極めて簡単に扱えるのがベイトリールになります。
なぜなら「クラッチを切って投げる」、あとは「ハンドルを巻く」、この2つだけで基本、釣りが簡単に出来ます。
では、サミング方法、そのブレーキ調整や糸の巻き方など、セッティング方法について解説していきます。
サミング方法
サミングとは、リールからラインが勢いよく放出されていく時に、そのラインの放出量を調整する動作を指します。
投げた(キャスト)あと、リールを握っている手の親指を軽くスプールに触れることで、ラインの放出量を調整します。
でも、これって「軽く」というニュアンスが分かり辛いんですよね。実際に初めてベイトリールを使ってみる人にキャスト、サミング動作を説明したとしても、急に親指で強く押さえすぎちゃって、「ピッ」って急にルアーが失速しちゃうんですよね。
徐々に、軽く、リールのエッジを利用して親指の摩擦を使う、と言っても、やはり感覚に慣れていく必要があります。
でも大抵の場合、数回キャストを繰り返すと何となく出来てきますのでご安心を。
バックラッシュの防ぎ方と直し方
バックラッシュとは、ライントラブルのこと。
キャスト時に勢いよく回転したスプールによって、スプールの回転速度とライン放出量のギャップにより、余分にラインが放出されて、糸がもつれてクシャクシャになる現象になります。
その状態、特に症状が重い場合では、釣りが再開出来なく、そのバックラッシュを直す必要がでてきます。
バックラッシュを防ぐ方法として、まずはこの2つ
・サミング
・各ブレーキ調整
各ブレーキ調整の方法は次項で説明します。
こちらは言葉の説明より、この動画の方を見て頂く方が分かり易いので、こちらチェックしてみてください。
ベイトリールを使う以上、現代のリールでは必ず大小の症状あれ、バックラッシュが100%発生します。
バックラッシュは、初心者だけでなくプロでもバックラッシュは起こします。私もバックラッシュは頻繁に発生しています。よって、これまで何度も述べているのですが、バックラッシュが起きても恥ずかしがることは何1つありません。当たり前の現象として、付き合っていただければと思います。
しかし冒頭で述べた通り、糸を切らなければならないレベルの致命傷となるバックラッシュは、現代の進化したリールでは、ほぼ皆無となっていますのでご安心を。
ベイトリールのセッティング方法
ベイトリールには、ブレーキ調整、糸巻き量の調整など、しっかりとしたセッティング方法を行えば、バックラッシュのトラブルが防げるだけでなく、ルアーの飛距離も伸びるので、ここでは超基本のセッティング方法を解説していきます。
まずはブレーキの種類がリールによって何種類かあります。これだけでも、ややこしいですよね~。
・メカニカルブレーキ
・マグネットブレーキ
・遠心ブレーキ
リールによっては、基本のメカニカルブレーキだけだったり、この3つ全て装着したリールもあります。まずは、各ブレーキがキツめに掛かるセッティングから始めます。
現在ではメカニカルブレーキだけのベイトリールは、ベイトキャスティングリールではなく、バーチカルやトローリングで使用する両軸リール、またはコンベンショナルリールに分類されるのかもしれませんね。
ブレーキをマックスから始めてみよう
例えば、アブガルシアのマグネットブレーキ式のベイトリールでは、基本サイドプレートにマグネットブレーキの調整ダイヤルが写真のように装着されています。
MAXの位置に矢印のついたダイヤルを反時計回りでいっぱいまで回すと、1番ブレーキが掛かった状態になります。
まずはこの位置からスタートし、キャストが慣れてくれば時計回りに緩めていきます。
緩めれば緩めるほど、バックラッシュの発生率が高くなりますが、ルアーの飛距離が伸びてきます。
基本となるメカニカルブレーキに関しては、スプールが左右にカタカタ動かなくなるまで、締めていきます。
やはりこれも同じように、カタカタの緩い状態では、飛距離が出ますが、バックラッシュの発生率が高くなります。逆にキツく締めすぎると、飛距離が落ちるばかりか、フリーフォールでもルアーが落ちていきません。
先ほどと同じ動画で、こちらのセッティング方法についても言及しているので参考にして頂ければと思います。
この基本的なブレーキ調整を行えば、快適にベイトリールを使った釣りが楽しめます。
糸巻き量の調整
ベイトフィネスという軽いルアーを扱う場合の注意点としては、スプールに巻く糸巻き量が重要になります。
比重の軽いPEラインはスプールに巻けるだけ巻いてOK。ただし欲張って膨れ上がるほどはNG。
写真のようにスプールの面取り部分のちょっと下までPEラインを巻くのがベストです。
注意しなければならないのは、フロロカーボンラインやナイロンラインを巻く場合です。
こちらの場合は、スプールいっぱいまで巻くと、ラインの重量によってバックラッシュの発生率が高くなります。目安はベイトフィネスで多用するフロロカーボンライン8Lb前後の場合は50mまでとし、35m前後と少なくすればするほど、3gといった軽いリグを使った場合、バックラッシュの発生率が低くなり、仮にバックラッシュしても簡単に直せるメリットがあります。
ベイトリールのメンテナンス
ベイトリールを長く使ううえで、メンテナンスは必須となります。
とくに注意しなければならないのは、海水、つまり海で使用した後になります。
リールは精密機械ですので、使用後はしっかり真水で洗って、乾かして保管が基本となります。
・ロッドから取り外し、水で塩分、汚れを洗い落とす
・ドラグは緩めて保管がベター
・直射日光をさけ、陰干しの自然乾燥でしっかり乾かす
・乾いたらベアリング、シャフト等に付属のオイルを少し足してメンテ(必ずしも毎回の必要なし)
特に難しい項目は無いと思います。これが、自分で行えるセルフメンテナンスになります。
さらにリールを長く愛用して頂くため、年に1度のメーカーへのオーバーホールもオススメです。車でいうところの車検みたいなものです。プロのメンテナンスによって相棒のリールが復活します。
アブガルシア公式「製品アフターサービス」の詳細ページはコチラ
ベイトリールの魅力
最後に、ベイトリールが使えるようになるとスピニングとはまた違った色々なメリットが出てきますので、箇条書きしてみたいと思います。
・高感度。アタリが明確
・テンポよく釣りが出来る
・キャストが楽しい
・キャストアキュラシーが高い
・太いラインが使える
・太いラインでも飛距離が落ちにくい
・巻き上げトルクが高い
・単純にカッコイイ
・クラッチを切るだけのワンタッチで、次のキャスト、フォールがスムース
・大物が狙える、獲れる
・ビッグベイトのような重量級のルアー、リグにマッチする
さっと思いついただけでも数えきれないほどの魅力がベイトリールにはあります。特にアブガルシアのベイトリールをこよなく愛するわたくしトモ清水。
今年もアブガルシアのベイトリールの新製品が続々とリリースされます! 是非ともこちらの記事、アブガルシアのホームページをチェックして頂ければと思います!
ルアーニュースR「新製品総力特集2023 アブガルシア」ページはコチラ
アブガルシア公式ホームページはコチラ
是非、新たなベイトリールの魅力を発見して頂けたら幸いです。
最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
トモ清水でした!
See you next time!
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