独創的でこだわりの詰まったブレイズアイのルアーたち。
その始祖となったのが、エヴォルーツ120Fだという話を前回させていただきました。
今回は、エヴォルーツ120Fの系譜ながら、また違う役割を持つ「エヴォルーツ 120HFハイマニューバ」についてご紹介します。
エヴォルーツ120HF
ハイマニューバ
まずはスペック的な部分を簡単に述べておきたい。
全長:120mm
重量:20g
フック:トレブル#2
リング:#4
HFとはハイフロートを意味し、ハイマニューバとは高機動の意味。
プロト02がハイマニューバへ昇華
さて、始祖となったエヴォルーツ120Fも、当然幾度となくプロトが上がってはテストされて完成に至るわけです。
その中に、「プロト02」という名のルアーがあった。02とはファーストサンプルの後に工場から上がってきたというごくシンプルな理由で付けられた名。つまりは初期も初期のサンプルである。
このプロト02が、「エヴォルーツ120HF ハイマニューバ」になっていくのである。
このプロト02はとにかく食わせ性能が高かった。そもそもそういうサンプルとして作った経緯がある。というのも、さまざまな実釣データがほしかったために、あえて飛距離などを犠牲にし、魚がよくバイトすることだけに特化した仕様にしたからなんだそうだ。
実はエヴォルーツ120Fが始祖なのだが、その120Fのとてもよく釣れたサンプルに、ハイマニューバの原型があった。
食わせ性能の理由
では、何が食わせ力につながっているか。
ヒデはやしさんの言葉を借りるなら「シャロークランクのようなミノー」であることが、その実釣性能につながっている。
120Fが22gなのに対し、120HFハイマニューバは20g。簡単にいうならば軽量モデルだ。ゆえに、より低速で食わせのローリングアクションがしっかり出る。
また、浮力が高い。そのため、ボトムに当てながら使うクランクベイトのような使い方が可能。ボトムに当たった時に「根掛かりしそうだな…」と思ったら止めてみる。すると浮力を活かして浮き上がる。この動きがバイトトリガーとなることもあるし、そもそもゴロタ場を確実にトレースできるのも強みだ。
つまりは、例えば50cmしかないような場所で、水面直下を引くのは当たり前、ボトムもしっかり引いてこられる性能があるのです。正直ゴロタ場でボトム攻め…というのは、メンタル的にもちょっと怖い(笑)。
ところがハイマニューバなら、シャロー帯のゴロタというシチュエーションでも丁寧にえぐるように攻めることが可能。実はレンジも80~90cmほど潜るので、非常に重宝する。
また、これはリバーシーバスでのテトラ帯というシチュエーションでも同様。テトラ帯に大型が潜んでいそう…けどやっぱり攻め切るには怖い、そんな時にどうしてもシャローランナーしか引けないよな…というような選択肢になりがち。
そんな時こそ、ハイマニューバの出番だ!
潜らせて、テトラに当たったら止めて浮上、再び潜らせてジグザグに攻めながらランカーを狙うなんてアプローチも可能。
上から下まで丁寧に探れる
ただ、軽くしたことで飛距離は若干控えめだ。もともと飛距離よりも食わせ性能を求めたプロト02、だからこそその食わせ性能を持ちつつ、飛距離も求めた120F。そして再びプロト02が、食わせに特化した方向性を持って生まれたのがハイマニューバといえそうだ。
当然ボトムを叩きながら攻められるだけに、マゴチやヒラメといったフラットフィッシュにも効果絶大。ヒデはやしさんが得意とする宮崎のオオニベもそのひとつで、今でこそデイゲーム主体に楽しんでいるヒデさんだが、当時はナイトゲームも楽しんでいたそうだ。
そうしたナイトゲームで、飛距離はそこまで必要なく、手前のブレイクやゴロタ、岩礁帯を丁寧に攻めたいよね…という時にはこのハイマニューバはもってこい。
若干の飛距離を犠牲にしながら、それを補って余りある食わせ能力を持つボトムまでスローに攻められるハイフロート、それがハイマニューバだ。