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【知る人ぞ知る冬の荒喰いシーズンが始まる】タイラバエキスパート“田中亜衣”が解説!極寒期から乗っ込みシーズンにかけての「マダイ行動パターン」

連載:ジャッカルソルト
寄稿:田中 亜衣
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皆さんこんにちは! 田中亜衣です。

新年あけましておめでとうございます。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。初釣りはお済みになりましたか? 私のホームである紀北エリアでは、年末の1カ月の間に表面水温が5.5℃も下がり、只今の水温は13℃前後になっています。毎年ですが、2月下旬ごろが最低水温のピークとなり、約9.0℃まで下がっていきます。

ただ、ここから先は年末のような急激な水温低下はありませんが、それでも適水温を下回っているので、イージーな展開の日は少ないものの、急激な水温の低下さえなければ爆釣することもあり、知る人ぞ知る「冬の荒喰い」を経験できるのも、これからの時期の醍醐味なんですよ。ということで、今回は水温が低下して極寒期から春に産卵を迎える準備(ノッコミ)をする3月上旬までのマダイの行動について解説していきます。

田中 亜衣(Ai Tanaka) プロフィール

ジャッカルSALTプロスタッフ。タイラバのエキスパートとして知られるアングラーで、どんな状況にも対応する柔軟なタイラバスタイルを確立している。 物腰の柔らかいトークと雰囲気とは裏腹な、完全な理論派アングラー。 また2021年春から、遊漁船「FxF KIX”(エフバイエフ キックス)」をスタート! キャプテンとして大阪湾南部から和歌山エリアの様々な釣り・スタイルを案内してくれている!

低水温期と消化不良

寒い季節になり、水温が下がると変温動物であるマダイは代謝機能が低下してくるため、捕食スイッチも鈍くなってきます。そのため適水温期と比べるとエサの量や種類なども若干変わっていく傾向にあります。紀北エリアでも産卵後から秋まではイワシをはじめエビやゴカイ類、ときにはタコやイカなどの大型のエサまで捕食していたマダイたちも、冬になるとシラスやオキアミといったマイクロベイトを主体に海藻などを捕食して内臓をメンテナンスしながら暮らしています。

特に大型のマダイは海藻の代わりに時々クラゲを捕食して内臓をメンテナンスしていて、釣り上げてみると大量のクラゲ(透明なゼリーのような破片)を吐き出すこともしばしばみられます。

冬の荒喰い

このように冬独特の採餌行動をとるマダイ達も、天候や潮流で水温が上がると荒喰いすることがあります。紀北エリアでは上り潮がくると太平洋側からの潮が大阪湾に入ってくるため、水温が多少上り一時的に活性が上がることがあり、そんなタイミングがチャンスだと思います。荒喰いをする時は、冬に関わらず暖かい時期でもあることですが、他の時期と比べてチャリコが採餌行動を起こしにくいためにアベレージサイズもグンとアップし、2月に入ると春のノッコミに向かって大型のマダイから順番に移動をはじめ、産卵に向けてエネルギーを溜めていくため、採餌行動も多くなりBIG REDを狙うには最も良い季節でしょう。

冬のタイラバゲーム

結論から言いますと、冬だからといって基本的にはいつものタイラバゲームとそう違わないです。ただ、いつもより少し繊細なアジャストが必要になります。まず、リーダーは細くした方がアタリが増える気がします。普段はフロロカーボンラインの2.5〜3号を使っていますが、この時期は2〜2.5号を2ヒロとやや長めのセッティングにしています。視認性なのかナチュラルな動きになるのか分かりませんが、アタリの数は多くなるように感じます。これには決定的な証拠はありませんが、長くやっていて体感したセッティングです。

コンパクトシルエットのネクタイ選びを

次はネクタイ。

ネクタイはコンパクトなシルエットが基本になります。「ビンビンスイッチT+ネクタイ マイクロカーリー ワイド/スリム」が冬にオススメなネクタイ。ワイドとスリムがあり、私は波動違いでこれらを使い分けています。

ジャッカル公式「ビンビンスイッチT+ネクタイ マイクロカーリー ワイド/スリム」詳細ページはこちら

スリムに比べてワイドは波動が強いタイプで、私の良く使う組み合わせは以下の通り。

ワイド2枚>ワイドとスリム>ワイド1枚>スリム2枚>スリム1枚

波動の強い順に並べるとこんな感じ。他の季節と違い、正解のパターンが狭い時期なので、チョットした波動の違いが釣果を大きく分けます。これらの組み合わせの中で、どれが良くアタるか? はたまたどの組み合わせがアタリが強く出るかに注意しながら、ネクタイをアジャストしていき、マダイを追い込んでいくと良いでしょう。

巻きスピードも重要

最後は巻きスピードについて。

巻きスピードも重要になってくるのがこの季節。春や秋の適水温時に比べ、全体的に同じコンディションになるため、一度パターンを見つけると他の季節より再現性のあるゲーム展開になることが多いのもこの季節ならではの魅力。ただ、他の季節に比べて、正解のスピード幅が狭いため、巻きスピードをシッカリ意識して誘うことが肝心です。基本的には少しスローに巻くのですが、採餌行動をとってないタイミングも多いこの季節では、リアクションでバイトさせていく面からも速いリーリングも有効です。

こちらも同様、色んなスピードを試しながらアタリの数や強さで判断していくと良いでしょう。

冬はアタリを出すのが難しい分、いったんパターンを見つけると沢山釣ることができる季節。ご自身の引き出しを駆使して「冬の荒喰い」を体感してみてはいかがですか。外は寒い季節、爆釣して心も身体もあったかくなってください。

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