シーバスアングラーであり、その独自の理論をもとに、アカメやオオニベといったモンスターハンターでもある〝ヒデはやし〟こと、林秀憲さん。
そのヒデはやしさんが代表を務めるのが「BLAZEYE(ブレイズアイ)」。
少し前に、その「ブレイズアイ」ルアーの最新作といえる「エヴォルーツ99DS」と「レヴォルーク99MS」についてご紹介しました。
新作を早くご紹介したい(笑)、そんなわけでピックアップしたのではありますが、独特の形状やフックやリングの強度の高さなど、すべてはブレイズアイ第一弾ルアー「エヴォルーツ120F」があったからこそ。
ちなみに、だ。どれだけのルアーパワーなのか。実際にヒデはやしさんがキャッチしたモンスターを見て頂きたい。
そこで今回はブレイズアイの始祖といえる「エヴォルーツ120F」を改めてご紹介します。
エヴォルーツ120F
エヴォルーツ120Fはブレイズアイの原点にして、ヒデイズムをこれでもかと感じさせてくれるミノー。
サイズ | ウエイト | フック | リング | レンジ | 税込価格 |
120mm | 22g | #2 | #4 | 80~90cm | 2,420円 |
ヒデはやしさんは語る。
エヴォルーツ120Fが生まれようとしている当時、自身の活動範囲は非常に広くなっていました。北は北海道から南は沖縄まで、さぁイトウだ、高知ではアカメだ、宮崎ではオオニベ…沖縄ではマングローブジャックなどなど、とにかく現場に赴いて色々と得るものがありました。
そうした経緯があって、やはり魚のインパクトもあるので、もしかすると「ヒデはやし=怪魚の人」。そんなイメージがあるかもしれません(笑)。けれど、それはあくまで後からついてきたものというか…。
自分としては、あくまでシーバスマンと思っています。それこそシーバスタックルの延長でアカメを狙うスタイルは昔からやってきていましたし、根本的な自身のスタイルが変わったとは思っていないんですよね。ただ、得てきた知識・経験をもとに対象となる魚が広がった。そうした流れがあります。
そして自身の原点、初心者だった頃を考えると、やっぱり「リップ付きのミノーって、こんなにブリブリ泳ぐんだなぁ」なんて感じた新鮮な気持ちは今もあって。だからある種のノスタルジーですよね(笑)。第一弾としてミノーを選び「エヴォルーツ120F」が生まれたのは。
あくまで原点はシーバスマンだというヒデはやしさん。だからミノー。ただし、それはヒデイズムをとことん注入しての作品となる。
背中の盛り上がり「ハンプバック」形状
デザインは有機的。ヒデはやしさん曰く「もし自然界に〝ルアーっていう生き物〟がいるとしたら、こんな感じなのかなぁ、なんて思ったことを表現してみたというか」。
なだらかに描くカーブ、曲線美、そこにはそんな理由がある。もちろんそれが実釣性能につながるからこそ意味があるのですが…。
通常のミノーは、水平に泳がせようとした時に基本的にリップで水を受けてそれを担う。しかしエヴォルーツ120Fは、背中でも水を受ける。
このハンプバック形状でボディを揺らし、ワイドロールアクションを発生。テールはタイトウォブリングアクションでランカーにも見切られにくくバイトに持ち込む。
それだけではない。万が一リップが破損したら…。実はそこからがオイシイのがエヴォルーツ120F。
実際に現場でミノーを投入していると、時にリップが折れてしまうことがある。せっかくのミノーがタダのプラスチックの棒に…ということはあるある。けれど、背中で水を受けるエヴォルーツ120Fはリップがもし折れてしまっても、また違うアクションが出せる…というのが面白いところ。
愛用者の中にはあえてリップレスモードにする方や、リップを削ってアクションを調整する方もいるんだとか。
ちなみにリップを切って使った場合、揺らぐ。揺らぎながら泳ぐ。I字ではないけれどスラロームでもない、揺らぎながら手前にくるような、そんな動きになるという。
リップがなくなってからが真骨頂!?
エヴォルーツ120Fはリップが折れてからが真骨頂という方も多いそうで(笑)、例えば清流スズキなど流れが速い所においては流れによって潜り過ぎず、ユラユラとアクション。これがバイトトリガーになることも非常に多いそうだ。
また、面白いのがこのリップレスモードでの速巻き。リップが折れたら浮いてしまうのでは?と思いがちだが、前述の通りエヴォルーツ120Fは背中でも水を受ける。だから、リップレスモードで速巻きすると、やや前傾姿勢となり、フローティングバイブのような細かなフラッシングと微波動を出す。
スローでユラユラ、ファストでフローティングバイブのアクションを出せる二面性を持つのです。
そして、実際に現場で投入するとしよう。多くのアングラーが並ぶ中で、ミノーなんだけれど一般的なミノーではないアクションが出せる。ゆえに釣れる。
少しでもキャッチ率を上げるためのHIDEイズム
続いて背中同様に気になるのがベリー部分のへこみ。このへこみ始める前方にフックがある。このメリットは、フックの遊動幅が広くなること。
例えばアカメなど吸い込んでパッと吐き出すような魚に対し、少しでも深いバイトに持ち込むための工夫が施されているのだ。アカメやオオニベなど、勝負はワンチャンといった魚に対しての確率を少しでも上げる「ヒデはやしらしさ」を感じる仕様。
ちなみにこのラウンドベリーは、ルアーが暴れてもロール方向にアクションを収束させていく役割も果たす。
そしてそのフックだが、2フックでデカい。12cmクラスのミノーでは3フック採用も多いと感じるが、前述したようにシーバスはもちろん怪魚クラスにも対応させるためで、掛かったらバラさない強めのフック設定となっている。
さらに驚くべきは#1までフックを背負えるという強み(標準搭載は#2、適応フックとしては#1~#3)。マルスズキはもちろん、ヒラスズキ、さらなる大型魚までも想定した設定となっています。
例えば激流ポイントで下には障害物がある状況、「掛かるんだけど取れない」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。そうした時に躊躇なく強引に引っ張り出せるというか、そうしたフックセッティングも可能で拡張性が高い。
見た目からして独特、そしてそのギミックもヒデはやしらしさを感じるエヴォルーツ120F。そのシルエットやフックやリングのタフさは、この後に続くブレイズアイの礎となった。
さて、そんな始祖「エヴォルーツ120F」だが、当然いくつものプロトタイプがテストされてきたのです。
カタチとして第一弾ルアーとなった「エヴォルーツ120F」ですが、そのサンプルの中に、実は異様に釣れたモノがあった。そしてそれが「エヴォルーツ120HF ハイマニューバ」として生まれることとなる。
エヴォルーツ120HF ハイマニューバについては、また改めてご紹介しますのでお楽しみに!