今江克隆のルアーニュースクラブR「三代目スーパースタリオン『GT3RS』公開!世界的超人気ロッドが『M40X』 投入で最強アップデート」の巻 第1125回
先週は、2023年第一弾リリースとなる予定のバスロッド、「WAR GAZELLE(ウォーガゼル)63MHR-TG40」と「M40X」ナノアロイ・カーボンについて解説したが、今週は「エバーグリーン」の名竿として世界的に最も認知され、現在も国内外を問わず高い人気と評価を維持している「カレイド」のフラッグシップモデルともいえる「スーパースタリオン」の最新機種について紹介しよう。
初代「スーパースタリオン」
「スーパースタリオン」は、2008年に業界初の4軸カーボン全身搭載モデルとして開発され、2009年早春のメキシコのレイク・バカラックで数えきれない60cmオーバーとの実戦テストを経て市場デビューしたロッドである。
4軸カーボン全身武装、メガホンハイテーパー、初登場以来「カレイド」シリーズの中でも他機種とは一線を画す独特のダブルハンドストレートグリップを一貫して2022年現在まで継承している投げ感MH、掛け感Hクラスの極めて個性的なロッドである。
その最大の個性は、「カレイド」随一の太さを誇るハイテーパーバットに、全身4軸補強されたメガホンのように急激にテーパーが細くなるファーストアクションベリー~ティップセクションを持ち、7フィートオーバーとは思えない片手でも振り切れる軽量性と、アコースティックのような内部空間の共鳴高感度にある。
そのバットの太さゆえに、大型バスを相手にした時の心理的安心感は高いが、同時に後方バランスとなるためヘビー級とは思えないクリスピーで軽快な操作感があり、それゆえに使えるルアーの幅が極めて広いのも特徴である。
基本的に開発コンセプトは、同じメキシコ発祥のシンキングスイムベイト「バクラトスイマー」や「ジャバロン」、大型スイムジグ等を使うために開発されたスイムジグ、スイムベイト系のソフト系巻きモノロッドである。
大型シングルフックやオフセットフックが主流のソフト系スイムベイトは、ハード系ビッグベイトとは違い、「遠投する」、「操作し感じる」、「遠方で積極的に掛ける」ことにロッドの性能を特化することが必要となる。
「スーパースタリオン」は、操作能力と感度、アグレッシブなフッキング能力を最大限に高めた、ロッドを縦にも横にもさばけるヘビー級のシングルフックルアー巻きモノロッドと思ってもらえば、理解しやすいと思う。
バットが太いファーストテーパーでエンド重心のため、縦さばきや繊細なロッドワーク時の軽快感は別格で、ゆえにラバージグやテキサスリグなどのカバー撃ちにも優れた適性を発揮するロッドでもある。
二代目「スーパースタリオン」
2009年、初代「スーパースタリオン」のメキシコデビュー以来、2018年に4軸全身武装に加え「T1100G」をメインシャフトに投入することで、さらなる強化を果たした二代目「スーパースタリオンGT2RS」としてアップデートされた。(注:初代はガイド変更でインスピラーレ版も存存在するが、「T1100G」投入を機にフルアップデートされたことで正式に二代目としています。)
この二代目「GT2RS」は、ナゼか世界的人気ロッドとなり、現在に至るまで日本市場よりも海外市場への輸出数が莫大なものとなった。
さらには海外ではそっくりなニセモノが出回る騒ぎとなり、エバーグリーンは偽造防止のため「透かし絵」のような本物証明マークをバット裏に入れるまでの騒ぎになった。
「GT2RS」に端を発した「カレイド」の海外人気により、現在の日本では考えられない数量のバックオーダーをまだ数年先まで抱えており、「カレイドイン・スピラーレ」のブランドネームは、今後も変更されることはもうないと思われる……。
そして2023年、「スーパースタリオン」は「GT3RS」として3度目のアップデート施すことを奇しくも先の「バサーオールスタークラシック」で決めることになった。
「バサーオールスタークラシック」出場の折、たまたま練習時からテスト的に使っていたのが「WAR GAZELLE」に投入した「M40X」を現行の「GT2RS」にコンバートしたテスト機種だったのである。
三代目「スーパースタリオン」が完成間近!