今江克隆のルアーニュースクラブR「一番大切なことは??復刻記念!『ジャバロン』の使い方、セッティングのキモを紹介」の巻 第1122回
「バサーオールスタークラシック(バサクラ)」の余韻が残る今週は、バサクラの動画配信以来、何かとよく質問された「ジャバロン」について、まとめてココで回答してみようと思う。
「ジャバロン」の歴史と現在地
まず「ジャバロン」はイマカツ創設1年目に開発した「多関節スナッグレススイムワーム」で、実に発売から20年近い歳月を経たイマカツを代表するワームである。
途中、より「スイムベイト」の水押し能力を高めたリバースリップ搭載の「ジャバロンNEO」をリリースしたが、これはキテレツな見かけに馴染めなかったのか不人気で、在庫がなくなった一昨年廃盤になっている。
ところが、イマカツのルアーたちはナゼか発売からかなりの年月がたった頃に人気が再燃し、問合せが増えてくる復活ブームがよく起きる。
ここ数年、七色ダムや池原ダムなどのコアなリザーバーアングラーを中心に、「オリジナルのジャバロン」を復活させてほしい……という声が、多数届いていた。
実は、本当に驚くような偶然なのだが、今回バサクラで使った「ジャバロン140」は、実は復刻生産を予定していたモノで、再試作したサンプルの1色(旧称:ナチュラルプロブルー)だったのである。
それも、桧原湖から手ブラで飛行機で帰宅し、2日後に霞ヶ浦に出発のためタクシーが迎えにきて、出ようとしたその刹那、たまたま机の横に置いてあった「復刻ジャバロン」が入った小さなサンプル紙箱が目につき、何か気になってスーツケースにポイッと放り込んで持っていったモノだった。
そのスイムテストがてらに投げた「ジャバロン140」に、まさか霞ヶ浦のデカバスが狂喜するとは、「バス釣りルアーの気付き」とは本当に偶然との出会いからしか生まれないものなのかもしれない……と、実感させられた。
なんか、あまりに復刻発売のタイミングとドンピシャだったので、プロモーションで無理やり釣ったのかと思われそうだが、プロモーション狙いで釣れるほどバサクラも、オールスターも甘くはない。
ある面では、バサクラ全員がライブ配信されたら、高額な契約金を貰いながら背に腹は代えられず、スポンサー以外の競合メーカーのルアーを使う残念な「プロ」もかなり多いのが現実だ。
自分は選手でもあり、スポンサーメーカーでもあるので、毎度複雑な心境になる。
だが今回のバサクラで「ジャバロン」を9割使っていたのは、ルアーのプロモーションなどではなく、それが間違いなく最強だと信じられたからに他ならない。
「ジャバロン」の使い方で一番大切なこと
さて、今回多くの方に聞かれた「ジャバロン」の霞水系での使い方だが、一番大切にしていたことは人間が意図して出す動きではなく、自然発生するナチュラルな動きと水に馴染むフォール感である。
1本目が練習で釣れてからいろいろ試したのだが、結論的にはシャッドテールやジョイントビッグベイトのように「規則正しくキレイに泳ぐ」より、ほとんど泳いでいるのか漂っているのか分からないほどの、微妙なスローで不安定なスイミングで、何か(特に縦ストラクチャー)に接触した時にヒラを打つようにウネるタイミングで喰ってくることが分かった。
ジャバロンの基本セッティングとキモ
水深が浅い霞ヶ浦水系なので、最初の基本セッティングは、写真のネイルリグセッティングだった。
練習途中、バサクラではエコルールがないので、ウェイテッドフックも試したが、「イヨケンフック(ハイパートルネードウェイテッド)」が最高の相性で、人間側から見るうえでは「ジャバロン」を最も活き活きと、キレイに泳がせてくれるフックだった。
だが、ナゼか霞ヶ浦水系ではバイトが逆に減ってしまう傾向があり、元のセッティングに変えたらまた釣れだすという、人間側の良し悪しより「その場のバスに聞かなきゃ真実は分からない」ことを痛感した。
「イヨケンフック」のウェイトが1.8gで霞ヶ浦には重すぎることもあるが、リザーバーだと逆にもっと重いウェイテッドフックが非常に有効だと思う。
「ジャバロン」をリアルスイムベイトとして使うなら「イヨケンフック」がベストバランスだと思う。ただ……この手のフック、エコ仕様が、どこのメーカーにもなく、TOP50で使えないことが非常に残念だ。
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