大阪湾でブレードジギングが成立する。
…とは、先日お伝えしたとおり。
シャウト!小野さんへの取材当日も船中7~8本のサワラが出て、大阪湾の堅調さが窺い知れる内容。
さて、ここからはもう少し“釣り”の部分を深堀り。大阪湾サワラの釣り方、また大阪湾以外のエリアとの違いなど小野さんに伺ってきました。
投げて巻くだけ
まず先の記事でもお伝えしているように、そこにいるサワラにあの手、この手でこちらが合わせる…というよりは、選んで釣ることができるサワラを探して狙いに行くのがブレードジギングの根本としてある。
つまり、基本的な釣り方は全国どこでも同じ。この辺りは“タイラバ”を例に見ても同じでしょうか。ブレードジグを投げて早く巻く。基本はそれで十分なのです。
小野流“早巻きの極意”
基本動作は早く巻くだけ。なんだカンタンじゃないか、と侮るなかれ。いわく、ここに釣果に差が出るキモがあるそうな。
一番のポイントは、「とにかくジグを暴れさせず一直線に棒引きする」ということ。
先の記事でもお伝えしている通り、青物より泳ぎが速いサワラですが、一方でその体の構造上、急な方向転換が苦手な魚でもある。そのため、ジグにアクションが加わるとバイトミスが起きるという。
小野さんによれば、ハマチなどの青物は遊泳スピードこそサワラに劣るものの、急な方向転換が可能。だからジャークで横方向に跳ばしたジグにも果敢にアタックしてくる。つまりブレードジグにジャークアクションが加わるとサワラではなく青物のヒットも増えてしまう訳です。
また、ここで行う動作は早巻きです。力を込めてグリグリ巻き上げていくと、どうしてもティップがブレる。特にここに注意が必要で、釣果にハマチが混ざったり、当たるけど乗らないような人はティップがブレて意図せずジグにアクションが加わっている可能性が高いという。
極力ロッドは動かさず固定してリールだけを高速で巻く。これが1つ目の早巻きの極意。
2つ目のポイントはリールを巻くスピード。
よく、煙が出るほど早く巻け…なんて言いますが、もちろんそれでも釣れる。いわく、リールを巻くスピードは“アピールの強弱”のようなもので、その日のサワラの活性によって合わせる必要がある。全開巻きが効くこともあれば、全開巻きとは言えないレベルの早巻きで食うこともあると。
実際、取材当日は1秒間に5~6回ほどの巻きスピードが当たり。十分早巻きではありますが、全開巻きというほどのスピードでもない。
同じスピードで延々巻き続けることなんて、人間である以上もちろん不可能。釣りをしていて、サワラが当たったときの巻きスピードをしっかり覚えて再現するというイメージで、いろんなスピードを試すのが◎。
小野流早巻きの極意、3つ目は巻いている時のロッドとラインの角度。
ロッド→ラインが一直線ではダメで、また角度がつきすぎているのもよろしくない。上記の写真のように一直線(180°)~直角(90°)の間、ちょうど135°程度の角度がつくように構えて巻くことが重要という。
その理由は、「バイトがあったタイミングで巻き続けながらしっかりアワせることができる」から。
ブレードジギングで早巻きしていると“ガツン”とひったくられるようにバイトすることが多い。ジグの早さを上回るスピードで一直線上にバイトしてくることから、コンパクトなジグは勢いそのままに飲まれることが多いと言う。
このタイミングで巻き続けながら力強くアワせを入れることで、一度飲まれても口の外にフックが出てきて、カンヌキなどの良い位置にしっかりフッキングする。つまり、ラインブレイクの防止やバラすことの抑制にも繋がる。ちなみに、シングルフックがベストだ考えているのもこれが理由で、トリプルフックは飲まれた時に口の奥でフッキングしてしまう確立が高くなり、結果ブレイクすることになる。
そう、だからこそ、ロッドでバイトの衝撃を吸収できるだけの角度はキープしつつ、それでいてしっかりアワせられる角度、135°が理想的。