イナッコパターン開幕
うだるような暑さの8月上旬から、利根川では上げ潮と下げ潮のタイミングでイナッコ(ボラの稚魚)の群れが川を移動するのに合わせ、シーバスが捕食活動を始める。
潮が動かない時間帯は漁港やワンドの中で静かに群れているのだが、たまにシーバスに追われボイルが発生する。
※漁港内は釣り禁止のためイナッコの群れが入っているか確認だけにしておこう
RED中村に密着
イナッコの群れにボイルするシーバスを狙う。〝目の前のシーバスを確認できる〟という事実は、ヒット率はもちろん、モチベーションも高めてくれるのである。
今回は夕マヅメの上げ潮と、朝マヅメの下げ潮のタイミングで釣行したレッド中村に密着した。
釣りのスタイルは護岸からキャストするおかっぱりスタイル。足元はスニーカーで問題ない。もちろん安全のためライフジャケットは必着。ランディングは柄の長いタモ網があると便利だ。
潮が上げはじめ水量が増えてくるとイナッコの群れがどこからともなく現れ、岸際から30mほどと釣り人の間近まで、辺り一帯イナッコの群れが回遊し、シーバスのボイルが始まる。
「ボコッ!」
足元でのボイル音とともに、一瞬その姿を見せるシーバス。こちらも興奮してしまう光景である。
釣り方とラインセレクト
釣り方とラインセレクトについてレッドに聞いてみた。
「上流方向へルアーをキャストし、流れに乗せながらスローリトリーブします。ロッドは立て気味にして水面直下をルアーが泳ぐように操作するのが基本スタイルです」
つまりは水面近くを逃げ回るイナッコの泳層に合わせて、ルアーを泳がせることがキー。
「ラインはROOTS PEx8ライトグリーンの1.2号にROOTS FCリーダー 20lb」
広範囲を探るには飛距離が出る1号を推すが、80cmオーバーの大物が出ることもよくあるので1.2号を選んでいる。
PEの先のリーダーには20lb(5号)をFGノットで結束。この太さ、ルアーが持つ動き(アクション)を引き出しつつも、大物がヒットしても耐えられるであろう強度とのバランスを考えてのこと。
ROOTS FCリーダーの特徴は、根掛かりやファイトでラインが伸びても元に戻る復元力が高いので、耐久性が高く長持ちする。
それに50m巻だからたっぷり使えて、コストパフォーマンスが高い。アングラーには十分満足いただけるリーダーである。
ルアーはイナッコのサイズに合わせ8センチ前後のミノーやバイブレーションが主体となる。
銀ピカ、きたる
ルアーにイナッコが引っかかってきた。ルアーとほぼ同サイズ。
しかし、イナッコが多すぎてルアーに気づかないのかヒットがない。
この日は潮位の変化が小さく、イナッコの回遊も30分ほどで消えてしまい数回のバイトのみ。
川に静寂が戻り、上げ潮狙いの釣行は終了となった。明朝の下げ潮に期待する。
翌朝3時より昨夜と同じポイントで釣り開始。
下げ潮で水が引き始め、漁港やワンド内の水が利根川本流へと流出し始めると同時にイナッコたちも本流へ移動する。
そして、待っていたボイルタイムがスタート。あたり一面イナッコだらけである。
シーバスに追われ水面から飛び出し、跳ね上がる。
「アタるけど乗らない~!」
何度かレッドから聞こえてくる。それだけアタるなら必ずや…と思った刹那。
ついに待望のヒット!
ファイトを楽しみ、慎重にタモ網に入れる。銀ピカの綺麗なシーバスを釣り上げた。
今回は、潮の動く時間が短かったため、イナッコの群れが1時間もしないうちに消えてしまった。
大潮の時は長時間にわたり大きく潮が動くので、時合も長く続くことが多いとのこと。
今回の釣行で見たボイルでも十分興奮するが「大潮の時はこんなものではないですよ!今日のボイルはその時の20%くらいです」
だとしたら大潮の時はかなりヤバい(笑)。ボイル祭りである。数釣りは大潮がチャンスである。
利根川のおかっぱりシーバスは足場が良く釣りがしやすいフィールドである。
しかし、夜の釣りになるので近隣住民の方の迷惑にならないよう、安全とともに十分配慮して釣行しよう。そうしたら気軽にシーバスフィッシングが楽しめる釣行となるだろう。
それと、鹿嶋周辺はラーメン屋も多く、これも楽しみのひとつである。
文:ゴーセンスタッフ 杉浦
ロッド: Foojin’RS SKY HIGH 99M(アピア)
リール:イグジストLT5000-CXH(ダイワ)
ライン:ROOTS PEx8 ライトグリーン200m 1.2号(ゴーセン)
リーダー:ROOTS FCリーダー 20lb(ゴーセン)
ヒットルアー:フリルドスイマー(ポジドライブガレージ)