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【強いポイントに弱いアプローチ】考案者「三浦一真」による「パワースウェイ5inch」の開発秘話と正しい使用方法について

寄稿:三浦 一真
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夏のバス釣り特集

皆さんこんにちは。三浦一真です。

梅雨も明けて気温も水温も増々上昇。夏らしい釣りが展開できる季節になってきましたが、そんなタイミングでバークレイからも、NEWアイテムがリリースとなります。それはpower baitシリーズから発売となる「power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)。こちらは私が考案させてもらったワームで、初期サンプルから完成まで広く携わらせていただくことができました。そこで今回は、この場をお借りして「どのような目的を持って」、また「どのようにして生まれたのか」について、詳しくお話させていただこうと思います。

三浦一真(Miura Kazuma) プロフィール

地元和歌山を知り尽くし、野池をはじめ紀の川などでも日々バスとの出会いを楽しむロコアングラー。 陸っぱりからボートまで様々な角度からフィールドの状況に合わせた攻め方を巧みに使い分ける。 実は普段は美容師さん。ご自分のお店「azito.hairmake」で日々おしゃれさんを生みだしている。 ピュア・フィッシング・ジャパン フィールドスタッフ。1981 年1月生まれ。

開発秘話

2019年の冬頃。バークレイの開発チームから、power baitシリーズのソフトルアーをプロデュースして欲しいという連絡が。ジャンルやシェイプは問わないということでしたので、個人的にこの当時やり込んでいた「強いポイントに弱いアプローチ」ができるものを作りたいと思い、「power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)の開発をスタートさせました。

power sway 5inch(パワースウェイ5inch)【2022年7月中旬登場】

カラー 入り数 メーカー希望本体価格(税抜)
6色 5 ¥980

バークレイ公式「power sway 5inch」詳細ページはこちら

強いポイントに弱いアプローチとは?

前途した「強いポイントに弱いアプローチ」とはどういうことなのか? 当時、僕がやっていたのは一般的にラバージグやテキサスリグ、高比重ノーシンカーなどをアプローチしたくなるような、レイダウンなどをはじめとするストラクチャーに対し、「マックスセント ヒットワーム4.5inch」にオフセットフックをセットし、PEラインセッティングのスピニングタックルでキャスト。一切ラインテンションをかけずにフリーフォール、バイトがなければ回収というアプローチ。

開発スタート以前のマックスセント ヒットワーム4.5inchでの釣果

自発的にクネクネとアクション。強く水を動かすわけではありませんが、カバー奥に潜むバスに対してアピールが足りていないようにも捉えられるこの釣り方が、フィールド問わず爆発的な釣果をもたらしたのです。

ポジティブから生まれたネガティブ

アプローチの1つとして十分すぎるパワーを持っていた釣り方でしたが、やり込むうちに生まれたストレスもありました。それが以下の3点になります。

・自重が軽いために飛距離が足りない

・強風や強いカレントの中での操作感

・フリーフォール後のノーアクション

power sway 5inchの1stサンプル写真

power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)を開発するにあたって「強いポイントに弱いアプローチ」というコンセプトは一切妥協せず、このあたりのストレスを完全に解消した高次元なルアーに昇華させる必要があったのです。絶対条件として開発当初から貫き通したのは「水平姿勢での圧倒的なスローフォール」、「フォール速度に反して左右に揺れ動くテール」、「単なるフォールベイトではなく、トゥイッチベイトとしての役割」この3つをクリアできれば、様々なシチュエーションでアングラー自身の入力によって色々なアプローチができるルアーが完成するイメージを持てました。

初期サンプルテスト釣果

1stサンプルから良く釣れたテストモデルであった反面、ノーシンカー状態での飛距離の足りなさであったり、適応するタックルの幅の狭さを改善していくうちに、少しずつ現在のシェイプへと辿り着きました。

パワースウェイは何をイミテートしているのか?

そんな「power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)の開発途中、特に大きく変更した点の1つとして「ボディ全体のリブデザイン」があります。これは実際に、ルアーのアクションに変化を生んだものではなく、ビジュアルとしての「魚っぽさを無くす」ため。作り手としてこのワームをベイトフィッシュだけではなく、甲殻類やその他のいかなるベイトがいるシーンでも、コンフィデンスを持ってキャストして欲しいという思いから、あえて魚っぽさを無くしました。ルアーのシェイプから連想されるアプローチの幅を狭めたくなかったのです。

パワースウェイにできること

開発過程を中心に解説してきましたが、実際「power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)を使うことで一体何ができるのか? そちらに関してもお話していきます。そもそもアクションとしては前途させていただいた通り、大きく「フォールベイト」と「トゥイッチベイト」という2通りの使い方ができます。

フォールベイトとして使うと

まず、フォールベイトとしての動きですが「水平姿勢での安定したスローフォール」と「スプリットテールがフォール時に左右に揺れ動く」の2つ。この2つの相乗効果によって、シャローカバーなどの水面からボトムまでの短い距離の間であっても、ジックリバスへ動きを見せつけることが可能になっています。

トゥイッチベイトとして使うと

フォールにこだわって開発しているから、それだけの機能でしか使えないというとそうではなく、「ロッドアクションに応じて左右にダートするスティックベイトとしての性能」も持たせてあります。ですので、例えば着底してから「ボトムでボトスト的な使い方」をしたり、ベイトやバスが表層に上ずっているのであれば「表層パニックベイトアクション」としても効果を発揮します。

使用リグについて

power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)の対応リグに関してですが、ノーシンカーリグをベースに、ネイルリグやグライドリグ(RYUGI製グライドハンガーを使用)、キャロライナリグなど…。本体自体に極端なウエイトを背負わせないリグであればOKです。

推奨タックル

最後に推奨タックルを解説させていただきたいと思います。

ピンポイントに遠投したりラインスラッグをシッカリ出して完璧なフリーフォールで狙う場合は、PEラインセッティングのスピニングタックルがオススメ。

オススメタックルセッティング

ロッド:ML〜Mクラススピニングロッド

ライン:PEライン0.8号〜1.5号+フロロカーボンリーダー12Lb〜16Lb

キッチリとボトムを這わして使う場合や近距離から中距離、手返し優先の場合はいわゆるミディアムクラスのベイトタックルがオススメです。

ロッド:ML〜MHクラスベイトロッド

ライン:フロロカーボン10Lb〜16Lb

キャストを躊躇するような強いポイントに潜むバスに対して、弱々しくユラユラと侵入して「これならいける」と思わせて口を使わせる新たなアプローチを実現できる「power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)。

皆さんが日々通うフィールドであくまで「普段のアプローチの1つ」として組み込んでみてはいかがでしょうか?

こちらの動画も参考に

「power sway 5inch」(パワースウェイ5inch)解説シーン:9:59~14:06
水中アクションシーンにも注目!

ピュア・フィッシング・ジャパン(PURE FISHING JAPAN)

アブ・ガルシア、バークレイをはじめ、ペン、サベージギア、プラノ、ハーディなど世界的に有名な各ルアーブランドの企画・製造・販売を行っている総合ルアーメーカー。取扱っているアイテムはリール、ロッド、ルアー、アパレルほか多岐に渡る。
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