ハヤブサ関東フィールドスタッフの津輕辰彦です。レンタルボート×オンリーハードベイトのスタイルでバスフィッシングを楽しんでおります!
今回は関東のレンタルボートリザーバーにおけるトレブルフックの使い分けを私なりに解説させていただきます。
津輕 辰彦(Tatsuhiko Tsugaru) プロフィール
トレブルフック理論完全版~目次~
トレブルフックの使い分け
まず、何か物事の使い分けを考える際に私が大事にしているのがセグメンテーション(区別)です。
同じ番手のトレブルフックでも種類が違えば特性も異なりますが、どのように区別すべきなのかを考えてみます。レイクについても同様で、釣り場のシチュエーションや状況に応じてルアーを選び、フックを選ぶことになると思いますので、先にレイクの特長から考えてみましょう。
関東のレンタルボートリザーバーというと、ざっくり房総のダム群と神奈川リザーバー群に大別できます。
亀山ダム・片倉ダム(千葉県)に代表される房総ダム群は、立木やレイダウンなどのカバーが豊富なのに対し、相模湖・津久井湖(神奈川県)など神奈川にあるリザーバー群はカバーが乏しいです。
また、流入河川の規模や川幅の違いから、どちらかといえば房総ダム群は濁りが入りやすく、かつ濁りが抜けにくい傾向にあります。逆に神奈川リザーバー群は濁りが入りにくく、濁ったとしても房総ダム群と比較すると抜けやすいと言えます。
続いてフックの考察です。
ハヤブサのトレブルフックには、現在「瞬貫TREBLE ROUND REGULAR」と「TREBLE KEN CLAW」、そして「TREBLE KEN CLAW STRONG」の3種類がラインナップされています。
ハヤブサ公式「瞬貫TREBLE ROUND REGULAR・TREBLE KEN CLAW・TREBLE KEN CLAW STRONG」の詳細ページ
これらをセグメンテーションする際の指標は、大きく分けて線径(軸の太さ)、形状(ストレートか内向きか)、そして重量の3つになります。
線経は、細い方から太い方へ「瞬貫TREBLE ROUND REGULAR」→「TREBLE KEN CLAW」→「TREBLE KEN CLAW STRONG」となります。
形状は、「瞬貫TREBLE ROUND REGULAR」がストレート(針先と軸が平行)、「TREBLE KEN CLAW」「TREBLE KEN CLAW STRONG」がやや内向きとなります。
重量は、軽い方から重い方へ「瞬貫TREBLE ROUND REGULAR」→「TREBLE KEN CLAW」→「TREBLE KEN CLAW STRONG」となります。線経が太くなれば重量が重くなるので、イメージしやすいかと思います。
サイズ | 入数 | 価格 |
#12/#10/#8/#7/#6/#5/#4/#3/#2 | #12~#6:8本/#5~#2:6本 | オープン価格 |
サイズ | 入数 | 価格 |
#8/#6/#5/#4/#3/#2/#1 | 6本 | オープン価格 |
サイズ | 入数 | 価格 |
#8/#6/#5/#4 | 6本 | オープン価格 |
房総のダム群におけるトレブルフックの使い分け
さて、前提を整理したところで、まずは房総のダム群におけるトレブルフックの選択を考えてみます。
房総のダム群では、立木やレイダウン・崩落などのカバーが豊富なので、自ずとその周りを狙うことが増えます。
カバー周辺をチェックしつつ、バイトが得られなければクランクベイトなどをカバーに当てて、リアクションバイトを誘う釣りも試してみることになるでしょう。ともすると、できるだけフックポイントがカバーにコンタクトしないように努めたい。そんな場合は、このようなチョイスとなります。
カバー絡みのポイントを攻める場合は、フックポイントがやや内向きになっている「TREBLE KEN CLAW」と「TREBLE KEN CLAW STRONG」をチョイスします。フックポイントの形状の差はわずかではありますが、フックポイントが内側を向いていることにより、ルアーがカバーとコンタクトしても針先がカバーを拾ってスタックしてしまうようなトラブルを減らすことができます。
また、カバーの中にいる魚をルアーパワーで引っ張り出してバイトに持ち込んだり、濁りが入りやすいことを加味すると、神奈川リザーバー群と比べ、少し強めの動きのルアーが必要なタイミングが多いと思います。
先日久々に訪れた片倉ダムは、慢性的な濁りが入っており、少し強めのクランクベイト「ショットオメガビッグ62」の高速ストップ&ゴーでかなりのバイト数を得ることができました。
フックはフロントが「TREBLE KEN CLAW(#4)」、リアが「TREBLE KEN CLAW(#5)」です。
ちなみに私はタックルを組む際にキャスティングのしやすさを最優先に考えるため、柔らかめのロッドを多用します。柔らかいロッドで線経が太いフックを使うと刺さりが浅くなることが多く、バラシが増えてしまいます。
そのため私は「TREBLE KEN CLAW」を多用していますが、タックルが強めの場合は「TREBLE KEN CLAW STRONG」を使用するのが良いと思います。
「ショットオメガビッグ62」は動きが強めなので、多少重量が重い「TREBLE KEN CLAW STRONG」を合わせてもしっかりと動いてくれます!
当日キャッチできた魚のサイズはどれも小ぶりでしたが、クランクベイトを小さくしたり弱い動きの物に変えると全く反応がなく、濁った状況下におけるルアーパワーの大切さを再認識した次第です。
これからの季節、雨も増えてくるので、濁りが入っている状況でバイトが遠い場合に、「ルアーパワーを弱くするのではなく、逆に強くする必要があるのではないか?」という仮説も試してみてください!
津久井湖や相模湖など神奈川リザーバー群の場合
次に、津久井湖や相模湖のケースを考えてみます。
先述の通り、カバーが乏しく濁りが入りにくいのが特長です。ハードベイトの使用を考えた場合、濁りはルアーのシルエットやボートの存在を曖昧にしてくれるので、プラスの要素となる場合が多いです。では、濁りが入っていない状況下の津久井湖や相模湖でハードベイトの出番がないかといえば、もちろんNOです。
津久井湖や相模湖は房総ダム群と比べ、カバーに乏しい分魚の回遊性が高く、スクールで移動していることが多いです。多数のバスが周囲にいる状況でルアーを見切られずに魚のスイッチを入れる方法の1つとして、高速リトリーブが挙げられます。
ノーマルギアのスピニングタックルで、手が追いつく限界のスピードをイメージしてください。高速で通り過ぎようとするルアーにハッと気づいた瞬間、周りの魚に取られまいとリアクションバイトを誘う釣りです。この釣り方で私が多用するルアーは、「STEEZ ダブルクラッチ」シリーズです。
細身のシルエットかつ、潜りすぎず動きはタイトで、高速リトリーブにしっかり追従します。中層を高速で引いてリアクションバイトを誘うので、フッキングミスが起こりやすい釣りでもあります。そこでフックは細軸かつストレートポイントの「瞬貫TREBLE ROUND REGULAR」を使います。
ストレートポイントなので魚に少しでも針先が触れやすく、細軸なので刺さりやすい特長を活かします。また、フックが軽量なので、「STEEZ ダブルクラッチ」の特長であるタイトな動きを活かすことができます。
それぞれのトレブルフックの特長をよく理解し、柔軟な発想で使い分けて釣果に繋げてみてください!
タックルデータ
ロッド:ノリーズロードランナー ハードベイトスペシャル(HB630L – CIRLE CAST SIDE HAND LT)【NORIES】
リール:メタニウムMGL【SHIMANO】
ライン:スーパーGTR14lb【サンヨーナイロン】
ロッド:ノリーズロードランナー ハードベイトスペシャル(HB660MLS-SGt – SPINNING METAL)【NORIES】
リール:ヴァンキッシュ(2500S)【SHIMANO】
ライン:シーガー R18 完全シーバス フラッシュグリーンス(0.6号)【Seagual】+トルネードVハード(1.5号)【サンライン】
・ショットオメガビッグ62【NORIES】
使用フック:TREBLE KEN CLAW(フロント:#4・リア:#5)
・ダブルクラッチ75【DAIWA】
使用フック:瞬貫TREBLE ROUND REGULAR(フロント:#10・リア:#10)