今江克隆のルアーニュースクラブR「不人気……だけど、実は今『ショートロッド』が超アツい!今江的名竿も大紹介」の巻 第1100回
「ショートロッド」が欠かせない存在になった!
いよいよTOP50第2戦のプリプラが始まる。
その準備をしていて、自分の一軍タックルに近年絶対に欠かせなくなってきた存在が、実は「ショートロッド」であることに、改めて気づかされる。
数年前までは、ビッグベイトの普及やオカッパリでの遠投能力から7フィート、MHクラス以上のロングロッドが業界主流となっており、66Mが絶対定番だった時代の変化が明確になっていた。
そんな中で66以下の「ショートロッド」の存在感は、20数年前に比べ格段に薄れ、6フィート以下に関してはベイト、スピンニングともに絶滅危惧種的な存在になっている。
昔は大人気、今は不人気
だが、今江的にルアーフィッシング、特にバスフィッシングは「逆の時代」という言葉がいつの時代もキーワードだと思っている。
すなわち、流行の逆張りをいく独創的な探求心こそが、不変的なエサ釣りでは絶対にできないルアーフィッシングならではの進化だと思っているからだ。
ルアーが擬似餌である限り、多くの人が使えば使うほど、確実にバスはそれを記憶し、回避するようになる。
ゆえに多くのアングラーと逆を模索する勇気が、時として爆発的な釣果や技術の進歩をもたらしてくれると思っている。
そんな中で、今江的に興味を持ちはじめたのが、昔は大人気で、今は不人気な「ショートロッド」のコンセプトだ。
その研究を始めたのはすでに3、4年前になるが、それはカーボン素材、そして製法の急進化にともなう必然の見直しの結果だったと今は思える。
今江鑑定!ショートロッド名竿を紹介
そのショートロッドを見直す過程で、今江的に過去の名竿といえるロッド達をいろいろ使ってみた。
古くは35年前のコンバットスティック「マシンガン」まで遡ったが、今回は現行で手に入る今江鑑定のショートロッド名竿を何本か挙げてみよう。
ヘラクレス・テクニカルアクション
まず、今江的にベイトロッドの名竿として最初に挙げたいのが、エバーグリーン「ヘラクレス」シリーズの「テクニカルアクション63MH」だ。
一見ではティップまで太い棒のような、無骨なレギュラーアクションのMHフットボールジグロッドだが、コンストラクションといい、その操作性といい、14g前後の重めのジグ系をメリハリ効かして積極的に操作するには抜群の性能を有する、非常に優れたショートロッドである。
ロングロッド全盛期に世に出た不運もあるが、14g前後の底モノにバルキーなトレーラー、さらに水圧も掛かる水深での操作性は極めて納得のいくもので、ティップの小手先で操作するのではなく、ロッド全体のパワーをルアーに的確に伝える設計バランスが素晴らしい。
時代的にガイドやセッティングで重量感は否めないが、ショート&ハードのエバーグリーンを代表する名竿だと思う。
今江的には、大型で抵抗のあるジャークミノーや「メタルクロー(スピン)17g」、「ソルティーソニック17g」などにも優れた適応を見出しているロッドである。
ファクトHFAC511MHST
次に。今江的に最高にトガったショート&ハードロッドとして、これまたエバーグリーンを代表できる名竿と呼べるのが「ファクトHFAC511MHST」だ。
このロッドは好き嫌いが明確にでる、「テムジン」も真っ青になるほどトガリ切った超積極的な操作性と掛け性能をもつショートベイトフィネスロッドだ。
6フィートを切る異端のショートさで、5g前後の軽量ルアーを5cmティップを動かして5cm動かせるようなハードソリッドティップをもち、ガチガチのベリー&バットが特徴だ。
おおよそこのロッドを「素晴らしい!」と迷いなくいえる人は相当アグレッシブな戦闘狂だと思う。
今江的にはよくぞここまで市場汎用性、上級者以外をガン無視したロッドを、エバーグリーンは世にだしたなぁ……と感服するほど先鋭的で、同時にこのロッドに関しては福島健プロのロッド感性が自分と全く同じ感性であることに感動を覚えた名竿である。
ラインスラックを意図的にソフトに操作でき、手首のスナップに相当な自信がないととても使いこなせない竿だが、地を這う弾丸のような弾道でカバーを貫通、ラバー数本を震わせる繊細さと、カバーの中でも50cmUPに主導権を渡さない強度を両立させた、極めてレアなベイトフィネスの異端児である。
正直、ロッドの方が優れた使い手を選ぶが、これぞ本物の、ユーザー忖度ナシのホモロゲロッドだと思う。
さらに続く、ショートロッドの名竿紹介!