今江克隆のルアーニュースクラブR「内緒にしてたけど……明かします!エラストマーシャッド系ワームのシークレットを全公開」の巻 第1098回
エラストマーシャッド系ワームのシークレットを公開
さて今週は、今まで内緒にしていた「ハドルファットフライ エラストマー2.8インチ」を筆頭とする「エラストマーシャッドワーム」のシークレットを公開しよう。
エラストマー素材は、保管がめんどくさく、クセのある素材ではあるが、それゆえにワーム素材では不可能だったエラストマーでしかできないメリットも多々ある素材だ。
完全に水に浮く浮力、圧倒的耐久性に加え、水中で水を弾くような低吸水性、非親水性は、ワームにはないプラグに似た波動を発生していると考えている。
そのエラストマーを採用したワームの中でも、最もバーサタイルで使いやすく、釣獲能力に優れているのが「ハドルファットフライ エラストマー 2.8インチ」だ。
エラストマーワームに馴染めない方にも、このワームは、その入門に最も適したワームといえるだろう。
生き物らしい「ニュアンス」を出すシークレット
まずエラストマー素材は、その性質上、塗装や微妙なニュアンスの染色が極めて難しい素材である。
ゆえに生き物っぽいワーム素材に比べ、塗装でも染色でもやや大味な外観になることは否めない。
だが、その塗装のしにくさを逆手にとって、生き物らしい「ニュアンス」を出すシークレットがある。
これは本当にずっと隠していたが、自分は「ハドエラ(ハドルスイマーエラストマー)」等のリアル塗装のマイカ(銀粉やパール粒子)部分を「指の腹」で優しくていねいにこすり、皮膜を薄皮一枚剥いでマイカ粒子を落とし、ボディの透け感を調整。自分の好みのニュアンスが出るようチューニングしている。
この方法は、最初は加減がかなり難しいが、慣れると絶妙に生き物らしいニュアンスが出る。
2個として同じ感じにならないのが逆にリアルで、水質によって透け感をどこまで出すか加減しながらチューニングしている。
この「皮剥ぎマイカ粒子落としチューン」、水中に入れると驚くほどに生命感が宿るチューンで、正直公開したくなかったチューニングである。
上手にカワハギができるようになるまでに数パックをムダにするかもしれないが、エラストマーはワンパックで、ヘタすれば1シーズンもってしまう強度と耐久性があるので、そこはご勘弁を。
眉間(みけん)デコ刺しセッティング
次に、特に春には最強の「ハドルファットフライ エラストマー2.8インチ(以下:ハドファ2.8)」のジグヘッドでのホバスト、ミドスト、ボトストだが、これはジグヘッドのチューニングとセッティングでロール速度とピッチが格段に違ってくる。
普段は、普通のセッティングでもロールはワーム素材以上の切れを見せるが、普通のワームでは不可能な、まるでスピナーベイトのブレードに見えるほどハイピッチでロールさせるにはジグヘッドの改造と設置位置をシビアに工夫する必要がある。
自分のトーナメントシークレットは、グラインダーでジグヘッドを半球状に削り、「眉間(みけん)刺しデコセッティング」である。
さらに背中の薄皮一枚で縫い刺しすることで、高重心化とエラストマーの水を弾くようなキレと相まって、究極の高速ロールをだすことができる。
ガードもロール時の左右への水の抵抗を極限まで減らすためにブラシガードではなく、超極細の形状記憶ワイヤーを使用し、バスから見た時の違和感も減らしている。
あとはロッドとの相性も重要で、「インクレディブルセンサー61L(G-nius)」のような、ティップに張りのあるチューブラーが絶対的に有効である。
移動距離を限界まで抑えた「高速ロール」には、絶対に従来のベナベナなミドストロッドではく、ラインを意志通りにできるチューブラーロッドが今江的にはマストである。
「ハドファ2.8」の高速ロールスイミングは、今江的にはワームの釣りではなく、一種の巻きモノ、「ソフトスピナーベイト」のイメージで使うものなのだ。
「ホバスト」、「吊るし」のマル秘セッティングと、さらにヤバい使い方を次ページで紹介!