今江克隆のルアーニュースクラブR「隠し玉を初公開!新世代パワーフィネススピニングロッド・グランドスピンコブラ!」の巻 第1087回
3週連続で公開してきた現時点で2022年度中にリリースが確定しているエバーグリーンのバスロッド「カレイド」シリーズ新機種。
今週は、その最後の隠し玉となる新機種を初公開しよう。
完全極秘開発のパワーフィネススピニングロッド
現在、すでに最終確定段階まで、ほぼ完全極秘で開発していたのが、実は2022年度のTOP50でも大きな鍵になるタックルと位置付けている、いわゆる「パワーフィネススピニング(ロッド)」である。
パワーフィネススピニングといえば、テムジンの「コブラ66M」をスピニングに改造した「スピンコブラ」がその元祖といっても過言ではないだろう。
すでに20年以上前、四国の野池で、これまた元祖といえる浮くワーム蝉「ダイイングシケーダー」を使っての「PEパワーフィネス提灯(チョウチン釣法)」の黒帯DVDは、その後、トーナメントを席巻した最先端のアサルトスピニングテクニック流行前夜だった。
その後、PEパワーフィネスブームは「ベイトフィネス」の大流行に至るまで約10年ほど続いたが、ご存じの通り、ここ数年「吊るし」と呼び名を変え、さらに高度かつフィネスになってトーナメント、オカッパリを問わない最強スピニングメソッドとして大復活している。
ベイトフィネスからPEパワーフィネスへ
なぜ、ベイトフィネス全盛時代から、再びPEパワーフィネス大流行へと時代が動いたのか、その理由は明確である。
フロロ7lb程度をメインとしたベイトフィネスは、確かにボートではPEパワーフィネス以上に精度も手返しもよく、最大の武器となったのは紛れもない事実だ。
しかし7lb程度の強度ではオカッパリでの出番は極めて限定的なのである。
足場が限定される中での抜き上げや、カバー越しの強引なやり取りができないベイトフィネスより、PE1.2号でも20lb以上の強度があるPEベイトフィネスの方が、はるかに強力なタックルであり、使える場面が極めて広いのである。
トーナメント全盛期から、上級オカッパリアングラーが世の主流になった今、PEパワーフィネスの「汎用進化」と再燃は、まさに時代が求めたタックル進化といえるのだろう。
その「PEパワーフィネス汎用進化」こそが、「カレイド」で再現された新型PEパワーフィネスロッド「グランド・スピンコブラ611MHR」誕生のカギになったのである。
「ハングマンスピン511MHX」→「グランドスピンコブラ611MHR」
実は、このPEパワーフィネスの再燃は、早くからTOP50でその必要性を感じており、開発を開始したのは2019年秋にまでさかのぼる。
LNC/R読者ならご存じだと思うが、すでに2021年春には「ハングマンスピン511MHX」として、何度もここに登場している「吊るし専用ロッド」が、それである。
そして2021年晩春にこの「ハングマンスピン511」は、ベリーショート&高強度ブランクスに特殊な超高強度高靭製ソリッドティップを搭載し、すでに完成していたのである。
七色ダムのロクマルすら、いとも簡単に吊るして瞬殺できるパワーと軽快な近接戦闘力は完ぺきな完成度とすら確信できるモノだった。
しかし、このロッドは今でもお気に入りの一本なのだが、その後、自身が信頼するプロやオカッパリアングラーにエバーグリーンとともにヒアリングを重ねた結果、511という超ショートより、7フィートで軽く強いPEパワーフィネスロッドがほしいという声が、オカッパリでは大勢を占めることが判明した。
プロ仲間はベリーショート&ハードの近接操作性、ボートでのチョイ投げ重視のためか511を好む傾向が高かったが、冷静に周りを見回した時、時代の趨勢から「ハングマンスピン511」の岸からの汎用性は限りなく狭く、試合ですら限局的なロッドであることは間違いなかった。
そのヒアリング結果から「ハングマンスピン」は一度保留し、オカッパリのPEパワーフィネスマニア的に必要不可欠なPEパワーフィネスロッドとは何かを検討した結果、オカッパリ的には7フィートのロングシャフトメリットを持ちながら6フィート台の軽量さと取り回しのよさ、50cmUPでもゴボウ抜きできる強度とキャストのイージさ、そしてフロロラインでも、いろいろなルアーを使える汎用性がマストニーズだった。
オカッパリのニーズとトーナメントのニーズを兼ね備えるパワースピニングが誕生へ!