そうだ!ジギングへ行こう!
皆様こんにちは。
オフショアジギングの魅力と言えば、ショアからではなかなか巡り会うことができない大型魚とのスリル溢れるファイトを堪能できること、巷では高級魚と呼ばれている様々な魚種を狙えることなどではないでしょうか。
特に近年のタックル進化により「ジギング=しんどい釣り」ではなく、「手軽に楽しめる釣り」という認識が広がってきたかと思います。
以前よりも、魚との距離がグッと近づいた今が、オフショアフィッシングを始めてみるチャンスです。
そこで今回は「これからオフショアの釣りを始めてみたい!」というアングラーの方に向けて、乗船前の手順~釣行後までの手順、釣行準備物など順を追って釣行終了までの流れを紹介したいと思います。
第一章 船の検索~予約手順まで
「ジギングやってみたい!」思い立ったが吉日です。
まずはお手持ちのスマホやパソコンで情報を調べてみましょう。
調べる前に「どのエリアで釣りをしたいのか?」、「何を釣りたいのか?」をある程度決めておくと検索が楽ですね。
行きたいエリアと、釣りたい魚が決まったら、いよいよ検索開始です。
ここでは「大阪 ジギング船」と検索してみます。
たくさん出てきましたね。
後は数ある候補の中から、口コミ、直近の釣果、HPの雰囲気、乗船料金などを参考にしながらご自身にあった遊漁船をセレクトします。
乗りたい船が決まったら、いよいよ次は予約の電話です。
船が決まれば、早速予約の電話を入れましょう!
と言いたい所なのですが、電話を入れる前に伝えるべき要点と聞くべき要点をまとめてみましょう。
電話を入れる際に伝える事
・いつ(日時)、誰が(名前)、何人で
電話の際に聞くべき事
・集合場所(駐車場と乗り場が離れている場合がある)
・出船時間(集合時間)
・釣った魚を冷やす氷の有無
・終了時間(港への帰港時間)
・最終出船確認の電話を行う時間帯(釣行日前日の場合が多い)
・釣り座確保の方法(先着順なのか抽選なのか)
・使用するジグの重さ、PEラインの号数の確認(乗合船の場合、トラブル軽減のためタックルバランスをある程度揃えるため)
余裕があればプラスアルファで聞きたい事
・電気ポッドや電子レンジの有無(カップラーメン買っていっても、お湯がないと食べれませんよね……)
・直近のヒットジグの色や種類、形状(同じジグを持っていけば心強いですよね!)
・ベイトの種類、シャクリ方のパターン(タックルセレクトやイメトレの参考になります)
ここで、電話を入れる際の注意点です。
まず、大前提として遊漁船の出船時間は早朝(午前5時~午前7時)の場合が多く、終了時間は午後(14時~16時)というスケジュールが一般的です。そのため翌日に備えて夜は早めに就寝される船長が多いです。
最低限のマナーとして、夜遅い時間や早朝の電話は避けましょう!
電話の時間は午前9時~午後18時位までがベターです。
また、昼間の時間は船が出船していれば、船長は操船しながらの電話対応となります。そのため、「通話は手短に」を心掛けてください。
上記の確認事項の内容で概ね3分前後かと思います。
そして通話中にお客の立場だからと言って横柄な対応は絶対にNGです!船長は皆さんにメモリアルフィッシュを釣らせてくれるナビゲーターであり、アドバイザーです。
通話を通して「この人に絶対魚を釣ってもらいたい。サポートしたい!」と思ってもらえれば、お互いより楽しい一日を過ごせるかと思います。
初めてのジギング、初めての船となれば、ワクワクする反面、不安な部分もありますよね。
でもそれは恥ずかしいことではありません。常連さんもエキスパートも関係なく、全てのアングラーが通る道です。誰もが最初は初心者です。
改めて言います。「初めてなんです」この言葉は強みです。
私自身も始めてのエリアや遊漁船の場合は必ずこのワードを使います。
電話予約時や出船時にこのワードを伝えることで、船長や常連の方達が船のシステムやエリアの攻略法などを親切に教えてくれます。そうすることで、船の雰囲気に早く馴染め、結果として良い釣果に繋がる場合が多いです。
不特定多数の方達と同じ時間・場所を共有する乗合船の場合、同船者は敵ではありません。
むしろ楽しい時間を共有する「仲間(同志)」です。
お互いに気持ちよく釣りができるような立ち居振る舞いを心掛けていれば、必ず良い事が起こります。
予約までの流れはこのような感じです。
予約が完了したら、後は備品の準備をして乗船場所に向かうのみです。
アングラーにとって釣行前が至福の時間という方も多いのではないでしょうか?
次章はこの至福の時間に浸り過ぎてしまったが故に、出船直前になって、「しまった!大事な事を忘れていた!」とならないような準備の手順についてお話したいと思います。
第二章 釣行前準備~出船編
さて、ここからは釣り人として一気にテンションの上がる釣行前準備~出船までの流れについてお話させていただきたいと思います。
ここからは、船の予約が終わった後と仮定して話を進めてみたいと思います。
皆様が釣行予定を立てる場合は、釣行日から逆算していつ頃に予約を入れられますか?
①1か月前
②1週間~10日前
③前日
おそらくジギング初めての方、初めて数回の方であれば②と答える方が多いのではないでしょうか。
もし皆様が②とお答えならば、釣行準備はいつしますか?
「準備は前日にします!」と思った方、ちょっと待ってください。
先に言います。前日の時間はなるべく準備ではなく、睡眠や休息にあてましょう。準備は釣行予定が決まったらコツコツ計画的にやる事をオススメします。
というのも、ジギングを初めて間もない頃はタックルのストック量も少なく、初めて行く海域などであれば、当然使用するタックルや備品も変わるため、新たに買い足さなければならないケースも多々あります。
これが、前日の仕事終わりであれば、立ち寄れる釣具屋も限られますし、A店に行ってお目当ての備品が品切れのためB店に移動して購入というパターンであれば、当然移動時間含めロスが発生してしまいます。
釣行時のランガンは大切ですが、前日準備でのランガンは貴重な時合い(睡眠時間)をロスするだけでイイ事なんて何もありません。
準備は前もって!を心掛けて、前日は動画を観ながらイメトレだけするぐらいの余裕を持ちましょう。
それでは、具体的に準備手順について話をしていきたいと思います。
私の場合は、準備段階で3つのグループに分けて準備をします。
・Aグループ:忘れると釣りが成立しないもの⇒優先度大
・Bグループ:あればとても便利なもの⇒優先度中
・Cグループ:忘れても釣りが成立するもの⇒優先度小
これらをA→B→Cの順にタックルBOXに収納していきます。
それでは、この優先順位に基づき準備するモノ・コトを書き出してみます。
Aグループ
準備するもの | チェックすること |
ロッド、リールの選定(複数タックルがあれば) | リーダーは巻き替えているか? |
ライン類(予備のPEライン、リーダー) | リーダーの残量は十分あるか? |
メタルジグ、フック類 | 予備はしっかり持っているか? |
小物類(ジグリング、プライヤー、ハサミ、ナイフ) | 塩で固着してないか? |
ライフジャケット(タイプA) | ボンベ使用期限は過ぎていないか |
Bグループ
準備するもの | チェックすること |
当日着用するウェア類 | ちゃんと上下入っているか |
ケガの応急処置セット、酔い止め薬 | 残量はしっかりあるか? |
ノットサポートツール、魚の締め具、フィッシュグリップ | 壊れていないか? |
Cグループ
準備するもの | チェックすること |
遊漁船のポイントカード | 有効期限は切れていないか? |
予備のタオル | 何枚あるか? |
帰りに新たなタックルを買うためのヘソクリ | 嫁にバレた時の言い訳 |
熱くて、折れないハート | 強い意志 |
大体これくらいでしょうか。これらを優先度の順にタックルBOXに積み込んでいき、最後に夢と希望を詰め込んで所要時間は概ね1時間~1時間半くらいです。
後は、食料と魚を持ち帰るクーラーBOXを準備すれば備品準備は完了です。ちなみにクーラーBOXの準備をする時に、一緒に飲み物を先に入れておく習慣をつけておけば万が一の時に役立ちます。
特に夏場は、食料を忘れた場合なら、嗚呼ハラ減った…で済みますが、水分を忘れた場合は、熱中症など命の危険が伴います。
船上で体調不良者が出た場合、船長はすぐに港へ帰港せねばなりません。そうなれば同船者全員の貴重な時間を奪ってしまいます。
緊急時の場合は致し方ありませんが、水分不足のようなご自身で防げることは事前に防ぐことを心掛けましょう。
それでは準備備品の確認もできた所で、いよいよ積み込み開始です。
ここで心掛けることは、「荷物はコンパクトに」です。
何人かで車一台で乗り合わせて行く場合に、荷物がコンパクトであれば、積み込みしやすいですよね?
1人で行く場合もコンパクトにまとめておくと、駐車場から船着き場まで何往復もしなくてすみますよね?
ボックス内をしっかり整理整頓しておくことで、折角のチャンスタイムにあれがない、これがないと探してチャンスを不意にせずにすみますよね?
このように荷物をコンパクトにまとめることはイイコトづくめです。
皆様も意識してみてください。
それと、荷物は前日に車に積み込んでおくことをオススメします。
当日現場に到着して荷物を運ぶ際に、「〇〇さん今日はえらい荷物が軽いですね~、道具入ってないんちゃいますか~笑」
なんて言われてフタを開けるとリールやジグが入ってなかった…なんてことにならないように事前準備はしっかりと余裕を持って行いましょう!
車への積み込みも完了、風呂も入って夕食も済ませ、時計をみると午後21時。後は、十分な休息と睡眠を取るだけです!
と言うのは簡単なのですが、そうはいかないのが釣り人なのです。
そう、「ワクワクしすぎて寝れないんです!」
※ゆっくり熟睡できる方は迷わず睡眠を取ってください。
私も初めて行く海域や遊漁船、普段はなかなか行けない遠征釣行の前日などは、気持ちが高まり過ぎて、まるで金髪の戦士の如くいきり立っています。アドレナリンを計測できる装置があれば、「チッ!またス〇ウターの故障か…」と言っちゃう位に釣行前は「夢と希望とアドレナリン」で溢れています。
そんな時に無理して寝ようなんて無理です。こう言う時は無理に寝なくても構いません。ただ、身体はしっかりと休めてください。
もう少し補足を加えますと、たとえ寝つけなくとも、ベッドで横になり目を閉じて身体だけでも休めるイメージで過ごしてください。こうしておくだけで随分翌日は楽に過ごせます。くれぐれも、寝つけないからといって身体に過度な負担を掛ける運動や、アドレナリンが出て興奮するような行いはNGです。ゆっくり音楽でも聴きながら、明日の釣りに向けての軽いイメトレなどをしてリラックスすることをオススメします。
それと、自然と寝落ちしても良いように目覚ましのセットと目的地への所要時間の確認は寝落ちする前に行っておいてください。
ちなみに私は現地への到着時間は概ね出船の40分前を目安に設定しています。理由については後述させていただきます。
さて、目覚ましが鳴り、目を覚ませばいよいよ決戦当日の朝です。
戦闘服に着替え、歯を磨き、財布、スマホをポケットに入れて玄関の施錠をして、車に直行します。
前日に積み込みを終わらせておけばここまでが非常にスムーズです。
ここまでで約15分~20分、軽く朝食を済ませるなら30分と言ったところでしょうか。
車の暖機運転がてらに前日積み込んだ荷物をもう一度チェックし、青空を見上げて最終チェック完了!
夢と希望を胸にさぁ出発と言いたい所ですが、何か忘れていませんか??
そうです。「酔い止め薬の服用」です。出発前は絶好の釣り日和と思っていても、海上は
「天気晴朗ナレドモ波高シ」なんてことはザラにあります。
出船5分で人間マグロ状態にならないためにも、出発前に酔い止め薬は服用しておけば安心です。
それでは、目的地に向けて出発です。
早朝の時間帯ですので、道路はおそらく空いていることが多いと思います。朝風の気持ちよさとも相まってつい飛ばしたくなるとは思いますが、安全運転で焦らず集合場所へ向かいましょう。
調子に乗って飛ばして、
「こっこいついつの間に…! う…宇宙一のスピードを誇るオ…オレさまの後ろに…」
となってしまえば、出船前に乗船代より高い金額を納税するハメになり、気分もムードも台無しです。
また、船によっては乗船者が揃い次第出港、という船もあります。
早めに着いて、早めに出港できればその分実釣時間を長くとれます。
実釣時間が増えれば、チャンスも増えます。時間にゆとりを持って向かえばイイコトずくめなのです。
食料の買い出しも済まし、漁港に到着。
アングラーの高揚感はマックス状態。受付を済ませて乗船予定者を横目に出船前の準備開始!
と言いたい所ですが、車を降りたらまずは同船者に向けて「おはようございます。今日はよろしくお願いします」とあいさつから始めましょう。
せっかくの休日、最初から最後まで気持ち良く過ごしたいですよね?
そうすることで会話も弾み、結果として釣果以上のものを得る事ができるかも知れません。
また、相手が常連さんや、海域のエキスパートであれば、あいさつをキッカケに近況やオススメパターンなどの情報を教えてもらえるかもしれません。
ただ、早朝の漁港と言えど、近くには民家がある場合もあります。
早めに到着して仮眠を取っている同船者もいるかもしれません。
周囲への配慮を忘れず、大声での会話は避けてください。
準備の手順ですが、あいさつを済まして速やかに道具を車から降ろしたら、ロッドにラインを通してリーダーをジグリングに結束しておきます。
ここまでやっておけば、ポイントに到着後ジグを装着してすぐに釣りが始められます。
余談ですが……
船が移動中の揺れるタイミングでの準備は船酔いの要因にもなります。
何より、移動中は危険ですので、船長の指定するポジションにて必ず座っておきましょう
遂に船長が船に到着。いよいよ出船目前です。
釣り座は先着順、抽選、もしくは予め船長が決めている場合が多いかと思います。
釣り座は大きく分けて3つに分かれます。
・船首側(ミヨシ)⇒一段高くなっており、キャストはしやすいが揺れやすい
・船の真ん中(胴の間)⇒少しせまいが、最も波の影響を受けにくく安定している
・船尾側(トモ)⇒広く、キャビンにも近い、ミヨシ程ではないが多少揺れる
もし、あなたがジギング(船釣り)に慣れておらず、船酔いの心配があるのであれば、まずは船の真ん中(胴の間)をオススメします。船長の操舵室側であれば、船長との距離も近く、アナウンスも聞き取りやすいです。また、船長との会話もしやすいので、攻略法などを直接レクチャーしてもらいやすい釣り座と言えます。
釣り座が決まれば、次はタックルを船に積み込みます。
この時に覚えていただきたい事としては、「船尾(トモ)側の釣り座からタックルを積み込む」こうすることで効率的に乗船者全員のタックルを積み込むことができます。
また、ご自身のタックルを積み終わり次第、他の乗船者のタックル積み込みも手伝いましょう。こうすることで少しでも早く出船ができるようになります。
第一章でもお話ししましたが、不特定多数の方達と同じ時間・場所を共有する乗合船の場合、同船者は敵ではありません。むしろ楽しい時間を共有する「仲間(同志)」です。
お互いに気持ちよく釣りができるような立ち居振る舞いを心掛けてください。
さて、次回は出船から帰港までの流れについてお話させていただきたいと思います。
情報提供:がまかつ