【豆アジを掛けることが難しい理由】渋い状況でも有効!家邊克己が語る「ザ豆の開発経緯」
サーティフォーの製品について知らない方もまだ多いと思いますので、今回は改めて定番アイテムの1つである「ザ豆」について、開発経緯や特長などをご紹介したいと思います。
家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール
「ザ豆」の開発経緯について
今では豆アジ専用ジグヘッド「小豆(こまめ)ちゃん」がありますが、開発した当時は小さなアジが掛からないことにカナリ苦戦していました。ある日も何回やってもフッキングできないという状態が続いていました。
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そんな中、たまたま引っ掛かったアジの寸法を測ると、なんと8cm弱の豆アジ。その時の僕は「コレを掛けるのは無理だ」と思いました。アタリの正体を見てからは余計ムキになり、何とかフッキングさせようと躍起になりましたが、その後どうしても掛けることができませんでした。
豆アジをフッキングさせるにはアワセずラインを張るようにロッドをためると乗るのですが、それでは「掛けた」ことにならず「掛かった」ことになってしまいます。
「これは何とかしないと」と、いつものように制作意欲に火がつき、「無いものは作ってしまえ」と早速豆アジを掛けるジグヘッド製作のプロジェクトが始まりました。
豆アジを掛けることが難しい理由について
まず最初に考えたのは、「何故豆アジを掛けることが難しいか?」ということです。
その時にスグ思い付いたことがあります。それは豆アジは群れで動くことが多く、群れの大きさやアジの活性の高さによって食い方が違ってくること。活性の高いことが多い豆アジ、元気な故に吸い込んだり吐いたりを短時間で繰り返すのと同時に、豆アジ故に口が小さいので、フックを吸い込みきれないので掛けることが難しい。よって、フック自体は、当然小さくする必要があり、それが小さ過ぎるとフッキングが甘くなり、外れ易くなります。
そして対象の豆アジは体重が軽いので、アワセた時にアジが動いてしまい、フッキングしない場合もあります。フックの線径をできる限り細くして刺さり込みを良くする必要がありました。
これらの理由からフックの線径は、できるだけ細い方が良かったのですが、細すぎては当然のことながら伸びたり折れたりする可能性もあります。対象魚が豆アジということから、少々のことではフックが伸びたり折れたりはしないだろうと思われ、これまでサーティフォーで製作してきた「ダイヤモンドヘッド」などの線径0.51mmよりもさらに0.08mm細い、0.43mmにし、今まで以上に刺さり込みを良くしました。
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さらに幼魚である豆アジのリリースのことも考え、魚に優しくするためバーブレスにしました。フックの基本的な形状が決定した後は、いつものように生針を何十通りにも曲げ、焼いてはテストを繰り返し、最終的に絞ったのが6種類でした。
初心者の方にも扱いやすいように
最終的なフック形状が決まって次にヘッドを考える段階に行きつくのですが、今回考えた一番のキモはジグヘッドの存在感でした。
豆アジの場合、表層に居ることが多く、その分軽量ジグヘッドを使う事が必然的に多くなり、初心者の方からするとジグヘッドが何処に有るかが分かりません。そういったことで、ジグヘッドの存在感を増すことが絶対だと思われました。
ジグヘッドのある所が分からなくなる主な原因は、初心者の方はリフトした時にジグヘッドの存在感を確認することが多いです。その時の感覚が軽いため、何をやっているのかが分からなくなるからだと思われます。
ですから、アクションを付けた時の抵抗を増やせばより分かりやすくなると思い、その抵抗を増やすためアイ側を平面にして表面積を広くしてみました。そうすることで抵抗を増すことができます。
上を平面にした以上、ヘッドの下方は船のキールの様な形に。そうすることでジグヘッドの姿勢が安定します。形も豆アジを釣ることからビーンズ型という少し遊び心も加えています。中々アタリがあるのに乗らないという場合は、「ザ豆」にすると掛かるということも良くあります。
豆だけでなく渋いシチュエーションでも活躍してくれるので、ぜひ一度使ってみて下さい。
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