基本的にオフシーズンがないと言われるロックフィッシュ。
とはいえハタ系など、いわゆる”ハードロックフィッシュ”は春~秋がハイシーズンとも。つまり、ハイシーズン真っ只中。
俄然注目が集まるタイミングで、お待ちかねの第5弾です。ヤマガブランクスNEWロッドシリーズ「EARLY(アーリー)」のロックフィッシュゲーム系ラインナップについて、今回もガッツリお話を伺っております!
ベイトモデルに込めたヤマガブランクスが求めるロックフィッシュモデルの個性
ヤマガブランクスの2021年春の新製品である新しいアーリーシリーズを紹介してきたこのコラムも今回で5回目。
今回ピックアップするのはフォーロック・カテゴリーの中で唯一のベイトモデル「EARLY 93MH/B for Rock」です。
アーリーのフォーロックカテゴリーは3機種で構成されており、各ロッドで求めた個性が明確に違います。
要約すると、86MHは王道のロックフィッシュ狙いをメインコンセプトにしつつ、カサゴ狙いでもオーバ-パワーを感じさせない軽快さを持ちながらハタ類も狙っていけるパワーを融合したモデルで、一本で幅広いシチュエーションやターゲットを楽しみたい方にオススメです。
対して104Hは遠投性能を重視したハイパワーモデルですが、ガチガチのハードロックゲーム用のモデルでは無く、PE1号の繊細な攻略も視野に入れた柔軟さも秘めています。ロックフィッシュをメインターゲットに添えていますが、剛柔併せ持つブランクはショア青物用としてプラグやジグを使いこなすことも可能なモデルです。
さて、そこで3本目の93MH/Bですが、このモデルにはベイトモデルだからこその個性を求めています。いわば、86MH・104Hではできないことができるロッドであり、ベイトタックルの特性をより明確に体感できるようにテストを繰り返しました。
EARLY 93MH/B for Rockの特長
ヤマガブランクス公式「EARLY for Rock」詳細ページはこちら
ロックフィッシュゲームではティップまで張りのあるロッドの割合が多いと思いますが、この93MH/Bはティップの張りを敢えて落として入りやすくすることで食い込みを良くし、食いの渋い状況にありがちな浅いバイトを掛けやすくしております。
ただし、ティップの張りが落ちてもボトム形状を伝えてくれる感度の面は変わらず、ボトムを丹念に這わせる釣りでも地形変化が手に取るようにわかります。
スピニングモデルに比べ、ベイトモデルは巻きのピッチが細かく、ラインをフリーにする際にもテンションを抜かずに操作しやすい利点があります。93MH/Bで求めたのは単にコツコツとした信号を捉える感度ではなく、岩の上でシンカーが転がるのを操作しつつ、コロンと落ちる瞬間も集中してバイトを読み取れるような途切れない感度です。
こういった繊細な感度を突き詰めることで、散々トレースした後で食わせきらなかったピンポイントを93MH/Bで再び探り直すという選択肢も出てきます。そのためのソフトなティップであり、ショートバイトで乗り切らない魚をフッキングに持ち込める性能も兼ね揃えています。
もちろんベイトリールの巻き取り力を最大限に発揮できるように、ベリーからバット部はしっかり残るように強めに設計。そのためフッキングもビシッと決めやすく、ロッドを立てて一気にラインを巻き取って、魚を根から引き剥がすこともしやすくなっています。
ファイト時の感覚としては、同パワーのスピニングモデル86MHに比べると、ベリーの反発力とバットの粘り強さはベイトモデル93MH/Bの方がリールの特性を発揮するために強くなっています。魚とのやり取りでは曲げ込むと粘りと追従性が活きてきますので、それがバラシの軽減にもつながります。
マッチするゲームとしては、ベイトリールによる手返しの利点から主にテキサスリグ・直リグ・ビフテキリグをメインとした、ボトムを丹念に探るスタイルがメインとなります。
ピンポイントを繊細に探る展開だけで無く、スイミングアピール時に重要な巻き感度も良好です。これによりワームの挙動や潮圧もダイレクトに感じ取れるので、ジグヘッド(スイミングテンヤなど)を使用したスイミングの釣りにも対応できます。
また、磯の状況によってはロングリーダーを使用することもあると思いますが、その場合はPE2.5号+ナイロン40lbを5ヒロがトラブル無く使用できる上限目安となります。これよりも細ければトラブルなくご使用可能です。
シーバスゲームでの使用
93MH/Bは軽快な使用感で、適度にしなやかなティップはシーバスゲームにもマッチ。
レングス的にも河川や干潟のウェーディングゲーム・ゴロタ場や小磯でのゲームとの相性はバツグンです。
ちなみに、ロッドのスペック表記はMAX50gとさせて頂いておりますが、こちらはロックフィッシュゲーム時に使用するジグヘッドリグやテキサスリグの扱いやすさを元に設定しています。シーバスゲームにおいては12cmクラスまでのミノーに28gまでのバイブレーションがキャスト・操作・引き心地の面で快適に扱いやすいです。
また、キャスト時はバットからティップまでの曲がりの移行がスムーズであるため、多彩なルアーを使用してもバックラッシュを起こしにくく、リールの性能をサポート。誰でも楽に安定した飛距離を出しやすくなっており、これから初めてベイトシーバスゲームを始められる方にエントリーモデルとしておススメできます。
関連動画はこちら
まとめ
これまでフォーサーフ・フォーロックとアーリーの新機種を解説してきましたが、新しいアーリーのコンセプトが少しでもお伝えできたならば嬉しいです。
ブランクの張りや堅さ、強さなどは機種によって違いますが、全てのモデルで共通するコンセプトは「飛距離とキャストフィールの追求」です。なので、極端に堅いロッドや柔らかいロッドはアーリーシリーズの中にはありません。
そして、各ロッドに詰め込んだ個性的な性能はターゲットやゲームを限定するものでは決してありません。アングラーの皆さんにも個性があり、海のフィールドは日本国内で考えても全く違います。アーリーのどのモデルがマッチするかは、アングラーの皆さんに自由に決めて欲しいと考えています。
できればフィッシングショーや展示会で実際に手に触れて欲しいところですが、それもなかなか難しい情勢ですので、カタログのQRコードにリンクした解説動画や、実釣動画など、様々な角度からの情報をお伝えすべく、注力中です。ぜひ、弊社のHPやYouTubeチャンネルにも遊びにきてください!!
さて、8月には更にシーバスゲームをメインコンセプトにしたEARLY 93M for SeabassとEARLY 97MMH for Seabassのリリースも控えています。こちらもルアーニュースRにて詳細をお伝えすべく準備中ですので、ぜひ、よろしくお願い致します!
過去の記事はこちら
【ミドルクラスを網羅】ヤマガブランクスNEWロッドシリーズ「EARLY(アーリー)」について訊く/その1:高まる繊細な攻略の必要性
【ミドルクラスを網羅】ヤマガブランクスNEWロッドシリーズ「EARLY(アーリー)」について訊く/その2:サーフ用ベイトモデルに求めたもの
【ミドルクラスを網羅】ヤマガブランクスNEWロッドシリーズ「EARLY(アーリー)」について訊く/ その3:EARLY 104H for Rock
【ミドルクラスを網羅】ヤマガブランクスNEWロッドシリーズ「EARLY(アーリー)」について訊く/ その4:EARLY 86MH for Rock
ヤマガブランクス(YAMAGA Blanks)