今江克隆のルアーニュースクラブR「ウワサの最新鋭スピニングリール!ゼノンを忖度ナシに実戦使用インプレ」の巻 第1052回
TOP50弥栄湖戦が中止になった緊急事態宣言で、GW以来取材仕事以外での釣行を極力控えているためネタ不足が辛い毎週です。
ということで今週は、5月末リリースが遂に決まった注目のAbuGarcia最新鋭スピニング「ZENON(ゼノン)」について、メーカー広報や公式メディアでは語られてない、語れない? 今江的忖度抜きの辛口実戦使用インプレを初公開しよう。
「ゼノン」の最大の売りポイントは?
「ゼノン」は、昨年夏にはプロトタイプを手にし、すでに10ヶ月近く実戦投入しているABU(AbuGarcia)渾身の最新型スピニングリールだ。
本来は3月にも全国デビューとされていたが、これまたコロナ禍で遅れに遅れてようやく5月末、6月末と分納デビューが決まった。
「ゼノン」の最大の売りは、実に2500番で148g、2000Sではなんと142gというスピニング市場最高レベルの驚異的軽さである。
実際に自分はこのリールを「テムジン・ウッドペッカープロト510UL」に2000番、63Lに2500番を組んで1年近く使ってきたが、ロッド重量も80g前後とあって、総重量222gの驚異的軽さは、もはや一度使ってしまうとどんなスピニングタックルもやたら重く感じてしまうほど、麻薬的な常習性がある。
使ってみた体感差として2000番と2500番の重量差6gはほとんど感じられず、このエアリーな操作感はマイクロピッチマッハシェイクには驚異的な速さと操作時間の持続が可能になる。
これは超軽量化の間違いないメリットだ。
同時に、軽さ=感度の鋭さ、反応の速さも間違いなく、ロッドとの組み合わせ次第でライトリグを操作するうえで、確実にアドバンテージとなるだろう。
巻き心地は?
次に巻き心地だが、先代最高機種である「Revo MGXtreme」に比べると、さらに精度、ローターブレのほぼないシルキーな巻き心地にアップデートされている。
流石に「ステラ」など上級機種と比較するとまだその差は明確に感じるが、店頭価格4万円前後と考えれば、同価格帯のシマノ、ダイワ製品となんら遜色ないレベルまで達しており、圧倒的な軽量さを考えればメリットすら感じられる。
ドラグ性能に関しては、「MGXtreme」や「REVO ALX THETA(シータ)」のデフォルトドラグと比較すると明らかに向上しており、「MGXtereme」のメーカーオプションドラグ(AE74スプール等)と比べても、スモールマウス戦でフロロ2.5Lb前後を使う実戦で不安を感じることはなさそうだ。
瞬時の調整幅もほどよく、ファイト中のマニュアルドラグ操作にマゴツくこともない。
しかしながら、こちらも「ステラ」のレベルに達しているかといえば、そこは価格差に比例していると思う。
「ゼノン」に短所は存在するのか??