【1年の開発期間を経て完成】4ft10inのショートレングス設定の入門ロッド!家邊克己が「THIRTY FOUR+E 410M」を解説
最近、アジングを始めようと思ってくださる方が増えてきました。
これは我々アジング業界の人間からすると非常にありがたいことです。ですので、その人達が釣れるようにもっと色々な正しい情報と、釣りやすい製品を作って提供しないといけないと最近つくづく思います。
家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール
使うロッドによって釣果に差が出る!良いアジングロッドとは?
そのようなことを踏まえてサーティフォーのロッドラインナップを眺めていると、エントリーされる方にしてみれば値段がネックになると思えてきました。
入門用の「ガイドポスト(LHR-57 Ladies/LHR-69)」で値段はギリギリ、儲けを削っている状態です。それ以上安くするということは本当に難しい。
サーティフォー公式「ガイドポスト(LHR-57 Ladies/LHR-69)」詳細ページ
アジングはロッドに負うところが多い釣りで、僕は今まで色々な釣りをしてきましたがアジング以外でこれほどロッドで釣果に差が出る釣りを知りません。
「良いアジングロッドとは」とアジンガーの人に尋ねたら、ほとんどが「感度の良いロッド」と答えられると思います。ただし、今のアジングはプランクトンがメインの餌になるので、ロッドに求められるものは感度だけではありません。
僕は「釣れるロッド」が良いロッドと思っています。それはモチロン感度も関係しますが、感度を徹底的に追求していくと、感じるモノの多さでそれらの情報を分析しないといけません。
昔アユの友釣りが好きな時期があって、随分と真剣にやっていましたが感度を追求していくと物凄い情報量になります。
例えば穂先が何かに反応し、本当にアユが近づいた感覚なのかそれともゴミが触ったのかを分析していかなくてはなりません。
それが面倒すぎて結局そのような情報はある程度までで良いと分かりました。
アジングも同じで、感度をいくら良くしてもアジのいない所では意味はありません。
軽量ジグヘッドを扱える「しなやかさ」と「重さの変化」の分かるロッドが必要不可欠
今のアジはプラントンをメインベイトとして食べています。プランクトンの定義は「水流に逆らえる遊泳力を持たない生物」 なので、水面にある植物性プランクトンは、風や潮で運ばれることになり、潮目と呼ばれる潮のぶつかりによって起こる「沈む流れ」、いわゆる「沈降流」に乗って沈んでいきます。
その沈む流れが止まった所にプランクトンが溜まって塊ができ、それを食べにアジなどがやってきます。ですので、その塊の場所を知ることが重要になります。
その場所はジグヘッドの重さの変化で知る。というように色々な所でお話しているので、ご存知の方も多いと思いますが、潮の流れが分からなければ当然その場所も分かりません。
しかもアジングのメインポイントは港内なので潮の流れは緩く、その流れに乗るにはジグヘッドも当然軽くないといけない。
となると、ロッドに求めらる物の1つとして軽いジグヘッドが扱える「しなやかさ」とその「重さの変化」がわかるバランスということになる。
「釣れるロッド」の条件
アジングロッドといえば、パッツンパッツンのイメージがありますが、アジングを始めたばかりの方はそのようなロッドで軽量ジグヘッドを投げるのは中々難しいと思います。
物干し竿でバドミントンのシャトルを投げるようなもので、パッツンパッツンのロッドだと曲がらなくて「しなり」が使えず難しい。
サーティフォーではプランクトンパターンになってから、そのような理由で段々とロッドアクションが良く曲がるスローアクションのロッドを作るようになってきました。
そしてバランス。これは簡単にいうとロッドを天秤測りだと思ってもらえれば良く分かります。ジグヘッドの重さの変化を知りたいので、重心のある位置にグリップを持ってくることで、ロッドが前と後ろで釣り合ってジグヘッドの重さの変化がわかりやすくなります。
今のプランクトンパターンにおいて、これらのことが満たされたロッドが釣れるロッドだと私たちは考えております。
1年の開発期間を経て入門ロッドがデビュー!その名は「34+E 410M」
そのような理由からアジングはロッドの役割がとても重要。
釣りを始めようと思う方にとっては、続けるか続けないかはやってみないことには分かりません。だから代金は安いほど良いに決まっていますが、安く作ろうと思うとどこかを削るしかありません。これで相当悩みました。
そこで、薄利多売(はくりたばい)の方法でなんとかできないかと、1年かけて作ったのが「THIRTY FOUR+E 410M」というロッドです。
このロッドは、レングスを4 ft10inとかなり短くしました。
以前に「アドバンスメントFPR-46」を作っていたので、短いロッドでも十分にアジングができることは分かっていたのと、女性でもお子様でも投げやすい長さということでこの長さを選択しました。
ロッドを作る上で価格のウエイトが大きいのがガイドですので、ガイドにはアルコナイトリングを採用し、コストを下げました。アルコナイトリングはSICと遜色ないので、その使用感の違いはほとんど分からないと思います。
このガイドに気がついたからできたロッドといっても過言ではなく、実際に僕はテストでずっと使用していましたがアジングをする上でまったく問題はなく、サブロッドとして十分に使用できるできになっております。
アクションは、ファストとスローの中間のミディアムアクションにしてあり、3gの重いジグヘッドから0.5gくらいの軽いジグヘッドまで自由自在に使うことができるので、本当に良いエントリーモデルが完成しました。
価格は14,190円(税込)です。6月発売になりますので、よろしくお願いいたします。
「THIRTY FOUR+E 410M」の解説動画もぜひ参考に!
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