「乗っ込み」と聞けば、そう。「タイラバゲーム」の季節が今年もやってきました!
春先はマダイが産卵のためにシャローへ接岸し、荒食いをはじめるので初心者の方が入門しやすい季節でもあります。そこで、今回は「タイラバ基礎講座」と題し、タイラバゲームの基本について色々紹介していきます!
タックルセレクト ①ロッド
まずはタックルセレクトについて。
ロッドは様々なメーカーから専用ロッドがでています。
長さは大体6~7ft(1.8~2.1m)前後が主流。中には専門性の高いショートレングスの5フィート台や、キャスティングに特化した7.5フィート前後のものまで色々あります。
ティップに関しては他のジャンルと同様、ソリッドティップとチューブラーがあります。
おさらいしておくとソリッドティップは簡単に言うと中身が詰まった竿先で、チューブラーは空洞。一般的には、ソリッドは柔軟性に優れており、ナチュラルに食い込ませやすいというのが特長。チューブラーは中空で感度に優れていて、やや張りのあるイメージ。
近年、低価格帯のロッドでもソリッドとチューブラー問わず、高品質な素材を採用しているものが多いので結局は好みだったりします。
タイラバをザックリ分けると、初期バイトからじっくり本アタリに持ち込むオーソドックスな乗せ重視のスタイルと、初期バイトから即フッキングへ持ち込む掛け系のタイラバがあります。
エリアや状況、自分の得意なスタイルに合わせてマッチするロッドを選びましょう! また、リトリーブを安定させることが釣果に結びつくタイラバ。
リトリーブを安定させるには、グリップを脇に挟んで竿先を下に構えてリーリングすることが重要。自身がその姿勢に持って行きやすいロッドを選ぶのも大切です。
タックルセレクト ②リール
リールは小型の海水対応ベイトリールが基本。
大体200番くらいがオーソドックス。メインラインにPEを使用しますが、200mは巻ける糸巻量がほしいところ。
近年は深場でのタイラバもメジャーになってきています。PE1号で300m以上巻ける専用機も増えてきているのも事実。また、タイラバ専用リールには視覚的に水深が分かるようにデジタルカウンターが付いているものまであります。
同じベイトリールでもハイギヤモデルやローギヤモデルと機種が分かれていることも良くあります。
ハイギヤモデルはリール1回転あたり70~80cm前後、ローギヤモデルは50~60cmほどの巻き取り量。ザックリ説明すると、ハイギヤは1回転の巻き上げ量が多いのがメリット。デメリットは巻き感が若干重いのと、強い負荷が掛かると巻きにくいことがあります。
ローギヤのメリットは巻き上げ力があって、あえてスローに誘いたい時に使いやすいです。デメリットは1回転の巻き取り量が少なくてハイギアよりタイラバの回収に時間がかかります。
・回収が速い
・潮の変化が感じやすい
ハイギヤは回収が楽なのはモチロン、潮の変化を感じやすいというのがメリット。
巻き上げのトルクこそないものの、海中の抵抗を大きく伝えてくれます。タイラバをしていると良く潮の変化を感じるゾーンがありますが、それが分かりやすいです。
そんな潮の変化があるところ(レンジ)では、マダイがバイトしてくることも多いので、なんとなくアタる感じを予測しやすいというのがあります。
・巻き上げ力があるので巻きが軽い、スローに誘える
・大型魚とのファイトも安心
ローギヤは巻きが軽いのがメリット。巻きの軽さは安定した一定のリトリーブにもつながります。
また、ハイギヤリールでは意外と難しいスロー巻きもしやすい傾向があります。そして巻きにトルクがあるので、マダイからの初期バイトで巻いている手を止められることがなく、そのまま継続して巻き続けやすいメリットがあります。
細かくいえば他にも沢山メリットもデメリットもありますが、大まかなメリットは以上になります。
いずれにしても、一定速度の安定した巻きが必須なのは間違いありません。スムーズに巻き続けることができて、ドラグの滑らかなものが必要条件。(ドラグ力は4kg以上あるとグッド)。
ちなみに、ビギナーで安定した巻きを求めるなら、ダブルハンドルのリールがオススメ。
パワーハンドルは巻くのは楽ですが、片方に偏った大きいハンドルを回すと、意外と安定させて巻くのが難しかったりします。エントリーするならまずはダブルハンドルをオススメします。
メインラインとショックリーダー
メインライン(PE)とリーダー(フロロカーボン)は、狙うポイントの水深や魚の大きさによって選びます。
基本はPE0.6~1号。リーダーはフロロ3~5号(3m前後)程度。初めての方なら少し太めのPE0.8号にフロロ3.5号などの組み合わせがオススメです。
リーダーは細い方が食い渋りには有効かと思われがちですが、タイラバに限ってはアタリの数にさほど違いはなく、むしろ遊動式のヘッド内を通ったり、根への擦れを意識するなら、4号を基準にしても問題ないぐらい(太い方が底は取りにくくはなる)。
リーダーの長さは3m前後がベター。傷んだ部分をカットしたり、遊動式のタイラバを交換する時にカットしたりと多少長めがオススメです。
タイラバのパーツについて
タイラバにはヘッドやネクタイに、スカート、フック、トレーラーなど! 色々なパーツが備わっています。
ヘッドはシンカーの役割と同時にマダイへアピールさせるためのパーツ。素材は鉛とタングステンの2種類となっています。最初の段階ではなくしてもダメージが浅い、鉛タイプのヘッドがオススメ。慣れてくるにつれて徐々にタングステンへデビューしましょう。
また、ヘッド形状も色々で、形によってタイラバのアクションも変わります(受け流す水流によりスカートなどの動きが変わる)。
球型・ストレート系
リトリーブ(巻き)に対して真っ直ぐにタイラバが動く。「球体型ヘッド」がストレート系の代表格で、ヘッドに余分な動きがないためナチュラルに食わせるのが得意です。
太鼓型・バイブレーション系
サイドがフラットに(斜めに)カットされているのがこのタイプ。リトリーブすると、絶妙なブルブルアクションを生み出し、ネクタイと連携してある程度の動きを与えます。
スラローム系
スラロームにすることで大きくアピール。ディープドテラのタイラバやキャスティングでは特にスラローム型が活躍。
スカートは主にマダイにアピールするのをメインに、フック同士の絡みを防ぎます。
ネクタイはマダイのバイトに直結する重要パーツ。カラーセレクトもヘッドより大事で、近年ではネクタイのみのセッティングがあるほど。
ネクタイはカラーや形状が色々。
形状は、大きくいえばストレート系とカーリー系の2種。
ストレートはオーソドックスでナチュラルに食わせるのが得意。カーリーは基本的には水噛みがよく、強波動をだすアピール重視型。
その中でもゴカイや小さな甲殻類など小さなベイトを意識した、アピールを抑えたショートカーリー型などもあります。
シリコン以外にも、ワーム素材のネクタイもあります。
ワーム型のネクタイはシリコンより更に動いてくれます。潮が緩い時にデッドスローがアタるといったシチュエーションで、通常のネクタイが動きにくい状況で使うと効果的です。
カラーも色々あり、一概にコレとは言い切れません。
当たりカラーを見つけるのもタイラバの面白さですので、当たりカラーを見つけ出しましょう。定番はオレンジや赤系。タイラバゲームが普及し始めた時から既に使用されていたカラーでとにかく万能。
フックは2本が多く、長短が付けられているのが標準。
チヌ4~8号、グレ8~9号、マダイ8~12号あたりがポピュラー。また、専用バリでは分かりやすくS、M、Lなどサイズ表記しているものもあります。
フックに主にチョン掛けで使用するトレーラー(ワーム)も今ではメジャーになってきました。
メリットはこれらのトレーラーそのものがアピールしてくれるため、ヘッド形状などをあまり加味しなくても使いやすい点が挙げられます。
味、ニオイの要素を加えたフォーミュラ系もでているので、1つは忍ばせておきたいアイテムといえるでしょう。
イワシなどのベイトを追っているような時にも効果的になることが多いですね。