みなさん、こんにちは。花田 浩晃(はなだ ひろあき)です。
…突然ですが、こちらの記事を覚えていますでしょうか?
【長い/感度が良い/操作性がいい】Tictで開発中のメバルロッド”ICE CUBE”のNewモデルは8.3ftの長尺モノ。
そう、2020年の春の時点でまだ開発中だったロッド「ICE CUBE 83TT-Sis ROCKIN THRASH TUNED(ロッキンスラッシュチューンド)」。長らくお待たせしてしまいましたが、その後もテストを重ね、数回のリファインの上やっと納得のいく仕上がりに。
今回は最終的にどんなロッドに仕上がったのか、そこまでにどんな紆余曲折があったのか、その辺りをお伝えできればと思います。
花田 浩晃(Hanada Hiroaki) プロフィール
もう少しパワーが欲しかった
「ICE CUBE 83TT-Sis ROCKIN THRASH TUNED(ロッキンスラッシュチューンド)」の主なコンセプトは、海峡エリアの流芯や付近の反転流、シャローエリア沖のブレイク、沖のシモリ等のポイントをミッドウェイトルアー(2〜8g)を使用し、ルアーの飛距離を伸ばして遠距離ポイントを攻略したり、足場の高い磯場、テトラ帯や堤防で「際」のポイントを攻略。ヒットしたらロングレングスを活かしてランディングに持ち込む等の用途に特化させたモデル。
春にご紹介したセカンドプロトをその後、数回リファインしていよいよ最終プロトとなりました。
セカンドプロトでも十分釣りましたし、良いロッドだったんです。では、何故リファインが必要かだったかというと、セカンドプロトはレギュラーテーパー寄りのセッティングで、言うなればより以前のスラッシュに近いテーパー。
これはこれで2.5〜3.5gのスタンダードなルアーならしっかりと曲がり、胴に乗るので良く飛ばせます。ただ、6g前後のウェイトになるとパワー負けして初速が出し難く飛距離が出しにくい。また、スピンテールジグ等の巻き抵抗があるプラグを使用すると、ベリーまでティップが入ってしまいアタリや潮流などを感知しづらいという点も。
また、テスト釣行中にシモリが点在する根が荒い磯場で、25cm程のメバルをボトムでヒット。…させたのは良いのですが、シモリにスタックされランディングに苦労しました。
と、ここで感じたのがロッドのパワー不足です。とはいえ、ラインナップ的にはtict社のアイスキューブシリーズには「ICE CUBE 74TT-Sisパワーチューブラー」というテーパーとロッドパワー、キャストフィールが似ているロッドがあります。つまり、そのままただ単にロッドパワーを上げるだけじゃなく、コンセプト的にもラインナップ的にも差別化する必要があった訳です。
そこで、実際にどうしたかというと…ベリーのパワーを旧スラッシュより2.5%ほど上げつつ、ルアー操作の軸となるカーブ頂点を少し前に寄せて”レギュラーテーパー”から”レギュラーファーストテーパー”に変更。
これによりティップからベリーにかけてブレが少なくなり振り抜けが良くなり、ミッドウェイトルアー使用時のキャストの際にルアーの初速を出しやすくなり飛距離が向上。さらに、抵抗のあるプラグをリトリーブする際も、ベリーの張りのおかげでショートバイトや潮流の変化等のフィールドの状況がわかりやすくなりました。
パワーを上げたので当然ファイトの際も強引に浮かせることができ、根の荒い磯場やテトラ帯でも前プロトより余裕あるランディングが可能になりました。