今江克隆のルアーニュースクラブR「最大の収穫は?2020年を振り返る〜2021年の注目トピックも紹介〜」の巻 第1031回
コロナ禍に激震した2020年もあと2日。
今週はそんな2020年の今江的トピックスを、徒然なるままに振り返ってみたい。
2020年は…
今年を振り返ってみると、まさに新型コロナウイルスに振り回された年だったのは、誰もが同じだろう…。
自分にとって最大の変化は、なんと言っても36年間のプロキャリアで初めて、TOP50が開催されずトーナメントが一試合も出来なかったことに尽きる。
ただ中止が完全確定する8月までは、常在戦場の気持ちで何時でも試合できる体制を敷いていたので、何ともストレスの溜まった前半だった。
だが、最悪でも全戦中止はないだろうと思っていたコロナが収まりかけた夏場に、予想外の全戦中止が突然決定した瞬間は、一時魂が抜けたような気持ちになった。
体調は万全なのに本気の試合がないというのは20歳以来初めての経験で、中止決定当初は何だか失業か、引退したかのような、居場所が無くなったような気持ちになってしまった。
しかし、2020年が終わろうとしている今振り返ると、結果的にコロナ禍によるTOP50の開催中止は自分にとって実は大きなプラスに働いた気がする。
ナゼなら36年間1度も気を抜くことなく常に全開で、ガン闘病期以外一度も欠場することなく常に最前線を全力疾走してきたトーナメント人生、それゆえに一度止まって溜まりに溜まった肉体的、精神的疲労、そしてトーナメントを最優先にして来たがゆえに残してきた様々な負の遺産をメンテ、充電する暇すらも無かったことに、今更コロナで気付かされたからだ。
考えてみれば毎年試合が終わればすぐフィッシングショーの連続、またそれが終わるとすぐ試合開幕、同時に会社経営者としての煩雑な業務も加わったここ十数年は、どれかを一度思い切って止めなければ本当の意味で体勢を整え直す時間的、精神的余裕など全く無かったように思う。
それは特に近年、年齢、体力の衰えと共に一度止まってしまうと、もう二度と最前線へ戻れない怖れも加わり、自分に無理に無理を強いていた気がする。
気が付けばまさに惰性での消耗戦となりかけていた近年の状況を、この思いもかけないコロナ禍は、ジックリと時間を掛けて、初めて落ち着いて解消するために、またとない貴重な時間を与えてくれたように思う。
それこそ、今まで倉庫の奥にグチャグチャにして押し込んで、見ないようにして片付けてきた「フリ」をして来た物事を、そして応急処置で凌いできた様々な古傷を、丸1年掛けてキレイに初めて大掃除、整理整頓、そして修理回復するために十分な時間をコロナ禍は偶然にも与えてくれた。
言い換えれば、初めて1年掛けて来年の準備に全集中できた1年だったように思う。
トップ50全戦中止がもたらしたプラスの面とは?