夏といえば…の「トップウォーター」。
トップウォーターとひとくちにいっても、さまざまですよね。
今回は「ガルツー」こと津輕辰彦さんに、基本的なトップウォーターの考え方を聞いてみました。
津輕 辰彦(Tatsuhiko Tsugaru) プロフィール
もちろん、状況によっては細かな微調整は必要なのですが「ベース」を持っていると持っていないのでは大きな差となります。
そんなベースとなる考え方をご紹介!
メインのトップウォーター
まず、先日ご一緒させてもらったロケ(房総リザーバー・高滝湖)で用いたメインのルアー(スピナーベイトを除く)は以下の通り。
・ボルケーノグリッパー1/2オンス
・ボルケーノグリッパー3/8オンス
・ボルケーノⅡ
ルアーの全体図
これを「ルアーの強さ」順、そして「巻き続ける」ルアーと「ポーズを入れる」ルアーに分けた全体図が以下。
先発としてバズベイト
さて、ではどう使っていくのかという部分です。
そのフィールドにいる魚がアフターなのか、回復した魚なのかが時期的に「中途半端」であったり「状況が分かっていない」場合の先発としてはバズベイト。
というのも、バズベイトは回復していてガンガンベイトを追うようなバスへのアピールとともに、産卵後の特にメスに対しあの「音」がかなり効果的。
つまりどちらの魚にも高次元で対応してくれるからです。
また、全体からすると基本的には「バズベイト3兄弟」はいずれも強いルアーとなります。
そのためザックリと撃っていける。
ピンスポットを何度も通さなくても、そこに活性の高いバスがいればルアーパワーで寄せてこられる(答えが速い)のです。
これが「状況が分からない」フィールドをテンポよく探れる要因となります。
そのバズベイト自体の使い分けとしては簡単にですが前回記事でもご紹介しました。
まさに‶中途半端〟な状況の高滝湖でのロケでは、バズベイトの中では中間の強さのボルケーノグリッパー3/8オンスから様子を見て、バイトがかなり深いとみればより強い1/2オンスでさらに効率的にバスを狙っていくシーンもありました。
もちろんバイトが浅い、ミスバイトが多いならボルケーノⅡにするのが基本路線。
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ビハドウ110
次にビハドウ110。巻き続ける(動かし続ける)ルアーの中では非常に弱い、けれど魚を呼ぶ力はしっかりとあるダブルスゥイッシャーのI字系。
「強いルアーの中ではヒジョ~に弱い」そんなルアーといえます。
強いルアーというと誤解があるかもしれません。「動かし続けるルアーの中では弱弱弱」、そう理解していただけるとイイかもしれません。
使い方もシンプル。ゆっくりV字の波紋が出るように巻く。
ロッドティップをルアー方向に一直線に向け、ラインには弛みを作り引っ張らないでリトリーブするのがコツ。
ダブルスゥイッシャーですが非常に薄いペラは、そのものがバスを呼ぶというより、V字の波紋を出すのとアングラー側に引き抵抗をもたらすためという役割の方が大きいです。
「巻き続ける」ルアーの中で強いモノに反応がなければ投入してみたいルアーですね。
また、特性上水面が荒れてない時に使う方が真価を発揮しやすいです。
そして小魚タイプのシェイプではありますが、実は水面を泳ぐエビ(特にテナガエビ)のような波紋を出し、実はエビ食いのバスにも効果的なんだそうです!
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止めを入れるトップ
ポーズを入れるトップウォーターが、レイダウンミノー・ウエイクプロッププラスとタフバグ。
つまりはロッドをコントロールしてアクションを入れる、「弱いルアー」という位置づけですね。どちらも追い気のないバスにグッド。
ビハドウもルアーパワーだけでいえば弱いルアーです。けれども巻き続けるルアーです。
バスからしてみれば泳ぎ続けるエサです。
ポーズが入るルアーの上記2種は、泳ぎ続けるエサを追いきれないヤル気のないバスを拾えるのが特徴です。
まず、2つの比較でいえばウエイクプロッププラスの方が金属音がある分やや強め、ポッパーのタフバグは最も弱いルアーとなります。
その場でネチネチ型の2つのルアーは、「近くに浮いている食べられそうなモノがれば食べようかな…」というテンション低めのバスに向きます。
基本的にはロッドティップを小さく下げて(軽いトゥイッチ)動かす(潜る)→浮かせるというルアーです。
後述しますが、どちらも一見似たロッドワークとなりますが、実は異なります。そこにはラインスラックを作る、作らないという要素が絡むからです。
ウエイクプロッププラス詳細ページはコチラ
ウエイクプロッププラス
レイダウンミノー・ウエイクプロッププラスは、軽いトゥイッチでリップが水をつかみおじぎをするように潜って浮く、そんなアクション。
カバー、障害物などを移動距離を抑えてネチネチ探ることができ、加えて潜った時にペラとフックが当たる音とラトルサウンドがあり、程よくアピールしてくれるルアー。
スイッチが入りきらないバスにジリジリと気付かせ、やがて無視できない存在となりバイトに至らせます。
ロッドティップを下げて止め、潜る→浮くで徐々に手前へと動きます。
ちなみに引いてくる距離ですが、カバーの奥に撃ったと仮定するとシェードが切れる所まで探ったら回収でOK!
タフバグ
今季発売予定のタフバグは、斜め45度くらいの角度で頭をヒョッコリ出しつつ、軽いトゥイッチでは潜ってポコッと水をはらんだ甘い音を出すポッパー。
こちらも移動距離は短く、派手なポップ音ではなく、やはり活性の低いバスにスイッチを入れます。
タフコンでこそ真価を発揮し、沈みがちなバスが浮いてきてバイトすることも。
さて、その動かし方です。ウェイクプロッププラスがロッドティップを振り下ろしたら戻さないのに対して、タフバグは振り下ろしたティップをすぐに戻す必要があります。
ラインスラックを作り、左右に首を振らせることができるからです。
ティップを下ろす、即座に戻す。これによりラインスラックが生まれ、一瞬フリーになるのでタフバグは左右に首を振ってくれます。
この「ラインスラックを作る」ためのティップを即座に戻すアクション。
これが慣れないという方に、ぜひ試していただきたいのが津輕さんのロッドワーク。
グリップエンドに注目です。
肘のやや内側、腕にグリップエンドを当ててトゥイッチング。
「こうすることで腕に当たった跳ね返りの反動で、オートマチックにティップが戻ります。これで自動的にラインスラックを作ることができます」
特に非力な女性などに超オススメとのことですので、どうしても手前手前へと引っ張ってしまいがちという方はお試しアレ!
ウェイクプロッププラスとタフバグ、ロッドワークには違いがあることを意識しておくとよりよいアクションとなるハズです。
使用する優先順位
最後にこれらのルアーを使う優先順位です。
特定のルアーやベイトに著しく反応している状況を除いては、やや強めのルアーから入るのがベター。
弱いルアーから入ってしまうと、ルアーパワーが弱いためにバイトがないのか、地形や水の状態でバイトがないのか判断を誤る可能性があるからです。
このような考え方が「ベース」となります。もし「トップで釣りたいけれど何から始めれば…」とお悩みなら、参考にしてみてください!