【遂にベイトタックルで1gをキャストする時代が】加来 匠(レオン)がベイトタックルで1gを試し投げした検証結果をレポート!
そもそも「ベイトタックルで1g投げることに意味はあるのか!?」、「スピニングでやりゃあ良いじゃん」という論議があります。そして、僕もこの点においてはおおむね同意見です。
無理に極軽量リグが投げにくいベイトタックルで投げる理由(場面)は、実際のフィールドにおいてほとんど無いと言っても過言では無いでしょう。
今回はソコを踏まえての話になるとはいえ、ライトソルトにおけるベイトキャスティングの楽しさを知った身(発信する身)としては、やはり今回28mmスプールを搭載して世に出た、「アルファス AIR TW」【ダイワ】の実力がどれほどのモノか、その限界を試したくなるのが正直アングラーという者の性でしょう(笑)。
レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール
ベイトタックルで1gを上手くキャストできるか検証
ということで早速、自宅近くの川へ出向き、軽量リグの遠投とコントロールキャストが得意である、長尺ベイトロッド「FXB-TS79UL Tres SABIO」と、現在開発中の短尺ベイトロッド「FXB-ES52UL SALA」の2本を持ち込んで、1gがどう上手くキャストできるかという試投をしてきました。(※達者では無いからこそ意味のある試投と計測)
話を進める前に、前提として言っておきたいことがあります。それは、僕は決してベイトキャスティングの熟練者では無いと言うこと。ベイトに関してはあくまでも初心者に毛の生えた程度の技量と自覚しております。
しかも、ベイトリールの機構や機能面などのメカニズムに関しても、さほど興味が強いわけでも無く、正直その辺は「面倒くさい」、「快適に使えれば良い」というのが偽らざるホンネです(笑)。
さて、そんなレベルのベイトキャスターである僕でも、もし1gリグをバックラッシュさせること無く、飛距離もスピニングタックル並みに投げることができるとしたらどうでしょう。
これはつまり取りも直さず「誰でも投げられちゃうよ」って事になるワケですよ。実はぼくはコレを10年も夢想して待ちわびていたのです。
ということでまず8年前のベイトフィネス機による実釣動画から見て下さい
参考動画(2012年収録)はこちら!
この動画で注視してほしい点はリグウエイト。①②ではベイトフィネスタックルを使っていますが、③の中盤からスピニングタックルです。
この頃、僕のベイトとスピニングのウエイト的分岐点は4gでした。3gより上はベイトで、3gより下はスピニングといった使い分けです。
この当時、正直ベイトでは4g以下のキャストが快適だとは到底言い難かった状況だったからです。
ベイトで極軽量が投げられたらライトゲームが大きく変わる
日々ソレを思い続けている内に、2016年辺りから出てきたBFS機やAir機の出現でまた概念が変わりました。
より軽量なリグが間違いなく投げやすくなったのです。大まかに言えば3g以下が実釣レベルで使えるようになってきました。
そしてさらに2017年からは、フィッシュマンのビームス インテが、インクスからは「サビオ」が発売され、今度はロッド性能の恩恵で3gキャストが非常に快適になり、さらに1gのキャストまでが視野に入ってきたのです。
ただし、この時点ではロッド本来のスペックをリールが引き出すことはまだ難しく、1gやアンダー1gをキャストするアングラーが居たとしても、それはアングラーのキャスト技量やリールの極フィネス改造有りきが前提に過ぎないというのが正直な僕の感想でした。
だって、とても一般アングラーが1gをキャストして「フルキャストでコントロール良く」というレベルには至っていなかったですからね。
まあ正直なところ、堤防からのナイトゲームでオープン方向へフルキャストすることの多いライトソルト事情においては、4gからが安全圏というのがまぎれもない実態でした。
単体1gのリグが平均15m。最長で22m飛ばすことに成功!?
さていよいよ今回の本題です。では28mmスプールを搭載した「アルファス AIR TW」のフィネスな実力はどんなものなのか? と投げた結果、正直息を呑みました。
ダイワ公式「アルファス AIR TW」詳細ページはこちら
驚きです。使用したルアーは「アゴメタル」(1g)ですから、空気抵抗も少なく比較的投げやすい物ではありますが、同じラインシステムでスピニングタックルでも検証した結果、さほど飛距離に差がないのです。
フィッシュイン公式「アゴメタル」詳細ページはこちら
なにより驚いたのは5.2ftのショートロッド(ラインはPE0.4号)にブレーキ5設定で最長距離約22mも飛んだこと驚きました。
10年取り組んできた僕もコレにはぶったまげました。過去に経験したことのない1gリグの飛距離です。
しかも動画で説明しているように、ブレーキ6設定であれば飛距離は14〜17mと落ちるものの、ほとんどバックラッシュなし。こりゃヤバいです。とうとう来ちゃった気がします。ソルトライトベイトフィネスの新時代が。
1gキャストの動画はこちら!
で、さらに28mmスプールの素晴らしい点が。それは、1gが着水してからフォールする時について。ベイトリールの機構上、1gの極軽量リグではフォールの際にラインがスムーズに出ていかないのです。
だから今までは手でラインを引っ張り出して手伝ってやる必要がありました。ところが28mmスプールは径が小さいので軽い力でもスプールが回る上、ベアリングまでマイクロサイズにしてあることで、さらにその性能がアップしているのです。
なんと1gがあり得ない速度でスルスルと降りていきます。こりゃあヤバイ。こんなことができるなら、スピニングでは難しいフォールバイトの感知が簡単になることは間違いない話です。
こうなると冒頭の前文を撤回しなきゃならなくなるのです。つまり、ベイトならではの利点を活かした1g及びアンダー1gのソルトライトの新展開が必ず生まれてくると思うのですな。
ただし、この1gというのはあくまでも1つの局面に過ぎません。ベイトタックルを使ったライトソルトでの主軸は、やはり3〜5gだという概念は変わりません。しかしノーチューンで普通に1gが使えるということになれば、これは大きい。
”誰でもやれる”というレベルが現実のものになったと断言しますよ。ベイトキャスティングがあまり上手で無い僕だからこそ、自信を持って言えるのです(笑)。
ただし、ベイトキャスティングは練習有りきですよ、というのを最後に付け加えておきます。