さて、突然ですが…
なんでこのルアーこんな形(アクション)なんだろ? なんでこのロッドこんな曲がり方するんだろ? なんて、思ったことはありませんか?
普段はあまりお見せすることのない、開発の進め方や裏話、どうやって製品ができあがっていくのか。 “開発の意図”が伝われば、もしかして釣りのヒントになるんじゃないか…?と、思ったりするんです。
そう、「釣れる」ってだけじゃなく「なぜ釣れるのか」というトコロ。
そこで、RAID JAPANの開発担当者として、開発ストーリーや、今取り掛かっているアイテム、そしてそれらに対する秘めたる想いを、月イチ更新で書かせてもらう運びとなりました。
モノによってはモザイク処理が入ることもあるかと思いますが…。
初回となる今回は、2020年に発売となるGLADIATOR AntiとGLADIATOR MAXIMUMの新機種について、書いていこうと思います!
RAID JAPANの2020年Newロッドは4本。
GLADIATOR Antiシリーズが2本に、GLADIATOR MAXIMUMシリーズが2本リリース予定となっています。
GLADIATOR Anti GA-72HC 『King Heavy』
●全長:7フィート2インチ
●パワー:ヘビー
●適合ルアー:3/8~1・1/2oz.
●適合ライン:12~20lb.
「ヘビーパワーなバーサタイルロッドが欲しい!!!」というコンセプトで作られたのがこのキングヘビー。
同じGLADIATOR AntiシリーズにラインナップしているヘビーアクションのGA-611HC(ブラスター)は、全体的にビシッとしたファーストアクションのワーミングロッド。
一方、キングヘビーはモチっとしたレギュラーファーストアクションのヘビーロッドで、ワーミングから重量級の巻物まで幅広く対応。
対応する釣り方は具体的に…
<ワーム>
テキサスリグやラバージグ、バックスライドワームでのカバー攻略、ジグスト&ミノスト、ジカリグやフリーリグでオープンエリアをズル引き、ヘビキャロで大遠投などなど。
<巻物>
以前紹介したレベルスピン1/2oz.+フルスイング4inchの組み合わせ(以下の記事参照)、ヘッドスライド&フルスイングのスイミングジグの釣り、そしてデカダッジクラスの大型ルアーなど。
実に、幅ひろく対応する1本となっています。
RAIDメンバーの中でも、プロト段階から奪い合いのケンカが勃発していた機種で、この手のヘビーロッドが苦手?だった金森もこの争奪戦に参戦。
また、当初『用途が分からない…。』と言っていた江口も、今ではボートでもオカッパリでも2本常備している位の気に入り用…。
特に最近ハマっているマスタージグにエグチャンクを付けて使う“ジグスト”にはこのロッドがベストなんだとか。
また、パワーフィッシングが主体な琵琶湖ガイドの近松や淡路島のオニちゃんなんかも、かなり気に入って使ってくれています。確かに、琵琶湖ではかなり重宝する機種になりそうですね。
フィールドが違い、釣りのスタイルが違う面々が気に入って使っているこのキングへビー。一言でいうと“ヘビーバーサタイル”な1本。
“キングヘビー”というサブネームの由来はそこから来ています!
GLADIATOR Anti GA-75XXHC 『UNDERTAKER』
●全長:7フィート5インチ
●パワー:ダブルエクストラヘビー
●適合ルアー:MAX 5oz.
●適合ライン:16~30lb.
ズバリ、RAID JAPAN初のビッグベイト&スイムベイト専用ロッド。
3~4oz.クラスを主体に、最大で5oz.強のウエイトまで対応。アラバマ系にも使えるようなイメージで仕上げています。
RAID JAPANでルアー(ビッグベイト)をリリースしている訳ではないものの…ビッグベイトやアラバマリグ等を扱う事ができるロッドが欲しい!という、普段からビッグベイトを取り入れているテスターからの要望をカタチにしました。
開発にあたっては、琵琶湖のオカッパリやビッグベイトをやり込んでいるアングラーにもヒアリング。
特長としては、表記だけ見ると「XXHC」とガチガチなイメージですが、このロッドはTIPからベリーに関してはしっかりと曲がってくれるので、とにかくキャストがしやすい。
ビッグベイトを使用するときに、硬すぎて投げる時に疲れる、柔らかすぎて振り切れない、飛ばない…といったストレスを解消できるロッドになっています。
グリップの長さは330mm(リールシート下から計測)に設定。 これは、トゥイッチやジャーク等の小技を効かせたり、脇に当てたり挟んだり…といった事を可能にするため。
これからビッグベイトの釣りを取り入れたい!という方にもぜひ手に取ってもらいたい1本です。
クラッシュ9やブルシューター160等の4ozクラスのビッグベイト、またフルスイング4inch or 5inchを装着したアラバマリグを快適に扱えるロッドが欲しい!!そんな意見が数人のテスター(岡、浦川、近松等)から出たのが開発のキッカケです。
また、GLADIATOR各シリーズを愛用してくれている全国のアングラーの方からも要望が高かったので、2年ほど前から本格的に開発に着手しました。
もちろんブランクスは様々な素材を吟味、ガイドセッティングも色々と試しましたが、特にGRIPのデザインや長さにこだわりました。
通常のAntiシリーズと比べ、リールシート下のEVAグリップとエンドのEVAグリップは太くして強く握り込まなくても力が入る形状、デザインに。 サンプル時からストレートGRIPやセパレートGRIPなどを試し、様々な形状と長さをもテストしました。
リールシートから下の部分が、350mm以上あればウエイトのあるルアーのキャストは容易になり、またリトリーブ時には脇にしっかりと挟めるようになりますが、近距離でキャストを決めたり小技を利かせ難い…。
逆に短すぎるとまず投げ難かったり、腕への負担が大きすぎる…と色々と試した結果に採用したのが330mm。
これからビッグベイトの釣りを取り入れたい!という方にもぜひ手に取ってもらいたい1本です。
ちなみに“アンダーテイカー”というサブネームには特に意味がなく、いつかビッグベイトロッドを作った際にサブネームとして採用してやろう!と虎視眈々と狙っていましたw
GLADIATOR Antiシリーズのサブネームは“Baltoro”の様に一文字目が大文字であとは小文字で通していますが、この“アンダーテイカー”はロッドのイメージに合わせより強そうなイメージにする為に全て大文字を採用。
セパレート部分に赤字で大きく入れているサブネームは、水平ではなく“2°”傾けているのも、デザイナーの拘りですw 後半の2つは小さい部分ですが、こういった所にも開発側の想いが入っているんです。