【伊東由樹のメガトレンド最前線!】2020年生まれ変わるNEWデストロイヤーの全貌を直撃インタビュー【第一回】
テーマ:伊東由樹のタックルデザインの内側に迫る
YUKI ITO‘S INSIDE OF TACKLE DESIGN
ルアー「I-WING」と新機軸モバイルロッドの「トライザ」による同時受賞で、アウトドアスポーツ分野の日本人として史上初となる、世界で最も権威と歴史あるデザインアワード、IF(国際フォーラム)デザインアワードウィナーとして3年連続受賞を成し遂げたメガバス代表伊東由樹氏。
稀代の鬼斬り師「YUKI ITO」の世界観が生み出すスーパーバスロッド「新生デストロイヤー」、そのデザイニングの起源やロジックなど内側について伺いました。
伊東由樹(YUKI ITO ) プロフィール
デストロイヤーは、常に「破壊者」でした。
1986年に私が最初に手掛けたメガバスロッド、「ARMS」のDNAを受け継ぎ、これまでのバスロッドの既成概念を破壊、既存のロッドテクノロジーの破壊、これまでのバスフィッシングを破壊し、新たなバスフィッシングをコアなアングラーたちと創造をすることが、「破壊者」たる由縁です。「創造」するチカラがあるからこそ、「破壊」もできる、ともいえます。
未来を切り拓く新たなロッドテクノロジーとしても、2019年にアイティオーエンジニアリングの試作部門が主導した「プロジェクトLAIHA」から、続々と新技術が考案され導入されています。
デストロイヤーがデビューしてからいよいよ四半世紀を迎えて、新たな破壊者が、これまでの破壊者が成し遂げてきたものと、未だ成し遂げていなかった夢の領域も含めた両方を凌駕すべく、満を持して未知のロッドテクノロジーを解放する時が来たのです。実績や栄光のネームバリューにさえ満足せず、あえてこれまでの歴史に「挑戦」することも、デストロイヤーらしい創造的な破壊活動です。
私が考える「破壊」は、「創造」と一体です。
これまでの概念や実績をぶち壊したグラウンドゼロから、新たな世界へと踏み出す第一歩がはじまります。2020年、新たな破壊王を生み出した私のライバルは、‘96年に最初の破壊王を生み出した伊東由樹であり、さらに遡って‘86年に最初のバスロッド「ARMS」を生み出した、当時の自分自身です。
過去の創造主と対峙することは、実はとても勇気がいる行為です。なぜなら、それは、私にとって自己否定にもなりかねないからです。なお、過去の実績にしがみつくのは、人としてとても自然な行為です。いまの自分を保持し構成する上で重要な矜持(プライド)だからです。なのに、あえてそれを破壊する勇気が抱けるかどうか、でした。
一時代を築き上げ、成功した生産物を生み出した自己のプライドと功績について、新たな自分が新たなチカラで打ち砕き、マーケットで賞賛されてきたこれまでの実績を凌駕する、あえてゼロからの挑戦をすることが真の「創造」です。もはや、生き様(ざま)のようなものかもしれず、‘86年にメガバスをスタートアップした時と同じ、ARMSを作り上げた青臭い感情と同じものかもしれません。