今江克隆のルアーニュースクラブR 第994回「リアル系プリントの新事実!釣れる塗装のキモを公開」の巻
効果アリナシの差は…
もう既に「3DRリアリズム」塗装に関して、その実戦実績は言うまでもないが、10年近く3DRを研究改善してきて、様々な事実が経験的に分かってきた。
バスはルアーを襲う際に間違いなくルアーの「外観」を識別している。特に静止状態が長く大きい大型ルアーほどその傾向と効果は明らかになる。その最たる例が、鮒(フナ)、ギル、バスの外観からくる視覚的違いは確実に見分けているという事実だ。
これは長年の実戦と実績から、明らかな反応差があり、間違いないと断言できる。
イマカツの3DR塗装は、単なる写真転写プリントではなく、転写プリントと転写に命を宿す「写真加工技術」、「転写下地作り」に最大重点を置き、さらに「アナログな追加ブラシ塗装技術」のハイブリット方式で塗装されている。
転写写真に関しては、自分が実際に生きた被写体を、3DR化した時に最高の状態になるよう狙って撮影した写真を使う。これは自社工場の塗装ラインを自ら指導したエアブラシの最上級者レベルでの塗装技術が自分にあったからこそできた下地作りだ。この前過程が3DRの核心と言ってもいいだろう。
すなわち、同じ3DR転写でも「効果のある3DR転写塗装」と、極端に言うと「あまり効果のない3DR転写塗装」が存在するのだ。
あまり釣れない3DR?
さて、なぜ今さらこのような話をするのかと言うと、3DR塗装は「ハードベイトに施すより、ソフトベイトに施した場合、その釣果差が驚くほど明確に出る」と言うことに、この2年のテストでほぼ確信を持ったからである。
いわば、およそ生命体とはかけ離れた人工的なハードベイトに、3DRによって生命感を授けることができるに対し、もとから柔らかく生命感あるソフトベイトに3DRを施すと、逆にその生命感を失うことがあると言うことだ。
正直、ハードベイトで培った3DR転写プリント技術を、ソフトベイトに投入するのはさほど難しくなかった。しかし、その技術を投入した「ステルススイマー」は丸2年掛かった今もまだ市販化されていない。それこそ究極とも言えるソフトベイト3DRステルスが2年前に完成しているにも関わらず、丸2年も販売しない理由、そこに10年培った3DR塗装技術の究極のキモが隠されていた。
すなわち、「あまり釣れない3DR」が事実として存在し、「完成しないから販売しない」ではなく、「イマイチ釣れないから販売できない」悩みがこの2年間、ソフトベイト3DR塗装技術の最大の難点として存在したからなのである。
これは結果としてハードベイトの3DR塗装の「釣れる塗装のキモ」と結果的に同じことだったが、ソフトベイトの場合、それが極端に顕著にシビアに出てしまうというのが、結論である。
釣れる塗装のキモとは?