言わずもがな、新型コロナウイルス感染症対策のため、自宅で時間を持て余しているアングラーも多いことかと思います。
そこで今回は、こんな機会だからこそ普段できない、「ルアーのヘルスチェック」をしてみてはいかがでしょうか?
スピナーベイトのヘルスチェックをしてみる
ルアーのチェックで真っ先に思い浮かぶのは、ハードベイトのフックの確認だと思います。
フックのサビや針先の潰れなどを確認し、少しでも違和感があれば新品のフックに交換しておくのが吉です。
では、スピナーベイトのチェックはしていますでしょうか?
スピナーベイトの場合はチェック項目が多岐に渡ります。2週に分けて、どんな項目をチェックすべきかをお伝えしていこうと思います。
チェック①フック
まずは他のハードベイトと同様にフックのチェックです。
私は指の薄皮に軽くフックを立ててみて、針先が滑らないかどうかをのチェックしています。※くれぐれもフックの取り扱いには注意いただき、お試しいただく際は自己責任でお願いいたします。
スピナーベイトのフックは軸が太いものが多いため、針先が少しでもなまっているとフッキングに影響が出やすくなります。
薄皮に張り付くような感覚が失われていた場合は、フックシャープナーで軽く研いでみて、針先が復活した場合は使用しますが、上手く研げなかった場合は使用をやめます。
スピナーベイトの場合は基本的にフックを交換することができないため、フックが使用不能になることは、そのスピナーベイトの寿命を意味します。
使えなくなったスピナーベイトはブレードやスカートをばらして、使えるパーツは予備用に保管しています。
チェック②ブレード
ブレードについて、使い込んでメッキが剥げてきたり、傷がついたり酸化が進んで光沢が渋くなってきたブレードを私は大切にしています。
これまでの経験上、そのようなブレードの方が魚の反応が良いと感じているからです。
スピナーベイトが模しているものは、小魚だったり小動物であったり、その時々と場合によって異なると考えていますが、使い込んだブレードが醸し出す若干のくたびれ感が、バスに違和感を与えないと考えてもいます。
なので、私はブレードを磨くことも一切していません。ではブレードの何をチェックするのかというと、「歪み」です。
ここでスピナーベイトのブレードについて少し説明をしますと、ブレードの引き抵抗はブレードの形状の他に、カップのアールによって決まります。
ブレード形状でいえば、丸形のコロラドブレードはバイブレーションが強く、しっかり水を押します。
細長いウィローリーフブレードだとバイブレーションが弱く、あまり水を押しません。
これはそれぞれの形のうちわを仰ぐことを考えれば、想像に難くないでしょう。
ブレードのカップについてですが、カップが深いお皿型に近いとブレードの回転半径が狭くなり、カップが浅くて真っ平らに近いとブレードがブルンブルンと大きく回転します。
ノリーズのクリスタルSシリーズに置き換えると、「ORIGINAL」と刻印のあるブレードと、「DEEPER」と刻印のあるブレードでは、同じ大きさのウィローリーフタイプでもカップの深さとアールが異なります。
「ORIGINAL」の方が若干カップが浅いのに対し、「DEEPER」の方は若干カップが深いのとブレードのエッジが立ち気味になっています。
パッと見はほとんど差がないようにみえるこれらのブレードですが、ちょっとした形状の違いにより、回転半径や水噛みが大きく異なります。
これらを踏まえた上でブレードをチェックしてみると、ミスキャスト時にできたブレードエッジのくぼみや、ブレード自体の捻じれなど、ブレードのちょっとした「歪み」がアクションに大きな影響を及ぼすことが想像できると思います。
アクションに影響を及ぼしそうな「歪み」が出てしまったブレードは思い切って曲げてみたり切ってみたり叩いて形状を変えたりして、研究用として余生を過ごしていただくことになります(笑)。
次週もスピナーベイトのチェック項目をお届け
さて、今回は「フック」、そして「ブレード」と比較的分かりやすいところをお伝えしました。
次週は、地味ですが大事なパーツ(笑)である「スイベル」をはじめ、さらにチェックしてみていただきたい項目をお伝えします。
スピナーベイトに関しては、私のブログに様々な記事がありますので、ぜひ御覧ください!
津輕辰彦ブログ「ポチョンドッカン」
https://garutsu.pro/archives/1827
https://garutsu.pro/archives/2344
https://garutsu.pro/archives/1398
津輕 辰彦(Tatsuhiko Tsugaru) プロフィール