今江克隆のルアーニュースクラブR 第988回「吊るしとサスペンドと放置!春の最重要テクについて」の巻
「吊るし」で釣果に差が付くキモ
「吊るし」とは、何かに引っ掛けてルアーを浮かせる「提灯(チョウチン)釣り」の応用なのだが、大きく別けて「水面より上」、「水面直下」、「水面下50cm~1m前後まで沈めて誘う」の3段階に分かれる。
この中でも最後の「水面下50cm~1m前後まで沈めて誘う吊るし」はかなり難易度が高い。この釣りで重要なのは、吊るすルアーの姿勢が大切だとよく言われるが、それ以上に究極のキモは、バスが浮いて見に来るまで、「ビタっと一定水深で完璧に留め置けるか否か」なのである。実はこれ、ビッグベイトのサスペンド釣法と極めてキモが似ているのだ。
「吊るし」は目で見える水面や水面直下なら比較的簡単だが、見えない水深や場所で、ビタっと一定水深を完璧にキープして、なおかつ微妙にシェイクし続けるのは慣れないとかなり難易度が高い。
ビッグベイトと同様、留め置いているルアーの水深が上下にブレたら賢いバスは浮いてまで喰いには来ない。最低1分以上は完璧に留め置ける技術が最大のキモだ。
それ故にボートの場合、実はルアーを止める操作技術以前にボートを完璧に止め続ける操船技術の方がモノを言うことを覚えておこう。
「吊るし(浮かせ)」に有効なルアーを紹介
さて、そんな早春(本来なら晩冬?)の浮かせ技に有効なルアーをいくつか紹介しておこう。
まずは、最近自分的にマイブームなのが「アベラバHD」&「(風神)スパイダートレーラー」の通称「ダンゴムシ(団子虫)ジグ」だ。
今回のロケでも抜群の効果を発揮してくれた「ダンゴムシジグ」だが、水に浮く「スパイダートレーラー」を団子のように付けることで、3.5g前後の重めのアベラバでもスローフォール仕様に変化させられること、浮力があるので中層でのシェイクレスポンスが非常に良くなり、シェイク時にジグの姿勢が水平に近くなることと、メリットがある。
そして何より良いのが、形状的にブッシュや浮きゴミ等の隙間への滑り込みが抜群で、枝やブッシュへの絡み付いてもクルクルっと回転して解ける確率がさらに高まる。
また、シルエットが小さくなるため吸い込みとフッキング率が抜群だ。しかもトレーラーのワームでシルエットを出していた今までのスモラバコンビネーションとは決定的に違い、アベラバ特有のエビ状ラバーカットがスパイダーの全体を包むことでシルエットをボヤけさせるため、特に中層での「だまし」がとても良く効く手応えを感じている。
NEW「アベラバ」は、一個一個ていねいにブリスターパッケージに「吊るし」て販売しているが、ラバーにパッケージ癖が付かず、中層で美しく丸くフレアさせるにはこのパッケージスタイルはマストなのである。
ビッグベイトによる「吊るし」!?