今江克隆のルアーニュースクラブR 第987回「早い春を迎え撃て!メタル、スイムベイト、シャッドの使いこなし法」の巻
野池とカスミの推しシャッドを紹介
そして野池や霞水系での絶対定番は、やはり「ゲキアサシャッド」に尽きる。
特にドシャローに射してきているスポーンを意識したバスはこの時期、無闇に「ボトムを掻(か)くルアーを敬遠する」ので、潜行水深50cmのシャッドは強力な武器になる。
水深1m以内でバスの目線の上を巻けるシャッドで、かつ、枯れハス畑や木の枝散在の泥底などのカバー点在スポットをリップで回避できる性能がモノを言う。
基本はスローで「ていねい」な巻きなので、スローでのピッチレスポンスのよさも「ゲキアサシャッド」を選ぶ理由でもある。
一方、ワカサギの多いレイクでは、産卵を終え弱ったワカサギが流れ着く風下のハードボトムでは「GEKIASA90」や「GEKIASA130」のタダ巻きが強烈に効く時期でもあることは忘れずに。
悪条件なら「ジャークベイト」
最後に、なかなか釣れないのだが、やりきれば結果として1日の釣果でフィネスやカバー撃ちに勝るのが「ゲキアサⅢ IKジャーク」など130mmクラスの「ジャークベイト」である。
前出のステルススイマー等のスイムベイト系、そして小型シャッド系との違いは、自分的には「プレッシャー」や「活性急低下条件」でこそ、その威力が活きるのがジャークベイトだと思う。
もちろんプレッシャーのない高活性時なら、より大きなジャークベイトはビッグママに有効だが、「リアクション効果」が最も強いジャークベイトは、シャッドやスイムベイト以上に実はタフに強い。ただ、安定感がなく、成功率はシャッドよりはるかに低いので、近年、フルサイズのジャークベイトを1日やり切れるアングラーは非常に少ない。だからこそそこに大きな可能性があるのだが、正直なところ、自分もなかなかフルサイズをやり切れる度胸はない。
コレでキメたら最高にアメリカンでカッコいい釣り方だけに、極めれば相当な武器になるのだが…。
で、確実性を求めるとスピニングタックルでの「IKスピンジャーク」が、実は秘かに3月のトーナメントなどでは最強だったりする。
昨年も3月にあの地獄リバー旧吉野川でナベが優勝、表彰台に2名が乗る威力を発揮しているので、「難しいが一番厳しい時にこそ最強」なマイクロジャークベイトは、プロアングラーには必殺技的存在なのである。
いずれのせよ、3月はアレコレ釣り方を迷うとよい結果が出ない季節でもある。何をやりきれば正解なのか、そのやり切るべきルアーの選択と度胸こそが春爆のキーでもあります。