東京湾40cmオーバーのギガアジで”違和感”がテーマのプロトロッド”HSR-63 versionⅢ”を実釣テスト
先日、プロトロッドの「HSR―63 versionⅢ」のテストと、グリッターヘッドの実釣も兼ねて、ギガアジ狙いに東京湾ボートアジングに行ってきました。
ですので今回は、その様子についてレポートしていきます。
家邊克己 Yabe Katsumi プロフィール
プロトロッド「HSR―63 versionⅢ」の違和感とは?
アジングの内容を述べる前にまず、開発中の「HSR―63 versionⅢ」ロッドについて詳しくご紹介。
HSRシリーズとは、34(サーティフォー)で唯一あるファストテーパーの機種です。
しかしアジングも年々釣り方が変化しつつあり、今のプランクトンパターンで対応できるファストテーパーのロッドが必要で開発を進めてきましたが、それがかなり難しく苦戦。
昨年からこのロッドのテストと開発を進め、決まったロッドのテーマは「違和感」です。
違和感ってなんだ? と思わている方も多いと思いますが、持った瞬間は「シャッキーン」と張りがあり、実際に振ると「アレッ!」魚を釣るとまた「アレッ」と最初の印象と使った印象の「違和感」を感じとることができるロッドです。
ロッドの素材はアジングロッドで初となる55tのカーボンが搭載
ロッドのカーボン素材は、東レのナノアロイ55tとコンポジット30tで設計してもらうことに。
アジングロッドは今まで55tのカーボンは使われた事がないと思います。
ナノアロイという素材は樹脂の粒子が細かく、粘りがあって強い素材ですが、その素材が醸(かも)し出している違和感か、設計による違和感なのか? 実際に使っていただくと僕の言っている事が分かるはず。
それにしても本当に面白いロッドになりました。
このロッドはグリッターヘッドと相性が良く、タイを訪れた時も散々釣りましたが、大きな魚も暴れることが少なく取りこむ事ができました。
サーティフォー公式「グリッターヘッド」詳細ページはこちら
そこで、東京湾のギガアジで使うと一体どうなのかと思い検証してみることに。
プロトロッドは東京湾のギガアジにも対応できるかを検証
東京湾のヨンマルオーバーのギガアジを釣ることができるのは、11月後半から1月の前半まで。
この時期限定の釣りですが、パワーがある大きいアジがターゲットなので、ロッドテストにはピッタリです。
ギガアジを狙うポイントは、水深27mほどの潮が早く動くエリア。
アジが居るレンジをどれだけ長くキープさせれるかがキモで、基本レンジキープしたドリフトの釣りがメイン。
どのレンジにギガアジがいるかが分らないので、上から順番に探っていきます。
当日も表層でライズしていましたが、セイゴと豆アジです。
因みに、ここの豆アジは25cmほどのアジです。通常なら立派なサイズですが、ギガアジを狙っているので30cm以下は全て豆アジと呼ばれています。
ギガアジと小さなアジではアタり方が全然違う
ギガアジと豆アジはアタリの出方が全く違うので、豆のアタリを見逃し、ひたすらギガアジのバイトがあるまでドリフトさせていくんですが、違いを見抜くのが結構難しいです。
1つ言えることはギガアジのアタリは相対的に小さく、「モゾモゾ」したアタりが多い傾向。ハッキリしたアタリほど小さいアジが多いです。
まず潮上に投げてカウントを取っていきますが、大体魚探で見ると8mから17m辺りにアジが多くいることが分かり、カウント20から始めますがスラックを取ってラインを張った瞬間に既に食っていました。
ドラグを出すこともなく上がってきたのは尺位(30cm)のアジ。
このサイズを狙っているわけではないので、抜き上げてすぐに投入。
今度はカウント18のレンジを狙います。先ほどはラインを張った瞬間にバイトがありましたので、そのレンジより少し上でアタリを確実に取るという狙い方。
アジング全般においてフッキングしている位置を確認することは非常に重要
レンジに到着してラインを張り、トィッチを2、3回入れてグリッターをキラめかしながら流していくと「コンッ、コンッ」と良くアタります。
アワセずに我慢しつつ、数回トィッチを入れた瞬間「グニュ」か「モゾ」か何か違和感を感じ取り、少し聞きアワセ的に張ってみるとロッドに重みが乗っていました。
通常、ギガアジは3回から4回ドラグを引き出して走りますが、63 versionⅢは粘りがあるので、あまり走る事がなく、浮いてきたのは40cmジャストのアジであり、テストなのでそのまま強引に抜きあげました。
大きいサイズを狙うアジングにおいて大事ポイントがあります。
それは走り止まったタイミングでロッドを真っ直ぐにし、フッキングしている位置を確認すること。
ロッドを真っ直ぐにした時に、首を振る感じがしたら飲みこんでいるので、絶対バレることはないので少し強引にやり取りをします。
逆に首を振っている感じがしない時は、顎に乗っている事が多くバレやすくなります。
アジが大きいほど顎の骨は硬くて刺さりにくく、強引なやり取りをすると針が滑り口の端にかかってしまい、バレる事が多いので、ドラグを緩めて時間をかけて取り込むようにします。
先ほどのファイトは首をグイグイと振っていて飲みこんでいる事がわかっていたので、ロッドを起こして強引なやり取りができました。
それからも42cmまでギガアジが釣れてくれました。ロッドの性能も十分に発揮でき、本当に不思議に思うほどアジを暴れさせることなく、浮いてくる感じで取りこめました。
今まで数々ロッドを作ってきましたが、今回のロッドは初めての感覚でしたので、この違和感がとても面白く感じました。結果良いテストとなりました。
タックルデータ
ロッド : HSR―63 versionⅢプロト【サーティフォー】
ライン : ピンキー(0.4号)【サーティフォー】
リーダー : ジョイントライン(1.2号)【サーティフォー】
ジグヘッド : グリッターヘッド(3g)【サーティフォー】
ワーム : 新型ワームプロト (色:にじ・わさび)【サーティフォー】
キメラベイト (色:はなちらし)【サーティフォー】
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