フルモデルチェンジしてから3代目となり、今やアジングフリークからも一目置かれる存在となっているルナキアシリーズ。
個性的なモデルがラインナップされているがモデル毎の特徴を解説していこうと思う。
今回は、ラインナップされている5機種のうち、まずは「THE・ルナキア」といわれるほどのモデルになっているLK632S-LMLS(以後63と表記)から解説していこう。
ルナキアLK632S-LMLS
求めたのはジグ単に対しての圧倒的なアナログ感の操作性。
今回のルナキアには全てのモデルで徹底したアナログ感を追求している。
ではこのアナログ感ってそもそも何?といわれるかもしれないが、アングラーがキャストしてからレンジを探り、潮の流れを感じバイトを捉え、フッキング、そしてファイトからキャッチするまでの一連の流れを、いかにストレスフリーで行うかを数値化から人間の五感にまで落とし込んだことをアナログ感と表している。
求めた絶対感度とテンション感度
ジグ単ロッドに大切なのは絶対感度とテンション感度。
僕が最も大切にしているこの性能の2つは基本相反するもの。
絶対感度において言えば理論上、カーボントン数を上げて高弾性カーボンのみで作る、もしくはそこに複合素材を巻き付けることで絶対感度は上がる。
絶対感度が上がれば伝達力が上がるためバイトは伝えやすくなる一方、曲がらない、抜けのバイトが伝わりにくい、軽量リグをキャストしにくいなど、デメリットの方が多くなる。
反対にテンション感度はリグの操作性、潮の抵抗などアジングにおいてなくてはならない要素を突き詰めていくこと。
これはロッド内部のレジンの量を削り、肉薄化すること、ロッドに柔軟性を持たせることで突き詰めることはできるが、これも追及していくと逆に絶対的な感度は失われてしまう。
つまりアングラーに必要なのは絶対感度とテンション感度の融合から生まれる指先の延長線の感覚で扱えるタクトのようなロッド。
例えるのなら、何もかもを削りサーキットで速さを追い求めるレーシングカーではなく、限界点を自分で使いきりワインディングロードを気持ちよく駆け抜けていくライトウェイトスポーツカー。
まさに「人竿一体」のようなロッド。これこそが究極のアナログ感だと僕は思っている。
究極のアナログ感を追求するバットの太さ
そのアナログ感を追求するのに63にはある古典的な手法が使われている。
それはバットの太さである。
昔のロッドは高弾性ではなかった分、感度を少しでも出そうとバットを太くすることで伝達感度を稼いでいた。
最近は高弾性素材を使うことが多くなったため、太めのバットのアジングロッドは見なくなった。
出典:天龍
63は超高弾性カーボンから高弾性、中弾性カーボンをロールケーキのように巻き付けていくテンリュウならではのマグナフレックス製法をバットからティップ部分繋ぎ目まで採用しながら、早掛けに特化するだけではなく、抜けるようなバイト、またついばむようなバイト、居食いといった様々なアジのバイトに対応するため、ハイパフォーマンスなショートカーボンソリッドティップを採用している。
チューブラーティップと比べても掛けで負けず、そしてソリッドティップが持つ食い込みの良さを伝達するためにあえてこのバットの太さを利用している。
これであらゆるシチュエーションのバイトが指や手先に伝わるようになっている。
このバットの太さがもたらしたのは絶対感度以上にリグを操作しているときにも潮の抵抗、ワームの異常までをも感じるテンション感度を感じることが可能になっている。
アングラーの頭の中に海中の状況が刻一刻を浮かんでくるだろう。
僕の中でのベストタックルバランスは…
リール:アンダー170g
ライン:エステル0.3号
ジグ単:1~1.3g
まさにアジングの王道を極める1本に仕上げている。
潮に送り込んでいき、レンジを探り、バイトが出る一瞬前の何かを感じることができれば、思わずニヤリとするかもしれない。
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