今江克隆のルアーニュースクラブR 第966回「気になるモノだらけ!NEWアイテム開発進行状況」の巻
異素材ハイブリッドワーム「スラッシュバンビ」
そして今週最後の朗報として、ついに、ついに、あの史上最大の難関でもあった「スラッシュバンビ」が最終形態へと進化を遂げた。
コイツほど莫大な金型試作代とサンプル製作費が掛かったワームはイマカツ史上ないと言い切れるほど、「異素材ハイブリッド成型」はイマカツの次なる悲願の開発課題の一つだった。
簡単に言えば「スラッシュバンビ」は、ウッドボディに基盤リップを搭載したフラットサイドクランクと同様のコンセプトで、まさに基盤リップをシャッドテールワームのテールに一体連結させた史上初のハイピッチ&パワフルアクションワームと言えるかもしれない。
それをオールエコワーム素材で実現させたことに価値があるワームである。
柔らかいワーム素材と、硬くて薄いプラスティック系素材の接合は、シャッドテールのアクションの命でもある細くて長い足首のネジレ反転パワーを活かすには最強の組み合わせなのだが、その接合強度の実現は何度もギブアップ寸前まで追い込まれた無理難題極まる技術だった。
一度は硬質素材との組み合わせでアクション的には完全な成功を見たのだが、テールが硬すぎると枝や岩、小バスの口に挟まってしまい、いとも簡単にテールが千切れてしまう結果になった。
ドリームレイクの耐久力テストでは、1匹釣るのに5本のテール部分を食いちぎられる始末…。
通常のシャッドテールでもテールの食い千切られは普通に起こるが、比較テストしたところ、スラッシュテールの耐久力はノーマルテールの半分以下しかなかった。
しかもスラッシュテールのアクションのキレのよさにバイトは目に見えて倍増するので、余計に小バスに食い千切られるという悲劇…これには本当に頭を抱えてしまった。
そこから2年近い歳月が過ぎ、素材から製法、金型までをも幾度も変え、ついに、本当についに先週、耐久強度を互角に、強烈に足首がネジレて復元する明確なパワー&ピッチの速さを実現する方法にほぼ目処がついた。
そして、その最終サンプルをこのコンセプトの発端となったオカッパリアングラーに送ったとところ、その翌々日に秋にもかかわらず2650gものまさに天才系野池50cmUPを速攻で仕留めてくれた。
これこそが、この「スラッシュバンビ」へのバスからの素直な解答だと思いたい。
ここからトラブルがなければ、4回目の新春「スラッシュバンビ」は満を持して市場デビューできそうである。
今年の秋〜冬は例年以上に期待大な超大型新人がデビューさせれそうである。